【中間決算集中】製造業、下方修正相次ぐ 米中対立が翻弄

 製造業に米中貿易摩擦や世界景気の失速が逆風となって吹き付けている。世界的に経済の不透明感が強まる中、自動車各社は相次いで通期業績予想を引き下げ。原油需要の低迷と価格下落は石油元売り各社の見通しも暗くさせている。足下では米中貿易協議の合意への期待から株高が続いているが、今後は消費税増税の影響が顕在化するおそれもあり、決算発表での経営トップの発言には先行き不安がにじむものが目立つ。

 自動車大手はこれまでにホンダやスズキ、三菱自動車など5社が通期業績予想を引き下げた。海外の販売低迷や想定為替レートの見直しが響いた。三菱自動車は最終利益予想を従来の650億円から50億円に引き下げた。加藤隆雄CEO(最高経営責任者)は「人員、組織のスリム化、生産ラインの合理化など、聖域なくコスト構造改革を進める」と気を引き締める。

 自動車の販売低迷は鉄鋼業界にも波及。日本製鉄は本業のもうけを示す事業利益の予想を従来の1500億円から1千億円に下方修正した。輸出用の国内向けの鋼板販売が不調だった。宮本勝弘副社長は「昨年までは作れば売れたが、海外中心に相当市況が悪くなっている」と話す。神戸製鋼所の勝川四志彦専務執行役員は「減産せざるを得ない状況だ」と打ち明けた。

 石油元売り各社は原油市況悪化への対応を迫られている。最大手のJXTGホールディングスは8日、原油在庫の評価損の発生を踏まえ、通期の最終利益予想を従来の3200億円から1550億円に引き下げた。杉森務社長は「世界景気の低迷によって、需要が減少して資源価格が下がるという構図だ」と話した。

 非製造業も米中対立に翻弄されている。9月中間期に最終利益が減益となった丸紅は穀物部門が昨年対比で下ぶれしている。矢部延弘専務執行役員は「米中交渉に進展があると、いったんは中国から大豆の買いが入るが、交渉が決裂するとまた止まる」と嘆く。

 内需関連では今後、10月の消費税増税の影響が注目される。帝国データバンクの景気動向調査では、10月の景況感が3カ月ぶりに悪化。小売りの悪化幅は消費税率が8%に引き上げられた平成26年4月と、東日本大震災が発生した23年3月に次ぐ大きさだ。三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦社長は「売り上げでは20%強の駆け込みがあった。想定よりも少し多かった」と述べ、反動減への不安をにじませた。

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