メガネスーパー、"赤字地獄"脱出の本物感

メガネスーパー、"赤字地獄"脱出の本物感

画像提供:マイナビニュース

●アイケアとは何か
メガネスーパーが好調だ。長期の業績低迷から脱し、2017年4月期は2期連続の黒字を確保、2021年までの中期目標も右肩上がりを続けると見通す。業績回復の起点となった「アイケア」重視の戦略が効果を発揮し続けている。

○決算は良好

メガネスーパーの2017年4月期の連結決算は、売上が178億9,200万円、営業利益は4億2,200万円、最終利益は1億1,000万円だった。業績回復に伴う"8期ぶりの従業員への賞与支給"、メガネハウス買収に要した費用などが嵩み、前期の実績こそ下回ったものの、これで2期連続の黒字となった。利益の額そのものは小さいが、3期前と現状は大きく異なる。

8期ぶりのボーナス支給には驚きだが、それもこれも、かつて同社は9期連続赤字を続けていたからに過ぎない。メガネの安売り競争に巻き込まれ、出口の見えない戦いを続けていた。そこから脱すことができたのは、安売りをやめ「アイケア」重視の戦略に転換してからだ。

○アイケアとは?

アイケアは、眼の健康寿命を延ばすために必要なあらゆる解決策を提示していこうという取り組み。商品となるメガネ、レンズほか、眼の検査、フィッティング、さらには出張訪問サービスなどを含めたサービスを指す。

これらのサービスを提供するには、眼に関する知識やノウハウが必要だ。幸いメガネスーパーには、熟練した社員が大勢いた。人材を活かしながら、お客一人ひとりに合うメガネ作りを目指していった。メガネは視力を補うだけのものではない。人によって異なる視覚機能を最大限に「引き出す」「生かす」を重視すべきであり、そのために個々人に最適なプレミアムレンズ(高付加価値)をオススメする、そうした戦略に切り替えたのだ。

この戦略は決算が示すとおり成功したようだ。それ以外にも、うまくいっていることを示す別の指標を同社は提示する。それはレンズ販売量に占めるプレミアムレンズの比率だ。2017年4月期は前期比15.7ポイントアップの55.4%。実に2人に1人は値段は高くとも、自分にあったものがいいということを選択していることになる。

他社で購入したメガネを持ち込み、メガネスーパーで調整を行った顧客のうち、会員登録した割合は9割に到達。会員は、より深いアイケア重視の提案が行えることになり、将来に渡って収益化のチャンスが巡ってきやすくなる。

●アイケアがビジネスの原動力に
○アイケアで広がるビジネス

アイケア重視の戦略は、メガネスーパー店舗だけで実施するのではない。アイケアのノウハウを資本・業務提携、事業承継・譲受などでも活用しているからだ。こうした事業拡大戦略を「目の健康プラットフォーム」と称し、すでに着手している。

その具体例として、同社は富山県内に22店舗を有するメガネハウスを買収し、傘下にしたことが挙げられる。共同購買、物流ほか、メガネスーパー流のノウハウ(アイケア重視)をもとに顧客と接していくようだ。

メガネハウスは利益面で今後貢献する存在だ。メガネスーパー傘下に入り、そのノウハウをもとにコンタクトレンズの取扱いを開始。今後も成長の余地があるとしている。

もうひとつ加えたいのは、「目の健康プラットフォーム」は何もメガネ屋の買収を進めるための考え方ではないということ。業種・業界が違えども、アイケアにつながれば新たな商品・サービスが生み出せる。そうした考え方も含んでプラットフォームと称している。異業種との広がりを具現化したものとして、サプリメント「アイラックW」が販売されている。

○赤字地獄脱出へ

メガネスーパーのビジネスの広がり、商品・サービスの高付加価値化。それらを貫くのは、"アイケア"という考え方だ。これが効果を発揮し続ける限り、他社との十分な差別化となり、業績拡大へとつながるのだろう。

今後の業績予想はかつてでは考えられなかったような数値となる。その予想数値は事業環境、経営環境等を考慮したうえでの数値であり、毎期見直しを行うローリング方式となるが「決して難しい数値ではない」(星崎尚彦社長)としている。先々は不透明な部分もあるが、ある意味、この数値目標がメガネスーパーの自信の大きさともいえる。かつて9期連続の赤字を味わったメガネスーパー。2期連続黒字、先々の目標値を見る限り、赤字地獄から脱出できたといえるのではないだろうか。
(大澤昌弘)