定着しないプレミアムフライデーが開始から1年経過

定着しないプレミアムフライデーが開始から1年経過

画像提供:マイナビニュース

●働き方改革推進に一定の効果
2017年2月24日、鳴り物入りで開始されたプレミアムフライデー。これは毎月最終金曜日に15時に業務を切り上げ、プレミアムな週末を過ごそうという試み。2018年2月23日の金曜日に1年を迎えた格好だ。

ただ、広く定着したかというと、まだまだといわざるをえない。プレミアムフライデー推進協議会によると、今年2月16日時点で、プレミアムフライデーの認知度は約9割、施策の理解度は約7割に達したとしている。つまり、認知度や理解度は広く浸透したということになる。
○プレ金活用企業はまだまだ少ない

ただ、問題は広く実施されるかどうかだ。推進協議会によると2月16日時点でプレミアムフライデーのロゴマークの申請件数は8,182件、早期退社等に取り組む企業は800社にのぼるという。昨年2月のスタート時にはロゴ申請件数4,261件、早期退社等に取り組む企業が130社だったことを考えると一定の成果はあった。ただ、これまで12回実施されたプレミアムフライデーによる平均早期退社率は11.2%とまだまだ低い。

そもそもプレミアムフライデー開始時から懐疑的な見方が多かった。まず「月末の忙しい時期に早期退社できない」というもの。なかには「プレミアムマンデーに変更して午前はゆっくり休みたい」という意見も聞かれた。ただ政府や経団連がプレミアムフライデーを推奨する大きな理由は消費拡大にある。月曜午前中休みでは寝てしまい、消費行動にはつながりにくい。

この消費拡大という政府や経団連の思惑にも否定的な意見が聞かれた。それは「せっかく早く退社しても使えるお金がない」というものだ。さらに飲食店や小売店では、プレミアムフライデーはほぼ実施不可能という指摘もあった。

とはいえ、働き方改革を進めたいと考えている企業は増えており、プレミアムフライデーを含め、定時退社や有給休暇の取得を推進している。推進協議会では730社にアンケートを行ったが、351社が何かしらの取り組みを実施。サンプル数は少ないが、半分以上の企業が取り組んでいる。

●1周年を記念したイベントが多く開催
こうした背景やプレミアムフライデー開始から1年という節目もあって、2月23日に多くの企業でイベントが行われた。そのうちのひとつがサントリービール。同社はTSUTAYAを運営するCCCとタイアップし、2月23日からある施策を開始した。それは毎週金曜日にTSUTAYAの店頭で「ザ・プレミアムモルツ」(以下、プレモル)を掲示すると、旧作DVDが無料になるというもの(上限200円)。

これにはサントリービールとCCCそれぞれにメリットがある。サントリービール プレミアム戦略部 豊島孝郎氏によると、金曜日はビールの売り上げが伸びるそうだ。明確な統計はないが、月曜日〜木曜日までは“第3のビール”で晩酌を経済的に済ませ、金曜日には少し贅沢なビールを手に取るというストーリーが考えられる。豊島氏は「金曜日にCMを多く打つ戦略を採っています」と話す。また、「プレミアムフライデーの日にどこかでポスターなどをみて、同じ“プレミアム”という文字を含んだプレモルを手にとってもらいやすくなるかもしれません」(豊島氏)と笑みをこぼす。
○プレ金を利用したライフスタイルの提案

一方、CCCはホームエンターテインメントの加速が期待できる。ずいぶんと前に「カウチポテト」という言葉が聞かれたが、これは長イスなどでくつろぎながらポテトを食べビデオやテレビを楽しむライフスタイル。このカウチポテトという言葉は死語となってしまったが、こうした習慣を根付かせるのにレンタルDVD・BDとポテト、そしてビールという組み合わせを提案できる。

これは私見だが、ワインとチーズ、そしてDVD・BDという取り合わせも悪くないと思った。映画は約2時間だ。お酒に強い人なら、そのくらいの時間でワインボトルを飲みきってしまう。

●百貨店のプレ金イベント
話は少しそれたが、企業のプレミアムフライデーの取り組みに話を戻そう。東京駅至近にある百貨店、大丸でもイベントが行われた。こちらはゴルフウェア新作のファッションショーという内容だ。「オヤジを磨く金曜日」というキャッチが銘打たれ、ファッションショー以外にもワンポイントアドバイス&パターゲーム、てもみんプレミアムコース、プレミアムゴルファーコースメニューといった施策が行われた。

“オヤジ”に訴求しやすいゴルフ中心の内容だが、アウトドアスポーツの人気が高まっていることもあり、このテーマになったのだろう。プレミアムフライデーとなれば、早く帰宅して翌日のゴルフの準備に充てられるというメリットもある。

ただ、大丸の広報担当によると、基本的に金曜日の夕方以降は売り上げがもっとも高いらしい。特にプレミアムフライデーだからといった効果ではないようだ。東京駅付近というビジネスパーソンが多い地区のため、仕事帰りの買い物客が多くなると考えられる。一方で、休日はそうした需要は見込みにくい。

サントリービールもそうだが、基本的に毎週金曜日には需要が高まる。特にプレミアムフライデーという制度が消費を促進するとはいえなさそうだ。

そのほか、パーソルホールディングス、ソフトバンク、リンクバル、オークウッドプレミア東京、串カツ田中、静岡市といった企業や自治体がイベントを行った。

いずれにせよ、プレミアムフライデーの定着はまだまだだ。しかし、土曜日休日の定着には長い年月がかかっている。それを考えると、継続的にプレミアムフライデーの施策を実施するのが大切だ。
(並木秀一)

関連記事(外部サイト)