「自分らしさ消した“当てに行く”仕事はしない」

「自分らしさ消した“当てに行く”仕事はしない」

箕輪厚介(みのわ・こうすけ) 1985年、東京都生まれ。2010年に双葉社入社。広告営業を手がけながら、2013年に雑誌『ネオヒルズ・ジャパン』を創刊。2014年から編集部に異動。2015年幻冬舎へ。最新担当作は『空気を読んではいけない』(著:青木真也) (撮影=飯本貴子)

前回に引き続き、双葉社時代に与沢 翼『ネオヒルズ・ジャパン』、見城 徹『たった一人の熱狂』、堀江貴文『逆転の仕事論』を手がけ、現在は幻冬舎で働く編集者・箕輪厚介さんに話を聞いた。

●なぜ北野 武の映画は常に期待されるのか?

「“無知な若手”だったからこそ編集経験ゼロで雑誌が創刊でき、編集者になってからもすぐに見城 徹氏や堀江貴文氏の著書を作ることができた」と話す箕輪さん。ただ、無知な若手でいつづけることは難しいという。

「30歳になって、本当に無知なままだったら羨ましいけど、ヤバいですよね。普通に仕事をしていればどうしたって経験を積んでしまうので、無知から来る大胆な発想や行動は生まれづらくなります。でも、無策でやってたんじゃ勝てないし、結果が出ないということにも気付く。ちなみに僕の場合、編集者になりたてのころは『楽勝すぎる。むしろ頭角を現さないほうが難しい』と調子に乗ってましたが、幻冬舎に入ってすぐに自分より優秀な人がゴロゴロいるとわかりました(笑)。無謀でもいられない、かといってベテランでもない、30代ってキツい時期だなと思ってます」

しかし現在(31歳)も、様々な媒体でインタビューを受けラジオで番組を持つなど、業界で注目される存在である箕輪さん。意識しているのは「自分の色を仕事に反映すること」だと話す。

「北野 武監督の映画はいつも楽しみなんですが、それは確実で面白い映画を見たいというよりも、他にはない独特の色を期待してるからだと思うんです。僕も、色や異物感のあるものを作りたいと思ってるので、『当てに行く仕事』はしないようにしてます。それに、当てにいって結果が出なかったら、何を改善すればいいか分からず迷走しちゃうんで、自分の中での狙いは常に持つようにしています」

●「業界が斜陽だから…」なんて言い訳は「別に間違ってない」

では、仕事に自分の色を出すために、具体的にどのようなことをしているのだろう?

「シンプルですが、自分の感覚に従うこと。世間でブームになっているとかではなく、自分が信じた才能の本を出して、『この才能を知ってほしい!』という熱を持ってプロモーションを仕掛けること。最近出したのは格闘家・青木真也選手の本。学生時代から個人的に好きだったというだけで、『時の人』ではないんですが、僕は彼の才能に誰よりも夢中なので、どんな内容の本にして、どんなプロモーションを仕掛ければ多くの人に刺さるかというアイデアは自然と湧き出てくる。青木さんとお茶してるときも、そのやり取りをFacebook動画で流したり、サイン会も裸でやってツイッターで拡散したりしたらやっぱり反響があった。本の内容とプロモーションがセットで『なんか騒がしい』という自分らしい色が出ているのではと思っています」

たとえ周りから煙たがられても自分のやり方を貫くという箕輪さん。最後に「業界の景気が傾いているから…」と言い訳しがちなビジネスマンにメッセージをお願いすると…。

「たとえば、編集者が『出版業界は斜陽だから』って言い訳するのって事実だし、別にいけないことだと思いません。そう言い訳しながら定年までいって『あれ、結局斜陽じゃなかったわ』って言えれば面白いし。ただ、僕自身は、斜陽業界だと嘆く時間があるなら書き手と話してるほうが楽しいし、業界の枠に関係なくプレイヤーとしての能力を上げておこうと考えてます」

(黄 孟志/かくしごと)


※当記事は2016年10月13日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。

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