【ギフト・ショー秋2016:2】製造の現場=工場を公開して魅力を伝える!

【ギフト・ショー秋2016:2】製造の現場=工場を公開して魅力を伝える!

ビックサイトで開催された「第82回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2016」

【記事のポイント】
▼オープンファクトリー=雑貨工場を一般開放することで、街を巻き込んでのイベント化する
▼熱意ある外部を巻き込み、人や地域の広がりを作る
▼オープンファクトリーに注目する行政の助成も得やすい


 16年9月7日から開催の「第82回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2016」では、ギフトに向けた雑貨の展示に加えて、セミナープログラムも実施。その多くは雑貨を扱う小売店に向けたものだが、中には雑貨を製造するメーカーに向けたプログラムもあった。その一つが、「モノづくりの現場を公開し、モノづくりと地域の魅力を伝えるオープンファクトリー〜地域のモノ・コト・ヒトを次代に繋ぐ〜」だ。

 “オープンファクトリー”とは、簡単にいえば工場見学のこと。会場では日本各地でモノの生産・流通の現場に消費者や地域住民を呼び込み、地域活性化を図っている企業や自治体によるトークセミナーを開催。東京都台東区、大田区、新潟県燕三条エリア、富山県高岡市、そして行政側から経済産業省参事官という6人が壇上に上がった。

■台東区のオープンファクトリー「モノマチ」は10万人規模を動員

 オープンファクトリーでは、どのくらいの集客が期待できるのだろうか? 台東区のイベント「モノマチ」は御徒町〜蔵前〜浅草橋という約2平方キロメートルを回遊する方式で、参加工場や店舗も190社(店)と多い。8回目となる16年5月のイベントでは10万人規模で街を歩く人がいたという。

 そのほか、大田区や新潟県燕三条でもエリア型のイベントを開催しているが、高岡だけは宿泊付きのツーリズム方式で、毎回30名ほどが参加。人数は少ないが、ファクトリーと参加者の交流は濃厚になると語る。

 また、今回登壇したエリア以外でも単体の企業が工場を開放するなど、さまざまな手法でオープンファクトリーが展開されている。特に、大企業はワイン工場など単体でのオープンファクトリーが多い。しかし、中小規模以下の工場では、エリアでの“イベント型”にすることが重要だという。3本の矢の寓話ではないが、やはり小さい町工場は数を恃んで、バリエーションを売りにするのが重要のようだ。


■外部の“もの好き”をリーダーとして、工場は全面バックアップする

 今回のセミナーでは各地域におけるオープンファクトリーの主催者が集まったわけだが、実はそのすべてが工場経営者やその従業員ではない。そして20代後半から30代の人たちがイベント委員長を務めている。

 台東区の「モノマチ」の場合は、地域内に「台東デザイナーズビレッジ」というクリエーター向け学校がオープンし、その卒業生がイベントを運営している。大田区の「おおたオープンファクトリー」では、工場に加えて観光協会、大学が一体となって実行委員会を結成した。

 多くの工場が組合に入っていると思うが、その組合だけではなく、行政や住民などいかに“外部の人”を巻き込んでいくかも、オープンファクトリーには重要になる。

 「やはり最初はなかなか口をきいてくれない人もいた」(高岡伝統産業青年会理事 羽田純氏)というように、工場の従業員、つまりは職人が外部の人を受け入れるのにも時間がかかる。場合によっては行政や警察とも交渉しなければならない。そんな実行委員長をやってくれる“もの好き”を捕まえること、これも工場側に求められることだという。

 さらに、イベント運営には行政のバックアップも欠かせない。経済産業省では、全国各地のオープンファクトリーを紹介するガイドブックを作製。さらに「ジャパンブランド」創生として助成も行っている。

 「各地のオープンファクトリーを結びつけて付加価値を創り出したい。作り手と消費者が結びつくことで、新たなムーブに生まれることも期待している」(経済産業省関東経済産業局総務企画部参事官 北原明氏)と、行政がこのオープンファクトリーを見つめる目は熱い。

 これらの地域には、たまたま“もの好き”がいたのだろうか。いいや、どこにでも自分の住む地域に興味をもって熱心に取り組んでくれる“もの好き”はいる。このような人たちをいかに巻き込んでイベントを作り出していくか、そして地域を、業界を活性化させることができるか。それは、ブランド発信や将来の担い手創出という面において、企業にも貢献することになるだろう。

 工場だけではなく、商店街、問屋街、さまざまなところで応用ができる方法論が、このオープンファクトリーには秘められている。

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