ファミマとLINEが次世代店舗で提携、日本版「Amazon Go」の誕生か

ファミマとLINEが次世代店舗で提携、日本版「Amazon Go」の誕生か

画像提供:マイナビニュース

●ファミマの考える次世代コンビニ
並ぶ必要も会計の必要もない、未来型コンビニとして米アマゾンの「Amazon Go」が話題を集めたが、日本でもファミリーマートがAIを活用した次世代型コンビニのコンセプトムービーを公開した。それは日本版「Amazon Go」と言えるものだろうか。

○Amazon Goとは?

Amazon Goの最大の特徴は並ぶ必要なし、会計の必要もなし、というものだ。アプリを起動して入店。欲しい商品を手に取るだけ。後はバーチャールカートに商品が入り、店を出ると自動で会計を済ませてくれる。レシートはアプリに送られる仕組みだ。AIを使った画像認識、各種センサーが活用されていると解説されている。買い物途中で気が変わったら、商品を元の位置にもどすだけでシンプルなのもいい。

時間のない人がさっと入店し、さっと買い物を済ませる。スムーズさを売りにした近未来型コンビニといえるものだろう。

未来型コンビニの形として注目されたAmazon Goだが、日本でもファミリーマートが次世代型店舗のコンセプトムービーを公開した。ファミリーマート、伊藤忠商事、LINEの3社が業務提携し、LINEのAIプラットフォーム「Clova」やLINEのその他サービスを活用したものとなる。

ムービーの内容は次のようなものだ。ファミリーマートの入り口でスマートフォンをかざして認証させる。サンドイッチコーナーにいくと「あなたにオススメ ハムチーズたまごサンド」と表示される。別のお客の姿として外国人の姿が映る。その人は手に取った商品が何かと考える。日本語が読めないからだ。するとAIが店内ディスプレイに英訳してくれる。

飲料コーナーにはキャンペーン商品が置いてある。最後の1本だ。それが手に取られて陳列棚に商品がなくなると、商品がオート補充される。そして、店員に追加注文を促す。

画面は入店シーンに戻る。ここでは、店内のカメラで来店客の属性を画像認識を用いて分析。男性30代、女性20代などの大まかな年齢を把握しているようだ。店員が持つタブレットには来店顧客分析が表示され、売上予測・分析により、商品の品切れ予測も行う。ファミチキ12ピースの調理を始めてくださいと表示する。会計でバーコードは使わず、画像認識を用いて1発で合計額を出す。支払い方法にはLINE Payが選択できるようだ。

このムービーはあくまでコンセプトであり、どこまで実現できるかわからない。しかし、ムービーはファミリーマートが主導となり、そこにLINEの技術を組み合わせて制作したという。

●日本版Amazon Goは誕生するか
○Amazon Goとの共通点と違い

ムービーからわかるのは、Amazon Go、次世代型ファミリーマートともに、AIを活用していることだ。両社ともに画像認識を用いて商品を判別し、アプリケーションの活用によりキャッシュレスとするなど、スムーズな購買体験を描いている。

ファミリーマートの場合は、来店客の属性情報も認識し、運営側も需要予測に基づいて店内オペーレーションの円滑化も構想しているところに新しさがある。

ひとつ大きく異なるのは、ファミリーマートの場合は、店舗従業員の姿が多く見られることだ。このムービーがお披露目されたLINE発表会では、ゲストとしてファミリーマートの澤田貴司社長が登壇し、Amazon Goとの違いについて語っている。

「映像には、加盟店のみなさんが働いている姿があった。僕らが一番大事にしているのは、1万8000以上の店舗の20万人の仲間。様々なテクノロジーを活用して次世代店舗に取り組んでいるが、一番大事なのは、あそこに映っていた人たちが、喜んで笑顔で仕事をすること。これがファミリーマートがLINEと一緒になって創る理想のコンビニエンスストア。人が宝だと思っているし、それが地域・社会貢献につながると考えている」(澤田社長)

この発言からわかるとおり、ファミリーマートの次世代型店舗は、人ありきの考え方になっている。Amazon Goにはその姿はない。そもそもコンビニの成り立ち自体が加盟店ありきの上に立っているというビジネス上の違いもあり、当然と言えば当然かもしれない。ネット発祥のアマゾンとは次世代型店舗の描き方は大きく変わってきてしまう。

現段階でファミリーマートはLINEとともにコンセプトを発表したに過ぎないが、アマゾンのような考え方とは大きく違うことが見て取れる。AIの活用という共通項はありつつも、ファミリーマートの次世代店舗はあくまでも、人を補助するものとしかならないだろう。日本版Amazon Goが誕生するか、という問いに対しては、同じような要素ももちつつも、ベースが違い、発展の方向性も異なったものになる、という答えしか出てこない。
(大澤昌弘)

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