Google アシスタント日本語版は何がすごいのか?

Google アシスタント日本語版は何がすごいのか?

画像提供:マイナビニュース

●Google アシスタントのすごさ
グーグルは29日、Androidスマートフォン向けに日本語版Google アシスタントの提供を開始すると発表した。機能を見る限り、これまでの音声検索の「OK Google」と変わらないような気がするが、何がすごいのか。

○Google アシスタントとは

Google アシスタントは、知りたいことを調べたり、やりたいことをサポートするパーソナルエージェントとも言える機能だ。対応スマートフォンのホームボタンを長押しするか「OK, Google」と呼びかけることでアシスタントを呼び出すことができる。

呼び出したGoogle アシスタントに、「○までの行き方を教えて」といえば、目的地までの行き方を示してくれる。「北海道の写真を見せて」と言うと、Google フォトから該当の写真を探し出してくれたりする。お母さんに「×××」とメールしてと伝えるだけでメールを送ってくれたりもする。ほかにも、自分の名前や好きな食べ物など覚えてくれる。

音声を通じて、様々なアクションを手助けしてくれるのがGoogle アシスタントだ。しかし、である。ここで気づいた人もいるのではないだろか。これまでの「OK Google」による音声検索と何が違うのか、という点だ。

ルート検索、天気予報の検索、リマインダーの設定、予定の作成、メールの送信といった機能は実はこれまでもあったわけだ。Google アシスタントの特徴はどこにあるのか。

○Google アシスタントの特徴は?

Google アシスタントの特徴、それは"文脈"の理解である。利用者個人が「今、置かれているのはどんな状況なのか」「今、何を求めているのか」を理解して返す能力だ。

たとえば、次のようなやりとりからもそれが分かる。「札幌市内で人気のジンギスカンのお店を教えて」と聞くと、Googleアシスタントは「札幌市内で人気のジンギスカンのお店を検索しました」と候補をいくつか返してくる。次が重要だ。

「最初のお店」と話すと、先ほど提示してきた店舗について「こちらはジンギスカン○です」と店舗名を返してくる。この段階で"最初のお店"が指すのは"ジンギスカン"のことであると理解しているわけだ。

●グーグルの考え方
○Google アシスタントで広がる可能性

この文脈があるからこそ、ユーザーとアシスタントの間での会話が成り立ち、一方通行に陥らないコミュニケーションが成り立つ。アシスタントの対話を通じて、レストランの予約、ケータリングサービスの活用などの一連のアクションをスムーズにこなしてくれることになる。

これまで検索はユーザーが抱いた疑問や質問に対する結果しか反映されなかったが、文脈をもった対話によって、ユーザー自身、気づかなかった発想や選択肢を導く可能性もありそうだ。そうなれば、これまでとは違った意思決定も可能となるわけだ。現段階ではやりとりには、まだ改善点が多く、グーグル自身、第一歩に過ぎないとしており、これからのサービスといった具合だが、期待は大きいだろう。

そんなグーグルは現状、さらなる開発を進めるとともに、その利用範囲を広げていくという。今夏以降に日本発売となるGoogle Homeに搭載したり、自動車のなかで利用可能にしたり、様々なデバイスにGoogle アシスタントを搭載していく方針だ。

また、「電球を付けて」「タクシーを呼んで」「ピザを注文して」といったアクションをGoogleアシスタントを通じて可能にするために、「Actions on Google」という枠組みを用意している。グーグルは電球メーカーでもなく、タクシー配車会社でもない。サービス提供側に枠組みを活用し、ソフトウェア開発を外部に行ってもらうことで、Google アシスタントの可能性を高めようとしている。

○グーグルが目指しているもの

できることが多いのは、有用である証であり、有用であればあるほど、そのサービスやプラットフォームは力を持つことになる。グーグルは現状、Google アシスタントを通じたビジネスモデルについては「特に考えていない」としている。しかし、"文脈を読み取る力"をもってして、将来的に何がしかのマネタイズが可能になることも示しているといえそうだ。

もっと大きな見方をすると、グーグル自体が「AIファースト」という言葉をもってして、AIに注力していく意向を示している。機械学習の力を誰もが使えるようにすること、その恩恵を誰もが受けられることを目指しているのだ。理念ありきで、ビジネスモデルは二の次が多いグーグル。果たして、Googleアシスタントをもってしてどんなビジネスモデルを生み出すのだろうか。
(大澤昌弘)

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