LGの斬新家電を蔦屋家電がマンションに売ったワケ

LGの斬新家電を蔦屋家電がマンションに売ったワケ

画像提供:マイナビニュース

プロパティエージェントは8月9日、ホームクリーニング機「LG styler(スタイラー)」の蔦屋家電限定モデルを集合住宅の標準装備機器として設置すると発表した。

LGが開発したスタイラーは、スーツなどを掛けておくだけで、シワや臭い、汚れを取り除く「世界初のライフスタイルクローゼット」(LG調べ)を謳う製品だ。2011年より米国やLGのお膝元の韓国で発売されており、今年から日本国内でも販売を開始した。

日本での販売のきっかけは蔦屋家電が海外の家電見本市でLG側に働きかけたこと。1月に東京・二子玉川にある蔦屋家電で取り扱いを開始し、「これまでに3桁に乗る、想定を超える販売数を記録している」(カルチュア・コンビニエンス・クラブ CCCデザインカンパニー 家電企画事業部 部長 武井 総司氏)という状況。こうした人気も後押しする形で、5月より他の家電量販店などでも取り扱いがスタートした。

蔦屋家電は、単なる家電製品を取り扱う量販店ではなく、スタイラーのような特徴ある製品を見出してラインナップすることで、他の家電量販店と一線を画す。そして、B2Bの商材としてもうまく機能したのがスタイラーだ。

○ターゲット層の絞り込みがスタイラー導入のきっかけに

プロパティエージェントはマンションデベロッパーだが、代表取締役社長を務める中西 聖氏によると「マンションは立地や広さなど、ある程度横並びで考えられる」環境にあるという。

今回、スタイラーを標準装備する集合住宅は銀座の東、新富町にあり、「単身者女性といった層をターゲットに据えている。一般的に、そうしたターゲットを絞ると、それにあった付加価値を提供する必要がある」と、今回のスタイラー設置に至った理由を話す。

同社の見立てはこうだ。都心近郊、いわゆる「住職近接」の環境を求める女性は、比較的新しい物を好むアッパー層であり、スタイラーのような機器に関心がある。また、そうした層はビジネスウーマンとして可処分時間を増やすために、手間暇をできるだけ無くす傾向がある。

つまり、自身の手でクリーニングすることなく、クリーニング屋へ行かずともある程度簡単に身だしなみを整えたいビジネスウーマンに対し、追加コスト要らずの最新機器を設置することで関心を引く。それが、導入の狙いだと中西氏は話す。

一方で、蔦屋家電は「蔦屋家電限定モデル」を、当初からB2B商材として検討していた。例えば、スタイラーのデザインをマンションのインテリアに馴染むようにフラットなものと要望しており、そのデザイン性はホテルや美容室といった幅広い業種にアプローチできる可能性がある。B2Bでロットを稼ぐことができれば、単価20万円台という少々お高い家電であっても無駄な在庫を抱える必要はなくなり、いわゆるハイグレード層へのアプローチも容易になる。

プロパティエージェントによれば単身世帯、二人世帯の数は、東京で今後10年、23万世帯も増加する見込みだという。"お一人様"が数年前に流行したが、このようなちょっとしたハイグレードを求める単身世帯に向けた商材が求められる時代になるかもしれない。
(徳原大)

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