【インバウンドEXPO:2】訪日観光客には動画コンテンツを活用せよ!

【インバウンドEXPO:2】訪日観光客には動画コンテンツを活用せよ!

JTBプランニングネットワーク 向頭芳仁氏

【記事のポイント】
▼動画プロモーションが言葉の壁を越えて客を掴む
▼『旅ナカ』のプロモーションが重要
▼VRは、今後注目のプロモーション媒体となる


 インバウンドを相手に新たなビジネスを検討する上で、大きな課題となるのがプロモーションだ。訪日観光客が喜ぶコンテンツを持っていたとしても、海を越えて認知を広め、国内でも多言語でPRしなければ購買にはつながらない。

 東京国際展示場で開催された「ツーリズムEXPOジャパン2016」では、訪日外国人向けビジネスの展示会「インバウンドEXPO2016」を開催。その中で、インバウンドビジネスにおけるプロモーションの重要さを説くセミナー「IoT思考の訪日インバウンドプロモーション」が実施された。講師を務めたのは、JTBでもプロモーションを手掛けるグループ企業「JTBプランニングネットワーク」の向頭芳仁氏。同氏は「インバウンドには、動画コンテンツを活用せよ」と説く。

■パンフ作成より安価な、スマホ向け“旅ナカ”プロモーション

 インバウンドに向けてのプロモーションには、“旅マエ”“旅ナカ”“旅アト”という3つのフェーズがある。このいずれかのフェーズにおける取り組みで、外国人が日本に来たときの行動が変化するとのことだ。

「従来は『旅マエ』にきっちり情報を得て、旅行の行程もきっちり決まっていることが多かったです。しかし、最近はスマホという持ち運びできる情報端末が登場したため、『旅ナカ』のプロモーションも重要になりつつあります」


 とくに注目したいのが現地に着いた後、“旅ナカ”中での“検索”だ。中小企業にとって、日本語以外のHPを整備するのは、コストの面からいってもけっして容易ではない。ましてや英語だけではなく、訪日人数の多い中国語、韓国語などまでは、なかなか手が回らないだろう。そこで活用したいのが“動画”だという。

 インバウンドに自分の店に来てもらうには、まず自分の店がどんなことをしているかを知ってもらう必要がある。このとき、動画コンテンツで自店などを紹介することは、外国語版のHPを作成するよりもコストが安い。写真でもわかる場合もあるが、動画ならもっと伝える情報が多くなる。検索された動画を観てもらい、自店への引き込みを狙う。それが向頭氏の勧めるプロモーション術だ。

■VRを活用したPRコンテンツも視野に

 16年は“VR元年”といわれている。多くのVR端末が登場し、10月には「PlayStation VR」も発売される予定だ。

 向頭氏はVR機器の普及を見越したプロモーションも推奨している。同社ではスマホを装着することで、安価にVR動画を再生できるキットを販売。会場では360度撮影できるカメラの実演も行なわれた。右を向けば右側が、上を向けば天井までを見ることができ、実際の店舗の魅力を肌で体感できる。

 とはいえ、現状のVR普及率を考えると、中小企業がコンテンツを作成することは、費用対効果に見合わないかもしれない。まずは、動画でのプロモーションからはじめ、VRについては機会をうかがうことになるだろう。その際にもコンテンツの撮影を自ら行なうなど、コスト削減についてのアイデアが必要そうだ。

 観光庁のデータによれば、15年のインバウンドの消費額は約3.5兆円。東京オリンピック・パラリンピック開催で多くのインバウンドが訪日するため、20年には推計8兆円とも見込まれている。この巨大な消費をどのようにとらえるか? そのトライアルのひとつとして、言語の壁を越えられる動画コンテンツの活用を検討してみたい。

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