IoTは「フレッシュなデータ」、その活かし方を考えよう!

IoTは「フレッシュなデータ」、その活かし方を考えよう!

IoT時代とはどんな時代なのか? Iotの在り方を示した「ワイヤレスジャパン2017」

【記事のポイント】
▼IoTによって得られる膨大なデータ、これをどう活かすかが飛躍するカギ
▼IoTによる利用状況データを活用、商品競争力向上が可能になる
▼IoTの利用はまずは採算性の弱い事業部や製品や自社サービスの弱点から始めるべき


■「Iotとはデータである。これをどう活かすかがカギ」

「IoT時代」と言われているが、このIoT時代とはどんな時代なのか、そしてそれは事業にどうかかわってくるのか。5月24日から開催された「ワイヤレスジャパン2017」では、このIoT時代到来に当たって企業が取り組むべき課題について数々のセミナーが開催された。そのなかのひとつで製造業やサービス業でのIoTの在り方を示した「【製造業・サービス業】 IoTデータによる価値創出の最新事例」を見てみた。

 講師は、富士通クラウドテクノロジーズ IoTビジネスデザイン部課長・西尾敬広氏。同社は富士通グループの再編によってニフティのエンタープライズ向け事業を継承した事業会社で、「ニフティクラウド」などのクラウド事業を手掛けている。

 まず西尾氏が強調したのは、「IoTとはデータである」ということ。「さまざまな製品をインターネットとつなげることで得られる膨大なデータ、これをどう活かすかが、IoT時代で飛躍するカギだ」と話す。

「人・モノ・サービスがインターネットで繋がるということの意味は、『常にフレッシュなデータ』が取得できるということ」といい、「IoTによって得られる人間の行動データ、機械の稼働データ、位置データなどを基に、導線の変更、商品改良へのフィードバックなどを行い、高付加価値化、コスト低減、顧客接点の強化などが図られる」と、IoTからのデータを活かすことが、事業の効率化へ繋がると語る。

■歯ブラシのIot化で医療保険料を安くする

 その具体例として、コーヒーメーカーや歯ブラシでの事例を西尾氏は挙げた。
「たとえばコーヒーメーカーをIot化すると、その利用状況から『あと2回でコーヒー豆がなくなります』などと通知してくれる。歯ブラシでは、きちんと磨いているかどうかが判断でき、きちんと磨いている人には医療保険料を安くするといったことができる」。このほかイスなどで姿勢矯正提案などもできるといい、利用状況データを活用した新たな価値提案で、商品競争力の向上を提案している。


■遊休施設をいかに減らすかに活用

 サービス業では、同社が実際に実証実験しているスポーツクラブでの実例を紹介。スタッフに携帯させたビーコンから位置データを取得し、各スタッフの行動を可視化。スタッフの活動導線データを見直すことで、顧客エンゲージメントの向上を図る試みを行っている。このほか多くの館内施設をもつ大型銭湯などで、設備ごとにカメラを設置して混雑状況をリアルタイムで把握。「いま岩盤浴が空いています」などの情報を提供することで、遊休設備へと導くといったことができると、西尾氏はIoTのサービス業への展開を示した。

 西尾氏によれば、同社でIoTに関するアンケートを取ったところ、製造業で51%、サービス業で37%の企業がIoT導入を検討していると回答しているという。ところが、このIotに関する相談先がないということが、導入検討企業の悩みといこうこともわかったそうだ。同社ではこういったIoT活用の実証実験も行っており、IoTソリューションも展開している。

■まずは現在の事業の弱点克服に活用すべき

 そして最後に西尾氏が改めて言ったのは、「IoTは、現在行っている事業の課題の克服のツールとして活用すべき」ということ。IoTは、まずは採算性の弱い事業部や製品、あるいは自社サービスの弱点と思われる部分の解析データとして利用すべきだという。「明確なビジネスメリットからの逆算がいい」のだそうだ。

 端末の増加によるトラフィックの激増も予想され、5Gなど通信インフラの整備も始まっているIoT時代。この時代を生き残るために、IoTをどう活用するか、各企業の視線は熱い。




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