不動産投資で見誤らない目を作るために必要な「考え方」と「勉強方法」

不動産投資で見誤らない目を作るために必要な「考え方」と「勉強方法」

『“自己資金ゼロ”からキャッシュフロー1000万円をつくる不動産投資!』の著者、椙田拓也さん

「普通のサラリーマンでもできる」ということから、人気の高い「不動産投資」。
確かにすぐに乗り出すことは可能だが、知識ゼロ、準備ゼロで成功できるものではない。

これから不動産投資を始めたい人や、なかなか上手くいかない人に向けて、手堅く成功するための方法が書かれた『“自己資金ゼロ”からキャッシュフロー1000万円をつくる不動産投資!』(ごま書房新社刊)の著者である椙田拓也さんは、もともと株式投資を行っていたものの、リーマンショックを経て株に不安を感じ、不動産投資に鞍替え。
現在は14棟102室を保有しながら、アドバイザーとして融資のサポートや勉強会などを行っているという。

そんな椙田さんに、これから不動産投資を始めたいと思っている人に向けて、その始め方やノウハウをご自身の経験を踏まえながら語ってもらった。

(新刊JP編集部)

■「はじめの1年間は投資手法に迷って何も買えなかった」――椙田さんの不動産投資についての経歴についてまず教えて下さい。

椙田:もともと株式投資を行っていたのですが、2008年のリーマンショックで資産が目減りしたことから不動産投資に鞍替えしました。しかし、思い立って不動産投資の勉強を始めましたが、あまたある投資手法に迷い、結局1年間は何も買えない時期が続きました。

初めての物件は2009年の年末に神奈川県に2棟買ったところから始まり、そのあとは年に3〜4棟を取得し、いまは14棟102室を保有しています。

――1年間何も買えない時期が続いたとおっしゃいましたが、実は以前、椙田さんと同じように最初の物件を買うまでに時間がかかったという投資家の方がいました。これは不動産投資初心者によくある話なのでしょうか?

椙田:いや、あまり聞かない話だと思います。少なくとも1年迷ったらもう買えなくなってしまうことが多いですね。逆に始めてすぐに買ってしまう人はいます。

――やはり最初から直感的に物件を選んだほうが成功しやすいのですか?

椙田:結局はどんな物件を購入するかですね。ただ、最初から悪い条件の物件を掴んでしまっても、そこからやり直してリカバリする方も多いです。

――最初からできるかぎり良い物件をつかむにはどうすればいいのでしょうか。

椙田:欲張りすぎないことですね。利回りの高さばかりを求めてしまう人は少なくありません。しかし、表面利回りは確かに高いけれど、空室リスクが高かったりリフォーム資金がかかったりしてしまうこともあります。

――椙田さんはどのように不動産投資の勉強をしたのですか?

椙田:もともと新卒で入社した大和ハウス工業で、郊外店舗の建て貸し物件の営業という仕事をしていたことが、いま思うと不動産投資の基礎となっています。しかし当時は、そうした不動産投資は先祖代々土地を所有している「地主」が行うものと思い込んでいたので、資産背景のない一介のサラリーマンが不動産投資に参入できるとは思っていませんでした。

2008年に思い立って、書店で「不動産投資」の本を手に取ったことで、これまでの断片的な知識や経験がまるでパズルのピースのようにパチパチとはまり、不動産投資の全容が見えた瞬間は本当に衝撃的でした。それ以降は、書店や図書館で60冊くらいの関連書籍を読み、インターネットでも検索して勉強しました。

当時、不動産投資関連のセミナーなどはそんなになかったため、不動産業者さんに実地で教わったことも多いです。あとは、実際に物件を取得して運営していくなかで、冷や汗をかきながら対応していったことが振り返って見ると一番勉強になったなと思います。

――2015年に椙田さんはサラリーマンを引退されています。この引退の基準はどこにあったのですか?

椙田:当時、サラリーマンとしての僕の年収は1000万円くらいでしたが、キャッシュフローでこの年収を抜いたことで、リタイアしてもよいかなと思うようになりました。

「キャッシュフロー1000万円」は本書のタイトルにもなった数字です。しかし、キャッシュフローは金利やランニングコストの変動、減価償却の枯渇、入居率の低下、老朽化による修繕費の拠出など、将来にわたってキャッシュフローを脅かすリスクファクターはいくつかあるため、手放しで安泰というわけではありません。そのため、取得後の運営の中でも経営努力していくべき課題はどんどん出てきます。

――不動産投資を始めてからご自身の考え方はどのように変わりましたか?

椙田:小さな視点としては、本業のサラリーマン生活のなかで、経営者目線が身に付いたということでしょうか。不動産投資は事業ですから、売上の拡大(空室対策と新規追加購入)やコスト削減などを自己責任で行なっていかねばなりません。そのなかで当然ながら経営者目線が備わってくるものです。

一方もっと大きい視点としては、世の中は仕組みを提供してお金を受け取る側と、その仕組みを享受してお金を支払う側とがあることがわかってきた点です。不動産投資は住居のように供する部屋を提供して家賃を受け取る仕組みですが、不動産投資に限らず全ての商売がこの原則のうえで成り立っています。これが分かったことは自分の中では大きな変化でした。

――他の投資と比較して不動産投資のメリット、デメリットはどこにあると思いますか?

椙田:不動産投資のメリットはいくつかありますが、他の投資との違いで最も大きいことは「金融機関からの融資によって買う」ということです。これを「レバレッジをかける」と表現することがあります。テコの原理ですね。

なぜ不動産投資だけ融資がひけるのかというと、土地建物という資産が銀行から評価されるからです。あとは収益性のモデルが、不動産賃貸業という事業だから。要するに不動産投資は投資ではなく事業なんですね。

ただ融資を引いてレバレッジを膨らませること自体はリスクも伴います。収益性の悪い物件や安定稼働できない物件を取得してしまうと、レバレッジが逆の効果をもたらします。

不動産投資の借入れは、家賃収入から返済します。つまり入居者が代わりに返済してくれるというイメージです。入居者がいなくなると自分の収入から返済しなくてはならず、稼働率が極端に低下すると支払い不能に陥ってしまう恐れもあるのです。そのため物件選びが非常に重要となります。この空室のリスクが不動産投資の最大のデメリットでないかと思います。

(後編に続く)

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