次世代の国際列車、コロナ禍の中で見出した「活躍の場」 ロシア鉄道「ストリージィ」の近況

次世代の国際列車、コロナ禍の中で見出した「活躍の場」 ロシア鉄道「ストリージィ」の近況

次世代の国際列車、コロナ禍の中で見出した「活躍の場」 ロシア鉄道「ストリージィ」の近況の画像

新型コロナウイルスによる社会情勢の変化により、車両の運行にも影響を与えている。それは外国も例外ではなく、ロシア〜ヨーロッパ間では未だに国際列車が再開されていない。今回はロシアとドイツを結ぶ列車「ストリージィ」のロシア国内での働きぶりを紹介したい。

ロシアとドイツを結ぶ次世代の国際列車

ここで紹介する「ストリージィ」をロシア鉄道ご自慢の次世代の国際列車だ。車両そのものはスペインのタルゴ社で製造され、車輪の幅を自動で変えられるフリーゲージトレインになっている。

2016年、「ストリージィ」はロシア・モスクワ〜ドイツ・ベルリン間の国際列車に投入された。ロシア〜ドイツ間の国際列車はロシア、ベラルーシ、ポーランド、ドイツの4か国を走破する。ロシアとベラルーシの線路幅は広軌1520mm、ポーランドとドイツの線路幅は標準軌1435mmとなり、ベラルーシ・ブレストにて車両の台車交換が行われていた。

先述したとおり、「ストリージィ」はフリーゲージトレインなので面倒な台車交換はなく、最高時速は200km/hである。2020年冬版『ヨーロッパ時刻表』によると、モスクワからベルリンまでの所要時間は約23時間だ。

車内は個室寝台や座席車、食堂車などバラエティーに富む。筆者は2018年にベルリンからベラルーシ・ミンスクまで乗車したが、ロシア鉄道のイメージを覆すほどの快適さだった。

ロシア国内で大活躍!

順風満帆に見えた「ストリージィ」だったが、2020年は災難の年になった。新型コロナウイルスにより、3月にロシア〜ドイツ間の国際列車は運休となった。

このままでは、せっかくの看板列車も活躍の場を奪われてしまう――かと思いきや、メインの仕事を取り上げられた「ストリージィ」はロシア国内に活路を見出した。8月下旬、サンクトペテルブルク〜サマラ間を走る新列車に投入された。この列車はサンクトペテルブルクからモスクワ、人口約130万人都市のニジニ・ノヴゴロドを経て宇宙産業都市のサマラに至る。もともと9月上旬までの運行だったが、11月3日から継続運行される。

サンクトペテルブルクとサマラを約19時間で結び、快適な車内環境も相まって、乗車率も上々のようだ。この列車はモスクワ〜サンクトペテルブルク間はノンストップ、モスクワ〜ニジニ・ノヴゴロド間の停車駅は2駅しかないため、速達性を重視していることがわかる。

個人的には筆者が乗車した看板列車が国際列車の運休によってニートにならず、国内列車として大活躍している報せが聞けてうれしい。

(フリーライター 新田浩之)