縮小するPC市場にファーウェイが乗り込む理由

縮小するPC市場にファーウェイが乗り込む理由

画像提供:マイナビニュース

●後発参入のファーウェイ
日本のスマートフォン市場で年々、シェアを伸ばしているのが中国ファーウェイだ。そのファーウェイがPC市場へと本格的に進出しつつある。5月には発表した新「MateBook」シリーズでは、ノートPCも登場した。なぜファーウェイは縮小を続けるPC市場に乗り込もうとしているのだろうか。

○スマホで培った技術でPCを進化させる

まずはノートPCを発売するまでのファーウェイを駆け足で振り返ってみよう。もともと通信機器メーカーとして携帯の基地局や固定回線のようなインフラに高いシェアを持つファーウェイは、後発ながらデバイス事業にも参入。ここ数年で急激に出荷台数を伸ばしてきた。

その背景には莫大な研究開発への投資がある。金属加工技術やデザイン、ユーザー体験などを急速に向上させてきた。リアのデュアルカメラとインカメラのすべてをライカと共同開発したスマートフォン「HUAWEI P10/P10 Plus」は、6月に日本でも発売したばかりだ。

こうしてファーウェイはスマホ市場で先行する他メーカーを「ごぼう抜き」し、世界で2強を占めるサムスンとアップルに続く3位にまで迫ってきた。ブランド価値も高まっており、米フォーブスが発表したブランドランキングでは世界88位にランクインするなど、快進撃は続いている。

そのファーウェイは2016年2月に、タブレット型2-in-1のWindows PC「MateBook」を発表してPC市場に参入した。発表の場に世界最大のモバイル展示会であるMobile World Congressを選んだことも、大きな注目を浴びた。

そして2017年5月には第2世代モデルを発表。クラムシェル型のモバイルノートPCとしては13インチの「MateBook X」、従来のMateBookの強化版として「MateBook E」、そしてメインストリームの15.6インチ型ノートPCとして「MateBook D」の3機種を披露した。

●ファーウェイの狙い
○ファーウェイの狙いは「スマホとのシームレスな連携」

その一方で、PC市場は縮小を続けている。米ガートナーによれば2016年の世界PC市場は6.2%の縮小になり、5年連続での前年割れとなった。

そのPC市場を支配しているのが中国のレノボ、米国のHPとデルだ。また、日本ではNECレノボ、富士通、東芝といった国産メーカーも根強い人気がある。いかにファーウェイといえども、PC市場の攻略は容易ではなさそうに見える。

だが、これらのPCメーカーはいずれもスマホ市場から撤退したか、出遅れている点で共通している。ここにファーウェイの勝機があるのではないだろうか。発表会でリチャード・ユー氏は、「なぜPC事業なのか、と聞かれる。これが、その答えだ」と語り、スマホ連携機能「MateBook Manager」を紹介した。

この機能を使えば、ひとつの「ファーウェイID」を用いることでスマホ、タブレット、PCをシームレスに連携できるという。具体的にはファイル共有やLTE接続のテザリング機能が実現しそうだ。

こうした連携により、「すべてのスマートデバイスをシームレスにつなげることで、デジタルライフをトータルに提供する」とユー氏は構想を示した。

スマホ市場でのシェアを足がかりに、PC市場においても他メーカーを「ごぼう抜き」にするチャンスをうかがう。これがファーウェイの狙いだろう。
(山口健太)

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