楽天がバルセロナとスポンサー契約--三木谷氏「楽天ブランドの意味変わる」

楽天がFCバルセロナとスポンサー契約 三木谷氏「楽天ブランドの意味変わる」

記事まとめ

  • 楽天は、「FCバルセロナ」とのパートナー契約を7月1日よりスタートしたと発表した
  • 記者説明会には、三木谷浩史氏とFCバルセロナのリオネル・メッシ、ネイマールらが登壇
  • ジェラルド・ピケは、三木谷氏と親交があり、契約締結に大きく寄与したと言われている

楽天がバルセロナとスポンサー契約--三木谷氏「楽天ブランドの意味変わる」

楽天がバルセロナとスポンサー契約--三木谷氏「楽天ブランドの意味変わる」

画像提供:マイナビニュース

●バルセロナ「楽天とは共通の価値観」
楽天は7月13日、スペインの名門サッカークラブ「FCバルセロナ」とのパートナー契約を7月1日よりスタートしたと発表した。「メイン グローバルパートナー」と「オフィシャル イノベーション&エンターテインメント パートナー」として、グローバルにおける楽天ブランドの認知向上とエコシステムの拡大を目指すという。

記者説明会には、楽天の代表取締役会長 兼 社長の三木谷 浩史氏とFCバルセロナのリオネル・メッシ選手、ネイマール選手、ジェラルド・ピケ選手、アルダ・トゥラン選手が登壇。また、クラブのマーケティング&コミュニケーションを担当するマネル・アローヨ氏も参加した。

記者会見で三木谷氏は「(楽天が)20周年という素晴らしいタイミングでパートナーシップを発表できて嬉しい」と語り、かねてよりサッカーへの愛情を口にしていた三木谷氏にとって、特別なパートナーシップであることを強調した。

一方でマーケティング担当のマネル・アローヨ氏も、楽天について「(バルセロナと)共通した価値観を持っている。フットボールの未来を信じており、何よりフットボールを愛している」と語り、グローバルにおいてイノベーションを追求する楽天と共に「大きな道を切り開いていきたい」(アローヨ氏)とした。

○ピケ選手「楽天はバルサファミリーの一員」

説明会に登壇したメッシとネイマール、ピケ、トゥランの4選手は、それぞれが楽天への感謝を述べるとともに、新シーズンなどへの思いを語った。特に、ジェラルド・ピケ選手は、かねてより三木谷氏と親交があり、今回のパートナーシップ締結に大きく寄与したと言われている。

「今回の発表は、単なるパートナーシップ以上のものであり、楽天は(バルセロナ)ファミリーの一員だと考えている。ミキタニサンは大変良くしてくださり、東京に、楽天に暖かく迎え入れてくれた。バルセロナと楽天に共通するのは、ただ仕事をするだけでなく『楽しむこと』も大切にしていることだ」(ピケ選手)

ネイマール選手は、日本にたびたび来日しており「いつも日本を楽しんでいる」と話したほか、トゥラン選手は「楽天とともにすべてのタイトルを取るつもりだ」と語った。またメッシ選手は、新たな監督を迎え入れたチームで今シーズンをどう戦うのか問われ「どういうチームになるのかまだわからないが、バレンシアやアスレティック・ビルバオで素晴らしい仕事をしていた。新シーズンのスタートが楽しみだし、今まで同様にマックスの状態でプレーに望みたい」と語っていた。

●5年数百億円の契約の中身
質疑応答で三木谷氏は、一部報道の「5年総額320億円」というスポンサーの巨額契約が、スポーツ界において「グローバルで見ても、異例の金額では?」という質問を受けた。

これに対して三木谷氏は、「バルセロナとのパートナーシップは、(楽天という)ブランドの意味が変わるということ。さまざまな形で人に使われるサービスを開発し、利用していただくことで投資した分は回収できると思う」と回答した。

一般的にこうしたスポンサー契約の契約金は公表されないが、この質問に対して三木谷氏は肯定も否定もせず。契約では、2017-2018年シーズンから4年間、2021-2022年シーズンまで「Rakuten」ロゴがユニフォームの胸に掲載される上、さらに1年のオプション選択も用意されている。

また同社グループのメッセージングサービス「Viber」で選手やクラブが公開トーク機能を利用して情報発信を行うほか、プレイヤーを模したステッカー(LINEにおけるスタンプ)も配布する予定だ。さらに日本では、「FCバルセロナ公式クレジットカード」として、ロゴや主力プレイヤーがデザインされた楽天カードを発行し、バルセロナファンの取り込みを狙う。

○欧州事業を再編した楽天、反転攻勢なるか

5年320億円というコストだが、1年あたり60億円強の広告宣伝費と捉えれば、むしろ常識的な金額にも思える。例えば日経広告研究所が調査している有力企業の広告宣伝費では、トヨタ自動車が4890億円、ソニーが2913億円(共に2015年度)という巨額を1年間に費やしている。もちろん、その巨額の内訳として見た場合に「トップスポーツクラブの胸スポンサー」に60億円を費やすかどうかと問われると難しいが、これは三木谷氏が築き上げてきた楽天だからこそ、決断できた事案といえるだろう。

楽天は、プロ野球において東北楽天ゴールデンイーグルスを、Jリーグではヴィッセル神戸の実質的なオーナー企業となっている。スポーツへの協賛、関与は一種のCSR活動としても認知されており、社会貢献的な側面を持ちつつ、楽天ブランドの裾野を広げる狙いが見て取れる。

ただしバルセロナのお膝元である欧州では、2016年に事業再編を行っており、バルセロナブランドを通してグローバルに「楽天ブランド」を植え付けようにも、サービスがない国が多い(バルセロナのスペインでもサイトや拠点を閉鎖)。またグローバルでLINEなどとしのぎを削る、前述のメッセージングサービス「Viber」も、LINE以上のユーザーボリュームこそ確保しているが、WhatsAppやFacebook MessengerといったFacebook陣営と比較すれば、あまり目覚ましい事業の伸長は見られない。

グローバルにブランド認知を広げるための素材があまりない状況だが、楽天も手をこまねくだけでなく、今年1月には商業銀行をルクセンブルグで展開すると発表し、再び欧州市場への足がかりを作った。バルセロナとのパートナーシップをテコに、反転攻勢の糸口を見つけられるか、三木谷氏の手腕が問われる。
(徳原大)

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