フレッシュネスの隠れた実力派「スパムバーガー」は生き残れるか

フレッシュネスの隠れた実力派「スパムバーガー」は生き残れるか

画像提供:マイナビニュース

●売上7倍を狙う野心的なキャンペーンを展開
フレッシュネスバーガーの隠れた実力派メニュー「スパムバーガー」が危急存亡の秋を迎えている。社内人気は1位で売上高は全メニュー最下位という変わり種だが、あえて同商品にスポットを当てたキャンペーンを展開するフレッシュネスは、売上が伸びなければ廃止という背水の陣でスパムバーガーの販売促進を図る。

○コロワイド傘下で事業拡大を図るフレッシュネス

2016年12月にコロワイドグループ入りし、2017年7月末時点で163店の店舗数を2020年度には400店舗へと増やす野心的な目標を掲げるフレッシュネス。売上拡大に向けては、「フレッシュネス+ベーカリー」やアルコールを提供する「フレバル(FRESHNESS BAR)」などの新業態に注力するが、同社の「一丁目一番地」(フレッシュネス社長の船曵睦雄氏)であるハンバーガーメニューの底上げにも余念がない。今回のキャンペーンは、社内人気と実際の売上高に乖離のあるスパムバーガーに焦点を当て、同商品の魅力を改めて訴求してハンバーガー販売のボトムアップを図ろうという取り組みだ。

社内アンケートでは社員・アルバイトの中で最も人気のある商品であるにもかかわらず、売上高はフレッシュネスバーガーのバーガーメニュー16商品中で最下位というスパムバーガー。「営業的にはなくさなければいけない」と船曵社長も認める商品だが、廃止の議論が浮上するたび、フランチャイズ店を含む社内からスパムバーガー存続を望む声が沸きあがる独特な存在なのだという。

○来店者の1%しか頼まない商品をフィーチャー

フレッシュネスが展開する「スパムバーガー生き残りキャンペーン」の期間は8月23日から10月3日まで。期間中、スパムバーガーが売上ランキングの8位以内に入らなければ、同商品は廃止となる。店舗ではランキングの途中経過を掲示して販売を促進するほか、商品購入で参加できる懸賞企画も実施。スパムバーガーを買って応募すると、フレッシュネスバーガーで使える「FBカード」(5000円チャージ済み)か「スパミー君人形」が抽選でもらえる。

フレッシュネスバーガーには月間100万人が来店する。スパムバーガーは月間1万個の販売個数だというから、来店者の1%しか注文していないという計算になる。ちなみに、売上ランキング1位の看板商品「フレッシュネスバーガー」の販売個数は月間10万個。スパムバーガー存続の当落ラインである売上ランキング8位あたりの商品でも月間5〜6万個は売れているというから、キャンペーンの目標設定は厳しいものに思える。フレッシュネスは意外に強気で、キャンペーン期間中にスパムバーガー7万食を売る考えらしい。

●販促活動が活発化するバーガー業界
○フレッシュネスが奇抜な手法を採用する理由

ハンバーガーチェーンのキャンペーンといえば、期間限定メニューを季節に合わせて用意するのが常套手段だが、フレッシュネスはレギュラーメニューをフィーチャーし、さらには売れていないという内部事情も公言するという珍しい手法で対抗する。

船曵社長はハンバーガー業界でキャンペーンの頻度が上がっており、CMを含めたメディア露出も多くなっていて、販促活動が活発化していると分析する。フレッシュネスでは、この流れに「ある程度は追随しつつ」も、「例えばおもちゃなどで」子連れ客の来店を促すのではなく、商品中心の訴求を図りたいという。

「おいしさ」だけでなく、商品の「奇抜さ、面白さ」も訴求していきたいというのがフレッシュネスの考え方。例えば現在、5年ぶりの復刻として展開中の「マンゴーバーガー」なども同社の姿勢が現れた商品なのだという。

業界では日本マクドナルドが「マック・マクド論争」を大々的にフィーチャーしたキャンペーンを展開するなど、販促活動のアイデア競争も熾烈な様子。あえて売れない商品にフォーカスしていて、“判官びいき”の心情にも少し訴えかけてくるような「スパムバーガー生き残りキャンペーン」だが、はたしてフレッシュネスの狙い通りの結果に終わるのだろうか。10月の結果発表に注目したい。
(藤田真吾)

関連記事(外部サイト)