スシローが宅配サービスに参入、超限定の配送エリアは広がるか

スシローが宅配サービスに参入、超限定の配送エリアは広がるか

画像提供:マイナビニュース

●都心限定のデリバリー
あきんどスシローが5日より、デリバリーサービスを開始した。ただし、現在、利用できるのは、東京都心2店舗の配送対象エリアのみ。なぜ都心に限定されるのか、今後は広がるのか。

○自前のデリバリーにあらず

素材の品質にこだわり、これまで店舗来店者のみに寿司を提供してきたスシロー。そのスシローがデリバリーサービスに乗り出した。とはいえ、自前で配送するわけではなく、Uberのフードデリバリーサービス「UberEATS」を活用したものとなる。

5日からスタートしたデリバリーサービスを活用できるのは、SUSHIRO 南池袋店、SUSHIRO 五反田店の2店舗周辺のUberEATS配送対象エリアのみ。7月上旬にはサービスを拡大し、スシロー烏山店を基点に楽天の「楽びん!」を活用して、東京都世田谷区の一部エリアにも配送する予定だ。

当面の間、東京都心部でのサービス利用に限られるが、今後はどうなのか。あきんどスシローの水留浩一社長は「スシローの店舗がデリバリーサービスのエリア内にあれば」と話す。

出店エリアに、UberEats、楽びん!の配送エリアを重ねると、当面の間、郊外でのデリバリーサービスの提供は可能性が低そうだ。UberEats、楽びん!ともに、サービスエリアは現状、東京都心部に限定されているからだ。実は、スシローはこれまで郊外への出店を続けており、都心型店舗としては、昨年9月にオープンした池袋、そして、今年5月にオープンした五反田店の2店舗のみと数が少ない。そのため、都心部といっても、数が限られてしまう。

●スシローの本音
○実店舗で食べて欲しいという本音

水留社長の別のコメントを拾っても、郊外への展開の可能性は高くはない。そもそもの経緯について、「"うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。"という企業理念を多くの人に体感してもらいたい。なかなかスシローに足を運べない人に向けて、スシローの寿司を楽しんでもらうために始めた。都心の会社の会議でも味わってもらえたら……」とし、同氏のコメントからも"都心"という言葉が出てくる。

スタンスとしても、事業の柱とすることは想定しておらず、あくまで実店舗で調理ができることを強みとし、"キッチンの有効活用"、"サービスの進化系"としての位置づけにあるという。

ビジネス的には、今後、中食市場の拡大が見込まれるなかで、スーパーなどで販売する寿司は作りたてのおいしいものがないとし、そこに商機を見出しているようだが、だからといって、デリバリーを全店展開するとも述べていない。

スシローがこだわるのは、素材の品質であり、来店できる人に対しては、店舗で素材の旨さを味わって欲しいという気持ちがあるのだろう。実店舗になかなか行けない人に向けたサービスなのだ。

では、東京以外でデリバリーはやらないのか、というとそうでもないようだ。同氏は「都心部といっても大阪もあれば名古屋もある」とエリア拡大をほのめかす。しかし、スシローのこだわりと話の流れを総合して考えると、郊外の路線はやはり薄そう。都心部へは、年間3〜5店舗、新規に出店していくというが、郊外の人は、おとなしく実店舗に行ったほうがよさそうだ。
(大澤昌弘)

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