政府、シンガポールと国産豚輸出継続で合意 豚コレラ影響最小限に

政府、シンガポールと国産豚輸出継続で合意 豚コレラ影響最小限に

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 政府が国産豚の輸出継続でシンガポールと合意したことが16日、分かった。家畜伝染病「豚コレラ(CSF)」感染対策としてワクチン接種を始めたことで、日本は国際獣疫事務局が認定する「清浄国」から外れ、シンガポールから輸入を拒否される恐れもあったが、回避した。豚肉を輸出する主要な国・地域のうち、輸出先2位で全体の約2割を占めるシンガポールのみと合意していなかったが、継続が決まったことで影響は最小限に収まる。

 シンガポール食品庁と農林水産省の幹部が、書面で正式合意した。日本は10月下旬に豚コレラ対策としてワクチン接種を始めたが、豚肉と加工品にワクチン接種をしていない秋田県、鹿児島県、北海道の認定施設で処理するなど一定の条件を満たせば輸出を継続できる。ワクチン接種していない豚肉でも、認定施設以外で処理されたものは輸出できない。

 現在、香港、マカオ、ベトナムも同じ条件で輸出を継続しており、シンガポールもこの仕組みを活用する。

 日本の豚肉輸出実績は1〜9月で前年同期比8%増の7億9400万円。このうち、シンガポール向けは香港に次ぐ1億6000万円。農水省担当者によると、「3割以上伸びるなど、シンガポールの伸び率がトップ」という。日本食ブームを追い風に、豚シャブやトンカツなどの需要があるとみられる。香港、マカオ、ベトナム、シンガポールの4つの国・地域で全体の95%を占めるため、今回の合意で、豚コレラの影響で豚肉全体の輸出が減ることはない見通しだ。

 しかし、農産品全体の輸出拡大に向け豚肉輸出を強化したい政府にとって、課題は残る。現在、日本は昨年9月の豚コレラ発生に伴い、清浄国認定が停止した状態にある。ワクチン接種に踏み切ったことで、来年9月にも13年ぶりに「非清浄国」に格下げされるのは確実で、清浄国である欧米を中心とする36カ国の一部の国が、輸入拒否に踏み切る可能性も否定できない。2国間協議などを通じて、日本の豚肉、加工品の安全性をアピールするなどして理解を求めていくとみられるが、先行きは楽観できない。

 農林水産省は、豚コレラを原則として「CSF」と呼ぶことにした。人がかかり、豚コレラとは別の病気のコレラを連想し、豚肉の風評被害につながるのを避けるのが狙いという。CSFは「classical swine fever(古典的な豚の熱病)」の略称で国際的には一般的に使う。アジアで広がっているアフリカ豚コレラは「ASF」と呼ぶことにした。「African swine fever(アフリカの豚の熱病)」の略称。

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