外食DXの新たな試み:焼鳥IPPONは、成功するか!?

外食DXの新たな試み:焼鳥IPPONは、成功するか!?

スマホでの注文画面イメージ。(画像: DDホールディングスの発表資料より)

 飲食業向けの「予約」「顧客台帳」などを管理するアプリの開発・販売を手掛けるユニコーン候補企業:トレタが、『業界初!ダイヤモンドダイニングとトレタがワンチームでこれまでにない焼鳥業態を開発。外食DXの新たな可能性を拓く「焼鳥IPPON」9月1日オープン』と題するニュースリリースを配信した。

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 両社のメンバーで構成された新規業態開発チームがデジタル技術を前提として、ゼロベースで理想の飲食店を作るべく開発した業態だという。

 確かに飲食業態は、表現が適切かどうかはあろうが「人力」で成り立つ「アナログ」業界。それがIT企業:トレタと共同開発した新飲食業態(焼鳥IPPON)では、どこがどう変わるというのか。リリースをベースに記すと、こんな具合の店になるらしい。

★トレタの「トレタO/X(トレタオーエックス)」を採用。顧客は自身のスマホから食べたいメニュー(焼鳥の部位・味付け・アルコール・最後の麺etc)を注文できる。個人注文、要するに焼鳥IPPONの料理はすべて1人前用になっている。

★完全キャッシュレス。トレタO/Xのオーダー画面からオンライン決済が可能。会計の待ち時間やレジの混雑などのストレスと無縁。「割り勘」の概念を過去のものにする・・・。ただし同行者を指定しその人だけの分を支払う「指名おごり」もできる。利用者だけでなく店側も、煩雑な会計業務から解放される。

★ダイナミックプライシング(DP)。店舗の予約状況・混雑予測などのデータをもとに、時々の最適な価格が自動的にトレタO/Xのメニュー上に表示される。DPの意図するところは「来店需要の平準化」「効率的なスタッフ配置」「無駄のない仕入れ」「フードロス解消」。

 なかなかの仕様といえる。オープン当初(データの蓄積が少ない)はダイヤモンドダイニングの既存店の来店データを基に、曜日・時間帯別に4段階の価格を表示。例えば来店客数が少ない曜日・時間帯では最大20%引きの価格が示される。

 「新たな飲食業態の開発」をトレタの担当者は強調する。だがダイヤモンドダイニングは、飲食業やアミューズメント事業を展開するDDホールディングス(上場)のコアとなる傘下企業。

 DDホールディングスはコロナ禍の影響に晒された。前2月期は「59.1%減収、97億200万円の営業損失」。今期は「41.8%増収(332億9700万円)、3億1800万円の営業利益」で立ち上がったが、第1四半期は「前年同期比8.9%減収、21億5700万円営業損失」。「DDホールディングス救済の狙いも今回の施策にはあるのか」という問い掛けにトレタは、「全く視野にない」とした・・・。

(千葉明)

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