「鬼滅」が書店市場の救世主に 4年ぶり、売上拡大の可能性高まる

「鬼滅」が書店市場の救世主に 4年ぶり、売上拡大の可能性高まる

「鬼滅」が書店市場の救世主に 4年ぶり、売上拡大の可能性高まるの画像

2020年の書店市場(事業者売上高ベース)は「鬼滅の刃」の販売好調で、4年ぶりに市場が拡大する可能性が出てきた。帝国データバンクが11月24日に明らかにした。

年内にも最終巻発売

出版取次大手の日本出版販売によれば、10月の店頭売り上げの前年比は114.3%だった。 6か月連続で前年超えとなったほか、伸び率としては同社が集計を開始した2008年以降で最高値となっている。

好調な書籍販売を牽引しているのが「コミック」。10月は前年比146.8%と大きく伸びて、13か月連続で前年を超えた。特に「鬼滅の刃」は、10月16日に公開された劇場版の効果や特装版の販売による特需があり、中小書店でも書籍や付録グッズの販売が大幅に伸びた。

「鬼滅の刃」は、最終巻となる23巻が年内にも発売されるため、書店業界ではさらなる売り上げ増への期待感が高まっている。

10年前の7割強に落ち込んでいた

今年は新型コロナの感染拡大に伴う影響もあり、自宅で楽しめるエンターテインメントとしてコミックの需要が広がったことも大きい。それを牽引したのがメガヒットの「鬼滅の刃」となった。

11月時点までの業績推移が今後も進めば、通期予想などを含めた20年の書店市場は、増加幅は僅少ながらも4年ぶりに拡大する可能性が出てきている。

20年10月までに倒産した書店は前年同期を9件下回る10件。このペースで進めば、書店の倒産は4年ぶりに前年比減少に転じるほか、通年で最も少ない01年の15件を下回り、過去最少を更新する可能性が高いという。

書店市場は2019年、1兆2186億円となり、3年連続で減少。10年前の7割強の水準に落ち込むなど、じり貧状態が続いていた。

今年の好調は「鬼滅の刃」のメガヒットに頼っているところが大きいため、今後については不透明だという。