【ギフト・ショー秋2016:3】今日できるディスプレイ改善術

【ギフト・ショー秋2016:3】今日できるディスプレイ改善術

キウチ・ビジュアル・アソシエイツ 代表取締役社長 木内勢津子・ハンセン氏

【記事のポイント】
▼ディスプレイ改善の第一歩は“色の持つ役割”を使い分けることから
▼四角い棚の中で目に留まるのは“三角形のレイアウト”
▼ディスプレイは10メートル離れると、その良しあしが分かる


■“商品に接客をさせる”ディスプレイの役割を再認識する

 店頭のディスプレイをちょっと変えるだけで印象が大きく変わる、通行客が足を止めてくれる……。「第82回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2016」のセミナープログラム「通行客が思わず入店する【木内メソッド商品陳列講座】」は、そんなディスプレイの実践的なテクニックにあふれていた。

 講師のキウチ・ビジュアル・アソシエイツ 代表取締役社長 木内勢津子・ハンセン氏は、独自の店頭展示ディスプレイ理論を確立。これまでも西武百貨店、ロフトなど数々の店舗でディスプレイを担当し、販売促進のための環境装飾を行ってきた。

 そんな木内氏が強調するのは、“商品に接客させる”ということ。どのように商品を魅力的に見せるかのノウハウとセンスを磨くことによって、通行客を店内に誘導して売り上げアップさせるはもちろん、スタッフの削減も可能だと話す。

■印象価格や商品価値を高めるカラーバランス

 木内氏が提案するようなディスプレイ技術は「VMD(Visaul MerchanDising)」と呼ばれている。品ぞろえや商品特性の演出にVMDの視点からアプローチすることで、ブランドイメージや商品の良さを顧客に自然に記憶させ、購買意欲に結びつける。木内氏はこれを“視ることによるコミュニケーション”だと力説する。

 このVMDで重要なことは2つある。ひとつは“色・色彩”、そしてもうひとつが“陳列の形”だ。

 たとえば通路から見て白い壁に白い商品を展示したらどうなるだろうか。後ろの壁に商品が沈み込んでしまい、まったく目立たなくなってしまう。これはかなりの悪例だが、実際にそういうディスプレイも少なくないという。


 また、色にはそれぞれ意味と組み合わせがあり、これらを知ることで集客できるディスプレイが可能になる。例えば、赤という色には注意を引く効果があり、マクドナルドの店頭や看板には赤が多用されている。一方、緑には安心・安全といった意味があり、これをうまく使っているのがスターバックスコーヒーだ。

「店頭ディスプレイは、通行客にとっては“店の顔”。色を活用することで入店率、買い上げ率をアップさせるだけではなく、印象価格や商品価値を上げられます」

■三角形でアクセントをつける陳列メソッド

 次に商品を陳列する“形”について。木内氏は陳列スペースを店頭などの「VP(ビジュアル・プレゼンテーション)」、商品棚で目立たせたい場所の「PP(ポイント・オブ・プレゼンテーション)」、品ぞろえを際立たせたい「IP(アイテム・プレゼンテーション)」という3つのエリアに分けて、それぞれに違った形が必要と語る。

 例えば、高さ2メートル×幅3メートルの商品棚があったとして、そこに一様に商品を並べても訴求力に欠ける。セミナーで木内氏は「人間の目というのは、パッと見た瞬間にいろいろ判断している。だから一瞬で目立つ“形”が必要」といい、三角形の活用を強調していた。

「棚の上部スペースを三角にしたり、四角い棚のスペースに三角に見えるように商品を置いてみたりする。これだけでPPの役割を果たします。棚は四角いものが多いからこそ、商品の置き方を工夫するだけでアクセントになるわけです」

 その他、同講座では、陳列の左右を同じにする左右対称構成、同じ陳列を繰り返すリピート構成など、陳列の基礎についても紹介された。集客に苦しんでいる店舗では、こういったディスプレイに注目するのも重要なポイントとなるだろう。

 どこが悪いかもし迷ったら、「10m離れて店を見てみよう」と木内氏はいう。自分の店がどう見えるか、客観的に見ることができるのだそうだ。雑貨など小売店の店長やオーナーは毎朝店に入る前、エントランスの10メートル前からディスプレイに三角形を探してみてはいかがだろう? そこで目に留まるものが無ければ、実はそのディスプレイは集客の機能を果たしていないかもしれない。

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