レオパレス、追加工事費計上せず賃料収入回復に期待 オーナーら見通し「甘い」

レオパレス、追加工事費計上せず賃料収入回復に期待 オーナーら見通し「甘い」

会見に臨むレオパレス21の宮尾文也取締役常務執行役員(左)と深山英世社長=10日午後、東京都中央区(川口良介撮影)

 アパートの施工不良問題で業績や株価が低迷するレオパレス21だが、同社が発表した令和2年3月期の連結最終損益予想は黒字に転換できるというものだった。ただ、この見通しは補修関連の追加費用を計上せず、10月以降に賃料収入が回復することを前提としており、株主や物件オーナーからは「甘すぎる」との声も出そうだ。

 平成31年3月期の最終赤字の主な要因は、547億円を補修関連の損失引当金として計上したことだ。同社は今夏までに全物件の調査を進め、10月までに完了させる予定の補修工事の費用に損失引当金を充て、追加の費用は計上しない。損失引当金の額は、調査が完了した物件のうち不備が見つかった物件の割合(不備率)に基づいて推計している。今後の調査結果次第では、31年3月期に計上した損失引当金では補修工事費用をまかなえない可能性もある。

 さらに、10月にも全棟で入居者募集を再開したい考えだが、入居率は31年3月末時点で前年同月末比9・4ポイント減の84・3%まで下落している。同社の顧客は約6割が法人。取締役に退く深山英世社長は記者会見で、「法人の継続利用や物件のオーナーの信頼回復を担当したい」と意欲を示したが情勢は厳しい。3月に外部調査委員会が公表した中間調査報告書では、施工不良物件で仕様と異なる部材が使われたのは「創業家出身の当時の社長の指示」と指摘。創業家出身の深山氏が経営陣に残ることにオーナーらが反発する可能性もある。

 5月末に外部調査委がまとめる最終報告書の内容次第では、経営陣への責任追及の声がさらに増す恐れもある。社長に就任する宮尾文也取締役常務執行役員は強い逆風の下で業績と信頼の回復を目指すことになる。(大坪玲央)

関連記事(外部サイト)