経産省が公開、1分46秒でFinTechがわかる動画が面白い

経産省が公開、1分46秒でFinTechがわかる動画が面白い

画像提供:マイナビニュース

●さまざまなサービスがあるフィンテック
「FinTech(フィンテック)」という言葉がさまざまな場面で聞かれる一方で、その実態を知らない人が多いのが実情だろう。富士通総研がWebサイトで公開している言葉をそのまま引用すれば、「ICTを駆使した革新的、あるいは破壊的な金融商品・サービスの潮流」のことを指す。

FinTechの「Finance」は金融を表す言葉だが、監督官庁も当然金融庁。同庁が先陣を切ってベンチャーなどのフィンテックに関する動きを支援するFinTechサポートデスクの設置や、諸外国の動き、フィンテックの現状把握などを行っている(同庁のレポートはこちら※PDF)。

一方で、経済活動の発展・支援を行う経済産業省も、5月に「FinTechビジョン」を取りまとめるなど、国を挙げて金融インフラの刷新、先進的なサービスの立脚を目指す様子が伺える。ただ、一般消費者からすれば、フィンテックと言われても、最終的にその具体的な利用イメージが湧かないのも実情だろう。

○経産省がYouTubeで公開した「フィンテック入門」

そんな「わかりにくいフィンテック」をわかってもらうために、経済産業省がある動画をYouTubeにアップした。それが、上記のFinTechビジョンのプレスリリースに掲載されている「フィンテックがある1日 〜お金が変わる。社会が変わる〜」だ。ある人物の1日の生活をベースに、今は不便と感じていることが、さまざまなフィンテックサービスによって便利になると解説している。

テレマティクス保険

事例の一つ目は、朝、通勤で車を利用している男性。男性は、安全運転しているにもかかわらず、自動車保険料が高止まりのまま。しかし、スマホと連動するOBD2機器などが車の走行データを収集することで、運転者が安全運転しているか判断でき、保険料が下がる。

このフィンテックは、テレマティクス保険などとも呼ばれ、ソニー損保の「やさしい運転 キャッシュバック型」や、あいおいニッセイ同和損保の「つながる自動車保険」、損保ジャパン日本興亜の「スマイリングロード」などがある。来たる自動運転時代にはこのフィンテックが無用となる可能性はあるが……。

ロボアドバイザー

二つ目は株式投資のフィンテック。仕事中は株などの投資資産の値動きを確認できず、不安になる男性。そこで、いわゆるロボアドバイザーという人工知能ロボットが、値動きを監視しながら自動取引することで、金融資産の最適なポートフォリオを構築してくれる。

ロボアドバイザーは、主な投資銀行や証券会社などがさまざまなサービスを提供しており、手数料も一般的な投資信託よりも割安と言われている。また、AI分野の知見を持つベンチャー企業も参入しており、ウェルスナビやお金のデザインのTHEOなどが注目を集めている。

●QRコードから家計簿まで、生活に入り込むフィンテック
QRコード決済

三つ目は、ランチタイムの話。クレジットカードやFeliCaを始めとする電子マネー決済を導入する店舗は増加しているが、それはあくまで都市圏の一部で、まだまだ多くの店が現金のみという環境にある。そこで、一層の電子決済を促す方策として期待されているのがQRコード決済だ。

QRコード決済は、中国が先進事例として盛んに報道されており、その急先鋒が「Alipay」だ。中国を始めとする新興国では紙の現金に信用がなく、それが電子マネー普及の後押しになったとも言われているが、企業側の導入コストが紙の印刷のみで済むという手軽さも、QRコード決済のメリットと言えるだろう。国内のプレイヤーでは、LINEのLINE Payや、OrigamiのOrigami Pay、また、NTTドコモもQRコード決済への参入を検討しているとされている。

クラウド会計ソフト

四つ目は、会社の経費精算。領収書の入力作業にかかる手間をクラウド会計ソフトがすべて代行してくれるというメリットの解説だ。このプレイヤーには、従来より会計ソフトを提供している弥生のほか、マネーフォワードのMFクラウド会計、freeeなどがいる。

割り勘アプリ

五つ目は飲み会の割り勘。FeliCaの電子マネーでは、Suicaなどのカードにお金がチャージされるためお金を他人に対して渡すことができず、銀行振込では口座番号のやり取りが面倒だ。そこで最近登場したのが「割り勘アプリ」。厳密な定義で言えば異なるが、個人間で送金できるようにするアプリの登場で、飲み会の場でのお金の徴収が円滑になる。

このプレイヤーでは、前述のLINE Payのほか、わりかんアプリ「paymo」、かんたん送金アプリ「Kyash」、ヤフーの「さっと割り勘 すぐ送金 from Yahoo!ウォレット」などがいる。paymoについては前述のQRコード決済にも対応しており、神奈川県逗子市 逗子海岸の海の家全店で試験導入といった取り組みも行っている。

家計簿アプリ

動画の最後は、それらの決済履歴をまとめる家計簿アプリ。すべての決済を可視化することで、ユーザー自身がお金の流れを再認識し、日々の資産管理に役立てるメリットがある。このプレイヤーでは、前述のマネーフォワードのほか、Zaimや、Dr.Wallet、Moneytreeなどがいる。

○フィンテックとは何かを改めて知るきっかけに

といった形で、現在のフィンテックの概況を知ることが出来る動画に仕上がっているのだが、6月13日の動画公開から執筆時点(8月21日18時)で6130再生とあまり認知が広がっていないようだ。

ただ、これまで紹介してきた会社を含め、メガバンクや地銀、証券会社、保険など、さまざまなプレイヤーが金融のITサービス化を進めている。主にベンチャー企業のサービスを記事では紹介したが、これらが絶対的に優れているわけではなく、従来のプレイヤーが高いレベルのサービスを提供してきたからこそ、それを享受するユーザーが変化を望まなかったという指摘も一部である。

動画で解説している改善は、それぞれがわずかな手間を省くだけのことのように見える。しかし、QRコードや電子マネーの決済データを自動的に家計簿アプリに取り込んで科目付けを省き、そのデータで改善した家計収支を元手にロボアドバイザーによる投資にあてるといったシナリオが「フィンテック」で完結するわけだ。そうした裏のストーリーまで想像する意味でも、この動画はぜひご覧いただきたい仕上がりになっている。
(徳原大)

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