プログラミング教育の切り札は「ディズニー」

プログラミング教育の切り札は「ディズニー」

画像提供:マイナビニュース

岡田結実さん

「一石二鳥が三鳥、何鳥にもなる。皆さんも是非、体験してほしい」――。これは、女子高生タレントとして有名な岡田結実さんが語った言葉だ。岡田さんが興奮気味に語った"体験談"とは、ディズニーコンテンツを用いたプログラミング教材「テクノロジア魔法学校」だ。

ゲーム体験を通して学習理解度を深めるといった「ゲーミフィケーション」という言葉が広まって久しいが、この教材はまさに「コンテンツを楽しみながら、プログラミングを理解・習得する」ことを目指している。2020年からプログラミング教育が必修化されるなかで、どうこの"学び"と向き合えば良いのだろうか?
○「アナ雪」とお勉強

テクノロジア魔法学校を提供するライフイズテック(Life is Tech)は、2011年から述べ2万7000人以上の中高生のプログラミング教育を支援してきたベンチャー企業。主に対面でのプログラミングキャンプやスクールを手がけてきた一方で、オンラインプログラミング学習サービス「MOZER」も体験版として提供してきた。

今回のテクノロジア魔法学校は、MOZERの知見を活かし、ウォルト・ディズニー・ジャパンとのライセンス契約のもと、さまざまなディズニー作品を教材としてプログラミングを学ぶことができる。「ふしぎの国のアリス」や「美女と野獣」といった不朽の名作から、「ベイマックス」や「アナと雪の女王」といった最新作まで、13作品を通して、プログラミングを習得する。

一般的に「プログラミング」と言われても、どういった内容を学ぶのかわかりにくい。ライフイズテックは、大きく「メディアアート」と「ゲーム制作」「Webデザイン」の3つにプログラミングを大別し、JavaScriptやHTML/CSS、Processing、Shaderを学ぶ。例えば、冒頭の岡田さんが現場でデモした内容は「塔の上のラプンツェル」における"ランタン"の打ち上げをプログラミングしようというもので、実際に岡田さんがランタンのイメージ画を当てはめるメディアアートの作業を行った。

コンテンツ量は、基礎編40時間、応用編60時間の合計100時間分が用意されており、週1回2時間の学習でおよそ1年間、毎日ブラウザを通して学ぶと、最短2カ月でプログラミングのベースを習得できる。対象年齢は12歳以上となっており、「子供から大人まで、すべての人に送るディズニープログラミング学習教材だ」とライフイズテック 取締役副社長COOの小森 勇太氏は語る。

利用料金は12万8000円(税別)と高額だが、ディズニーを通してスキルが身につくと考えれば、むしろ安いと感じる人も少なくないかもしれない。

○オンライン学習の課題を乗り越えるためのディズニー

ライフイズテック 代表取締役CEOの水野 雄介氏は、オンライン教育の課題を「継続率」と話す。例えば、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学が提供するオンライン講義「MOOCs」の修了率(すべての講義を履行した割合)は5.5%にとどまる。世界最高学府と言っても過言ではない2校が無償で提供する講義でさえこれだ。

もちろん、お金を支払う有償サービスの方が身が入るといった側面もあるだろうが、やはり「足を運ぶ」「顔を合わせる」といった行動を伴うものに比べ、取り組みを継続することは難しいだろう。ライフイズテックは、MOZERの体験版を提供した際、進撃の巨人ともコラボレーションしていた。そうした知見が今回のディズニーとの協業にも生かされているのだろう。

小森氏は、継続率の改善を目指す上で、もっとも重要な要素が「学習の動機付け」と話す。ただ目の前に与えられた課題をこなすだけでなく、ディズニーのキャラクターや知っているあの物語を、自分の手で成立させていく。そういったノウハウを、会社設立から7年の中高生へのプログラミング教育を通して溜めてきた。

「ストーリーと学習を行き来することで、学習とエンタメの相乗効果が生まれる。例えば、学ぶための30分の講義は大人でも辛い。極論を言えば、YouTubeの5分動画を見ることだけでも辛い。だから私たちは『3秒ステップ・バイ・ステップ式』で、知らず知らずのうちに膨大な学習ができるようにした。基礎・応用、そして実力試しと、学習意欲を自然な形で引き出したい」(小森氏)

よく勘違いされるが、プログラミング教育の必修化はあくまで既存の科目の中で一部のコマ数を使って学ぶものだ。しかも、ライフイズテックが提供するような実践的なプログラミングではなく、あくまで「プログラミング的思考」を養うためのものとされている。もちろん、先進校などは実践的なプログラミング教育も取り入れるだろうが、「誰もがプログラマーになれる」といったものではない。

誰もが知るディズニーを通して、簡単に、楽しく、未知の領域へと一歩踏み出せる。「20年後に量産されたIT人材が上の世代を駆逐してしまう」と戦々恐々でいるよりも、むしろこのツールで学んで迎え撃つ、くらいの気構えでいることが、自分にとって、そして日本にとっても大きな財産になるのではないだろうか。
(徳原大)

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