Facebookのメタバース注力は成功するのか!?

●FacebookがMetaに社名変更

 米Facebookが10月28日付で、社名をMeta(メタ)に変更した。

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 従来のSNS事業だけでなく、仮想空間「メタバース」事業に本腰を入れるという決意の表れでもあり、CEOのザッカ―・バーグ氏も「Facebookをメタバースの会社にする」と宣言している。

 メタバースは、仮想空間でアバターを使ってコミュニケーションが取れ、リモート会議などに利用できる。仮想通貨で買い物や、ゲームなどをすることもできる。

 Facebookにまつわるスキャンダルが噴出しており、その悪いイメージを払しょくしたいという狙いもあると見られている。

 Facebookは第3四半期の決算発表で、2020年だけでもメタバースに対して年間100億ドル(1兆1400億円)以上の投資が必要としている。今後10年間は収益が見込めない事業とされており、この賭けは吉と出るのか注目される。

●窮地のFacebook

 Facebookは、2004年にザッカ―・バーグCEOら米ハーバード大学の学生グループが、学生限定のコミュニケーションツールとして開発したのがきっかけだった。

 その後、GAFAの一角を占める巨大企業へと発展し、現在はユーザー30億人以上、時価総額も一時1兆ドル(114兆円)を突破したこともある、世界有数のグローバル企業である。

 2012年には、当時売上高がほぼゼロだったインスタグラムの開発会社を、約810億円で買収。さらに成長を遂げた。

 利用者のデータを利用した広告が収入源だが、その膨大な個人情報が様々な問題となっている。2020年の米大統領選挙での過激な投稿を放置したことが批判され、反トラスト法(独禁法)で提訴。元社員による内部告発など、受難が続いている。

 若者のFacebook離れを指摘する声もあり、売上も頭打ちとなっており、正念場を迎えている。

●反転攻勢となるのか?

 メタバースがすぐに事業の柱になるかと言うと現実は厳しい。

 利用するには専用の4万円近くするVRヘッドセットが必要で、ハードの面でも普及に時間がかかりそうだ。

 コロナ禍でリモートワークが定着したが、完全に正常に戻りつつある米国で、リモートワークがどこまで定着するのかは不透明である。

 ただインスタグラムのように、先を見越した投資が奏功する可能性もある。

 スマートフォンの普及で、SNSの一時代を築いたFacebookがメタバースの中心になるか、数年間の動向に注目したい。

(森泰隆)

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