米FRBが量的緩和の縮小を示唆 ドル高円安の加速に要注目

米FRBが量的緩和の縮小を示唆 ドル高円安の加速に要注目

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 8月19日、米国の中央銀行にあたるFRBは、7月のFOMC(金融政策決定会合)の議事要旨を公表した。ワクチン接種の実施率が向上し、さらなる経済の安定化を予測する米FRBは、これまで行なってきた、米国債や米株式などを大量に買い入れる量的緩和策をいよいよ縮小する準備があると述べた。仮に8月の雇用統計の数値に着実な改善が確認できれば、9月以降に金融緩和の縮小を始める可能性もあるという。

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 ちなみに、7月の米雇用統計の結果は6月に続き好調だ。非農業部門雇用者数が前月比94万3000人増加、サービス業の労働ニーズが力強く回復している。この流れを受け、8月の雇用統計も概ね好調だろうというのが米FRBの判断で、9月の量的緩和縮小は現実のものとなろう。

 さて、これによってドル円をはじめとする為替相場がトレンド転換する可能性が高まった。多くのアナリストがドル高・円安の相場展開を予測している。この読みはほぼ正解といえるだろう。

 今後ドル高・円安のトレンドが強く出る可能性については、リーマンショック後の米FRBの行動をたどると分かりやすい。

・2008年11月: 量的緩和開始(米国で初めての金融緩和策)

・2008年12月: ゼロ金利政策の実施

・2010年11月: 第2回量的緩和開始

・2012年9月: 第3回量的緩和開始

 この3回の量的緩和とゼロ金利政策によって、深刻な事態にあった米経済が何とか持ち直す結果となる。そして経済回復傾向を確認した米FRBは量的緩和の縮小を公表する。

・2013年5月: FRB議長バーナンが量的緩和の縮小を公表(バーナンキショック)

・2014年10月: 量的緩和政策終了

 ここでドル円相場のチャートを確認していただきたい。2012年に入ってから、それまで円高・ドル安一辺倒であった相場が反転する。この原因はマネタリーベース2倍の政策を打ち出したアベノミクスによるが、ドル円の為替価格が1ドル100円を目前に控えたあたりで、13年5月のバーナンキ氏の量的緩和縮小の示唆発言が出た。さらに米長期金利が上昇に転じ、ドル高・円安に拍車がかかる。そして14年に量的緩和政策が終了したことで、ドル円相場は一気に1ドル120円台まで駆け上がった。

 この例にならえば、今回の米FRBの量的緩和縮小はドル高へのトレンドを生む原因となりうる。米経済好調の後押しを受け、少なくともゼロ金利・量的緩和を継続する日本経済によって日本円はその価値を下げていく公算が高い。

 そこで、資産運用のポイントだが、ポートフォリオの一部に米ドル保有を設けるのが良作だろう。ドルの価格上昇にプラスして、当分の間はドル円の金利差によるスワップポイントの追い風も吹き続ける。もちろん、日本の金融政策が大きく転換すれば、このシナリオも崩れる可能性はあるが、現時点ではドル保有のメリットが大きいといえるだろう。

(TO)

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