イエレン米財務長官の発言から始まった「一時的な」リスクオフ相場と今後の展開 前編

イエレン米財務長官の発言から始まった「一時的な」リスクオフ相場と今後の展開 前編

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 6月21日の日経平均株価は1,000円近い暴落を演じたが、5月3日に収録されたイエレン米財務長官の「利上げ」発言が「終わりの始まり」であることは、5月20日の記事「バフェット氏に引導? バリュー投資の終焉と緩和バブルの副作用(完)」に記載のとおりである。つまり、金融緩和の終了(テーパリング)予告であった。

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 もちろん、アメリカにおけるFRB(連邦準備理事会)だけではなく、世界各国にある中央銀行は政府と一定の距離を置くべきとされているが、アベノミクス・第一の矢として放たれた日銀の大規模緩和を見れば分かるように、中央銀行は完全に独立性を担保された機関ではない。FRBも日銀も、人事権は政府にあるためだ。

 そもそも、イエレン財務長官は前FRB議長であり、FRBの事情も知り尽くしている立場である。パウエル現FRB議長は、イエレン氏の後任としてFRB議長に指名されたわけだが、イエレン氏と共通の経験や見解をもつ同志であり、そんなパウエルFRB議長の足を掬うような発言をするわけもない。

 また、イエレン財務長官は、リーマンショック後の金融緩和(QE)の出口戦略をバーナンキ元FRB議長から引き継ぎ、超ハト派のスタンスで見事に金融緩和の終了から金融引き締め(利上げ)を成功させた功労者なのである。

 もちろん「バーナンキ・ショック」を目の当たりにした当事者であることからも、金融政策に関する発言にはセンシティブになっていたいに違いない。しかしながら、イエレン財務長官は「利上げ」に言及したのである。

 ともあれば、イエレン財務長官の「利上げ」発言の近い将来において、FRBの会合(FOMC)においても利上げについての見解があることは明確であった。そして、6月のFOMCで将来的な金融引き締めが発表されたのである。

 FRBから金融引き締めに関する言及があれば、株式市場は「一時的に」リスクオフとなって当然ではあるが、「一時的に」というのが重要だ。金融引き締め懸念が、株式市場の暴落を引き起こす可能性については、過去の経験から十分に注意をしているはずである。それでは、リスクオフを持ち直す次の一手は何であろうか。(続く)

(小林弘卓)

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