投資ファンドのトータルリターンは5〜10%を目安に ハイスコアは長期実績を要チェック

投資ファンドのトータルリターンは5〜10%を目安に ハイスコアは長期実績を要チェック

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 コロナ禍によって世界的な先行きの不安が高まる中、国内では若年層まで資産運用に着手する時代である。そんな時流をとらえ、金融機関が独自の投資ファンドを立ち上げ、高利回りを謳い集客に躍起となっている。1年で資金が2倍にもなるといったハイリターン商品を宣伝している現状もある。

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 コロナショックによって2020年3月にマーケットは大暴落を見せたものの、その後は世界的な金融緩和策・経済支援のオンパレードで、マーケットはくしくもコロナショック前の水準をオーバーシュートしている。そんな中、投資ファンドの実績も好調で、かなりハイレベルなリターンが実施されているのは確かだ。

 だがここで、投資を行う側はちょっと冷静になった方が良い。投資ファンドの高利回りの数字に惑わされ、集団投資スキーム系の投資ファンドによる詐欺行為の被害が相次いでいるのだ。警察庁の資料によると、 2019年度の検挙事件数が41件、被害人数が8万4150人で被害総額は1,038億円にもなるとある。2015年以降の統計だが、2015年の93億円の被害額から被害が急拡大していることが分かるだろう。

 そこで利回りの数値については、投資側である個人が事前に理解を得る必要があるだろう。まず投資ファンドには式の運用手段がそれぞれ違うことに注意すべきだ。

 ハイリスク・ハイリターンとされるデリバティブをはじめとした先物取引や、債務不履行・倒産リスクの保険であるクレジット・デフォルト・スワップ商品、値動きの荒い市場で行われる株式トレードなどを中心に運用するファンドは、高い利回りを提示する傾向が強い。

 だがいくら実績の高いプロのファンドマネージャーが運用するとはいっても、投資には運気が大きく影響していて、ある時期はハイスコアな利益率を発揮していたのに、次のターンに入ったとたん負け続けることも珍しくない。つまり利回り実績が乱高下しやすいこと、場合によっては元本割れをする可能性もあることは理解しておくべきだ。

 反対に国債や値動きの少ない金・不動産など、安定性が高い金融商品を中止に取引しているファンドは、利回りが低い。つまりローリスクローリターンの資産運用となる。

 資産運用で元本を着実に増やしたいという人は、5年間のトータルリターンが5〜10%の商品を狙うと安心だろう。このトータルリターンとは、実際にファンドが配給した利益の比率だ。1年間のトータルリターンが10%とあれば、1年間で100万円が110万になって手元に戻ってくることを意味する。

 だが5年間で10%となれば、年間に2%の儲けにしかならないとがっかりする人もいるかもしれない。実際にランキングサイトを確認すれば、1年間のトータルリターンが90%とか100%になっている投資ファンドがいくらでもみつかるからだ。

 1つ実例で検証してみよう。楽天証券が公表している『トータルリターン(2020年7月20日現在)』を見ると、ブラックロック・ゴールド・ファンドが1年間36.31%のトータルリターン率になっている。この程度の率なら中間的だと言えるが、同ファンドの数年間の実績はこうなる。3年間の平均トータルリターン率は12.90%で、5年間では11.34%だ。つまり毎年11.34%の利回りを継続しているということ。100万円の元金ならば、毎年11万3400円の利益にとどまる計算だ。

 参考までに、安心・安全のつみたてNISAの利回り(元本が1年間に生み出す収益の平均値)は、せいぜい年1〜4%というところ。年間11%もの利益を手にできるのであれば、決して文句のない資産運用だと言えよう。

 なお、長期になると率が落ちるということは、瞬間風速が高いファンドでも、その追い風が長く継続しないことを物語っている。投資ファンドにおいては、過去5年間のトータルリターンの実数が12%を超えると好成績だとされることも知っておくべきだろう。

 ということで、投資ファンド初心者であれば、もっと堅実に5年間のトータルリターン率が5%程度の商品に投資するのが安全だと言えよう。

 とくにコロナ下でのマーケットは、とにかく値動きが荒っぽい。そのため実力以上に運気が乗って、ハイスコアをたたき出すファンドも出てこよう。そういった数値に惑わされず、いたずらにハイスコアを宣伝文句にしてルファンドには手を出さず、できれば5年間のトータルリターン率が5〜10%の範囲内にある、安定性が高いファンドにとどめておく方がいいだろう。

(TO)

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