北海道「ニセコペイ」電子地域通貨で実証実験 インバウンドにも利用拡大

北海道「ニセコペイ」電子地域通貨で実証実験 インバウンドにも利用拡大

北海道・ニセコで実証実験中の電子地域通貨「ニセコペイ」。スマートフォンをQRコードにかざして決済する=6日(岡田美月撮影)

 キャッシュレス決済が、観光地でも拡大している。世界的スキーリゾートの北海道・ニセコで利用できる電子地域通貨「NISEKO Pay」(ニセコペイ)は6日、訪日外国人旅行客(インバウンド)まで対象を広げた実証実験を公開した。言葉の壁を乗り越えながら、より多くの外国人客に地域の店舗を利用してもらい、さらなる地域活性化につなげる狙いだ。

 ■外国人客が増加

 北海道倶知安(くっちゃん)町のスキー場の麓にあるカフェ。外国人の男女は席につくと、テーブルの上に置かれたQRコードをスマートフォンの専用アプリで読み込み支払うデモンストレーションを行った。

 ニセコペイを運営する「ニセコひらふエリアマネジメント」は、ニセコ地域の開発事業者や地元議員らで作る団体。エリアマネジメントを担当する大加田正信さんは、「地域の方々を巻き込んで大きい波を作りたい」と強調する。今回の実験は来年4月まで実施する。

 ニセコ地域は、外国のデベロッパーのリゾート開発参入を機に、外国人客が増加した。倶知安町の外国人宿泊客は平成25年の27万人から30年は46万人に増加した。

 外国人客には、リビングやキッチンを備えた長期滞在者向け宿泊施設「コンドミニアム」物件の需要が旺盛で、別荘や投資用不動産としてシンガポールや香港の富裕層などから人気が高い。国土交通省が9月に発表した都道府県地価(基準地価)の中でも、ニセコを擁する倶知安町の調査地点は、商業地、住宅地ともに最も上昇率が大きかった。

 ただ、それに伴いスキーの宿泊客などを受け入れてきたペンションの経営者らは、外国語対応や人材確保などに苦戦し、この地域から撤退した経緯がある。

 また、外国人客はクレジットカードの利用率が高いが、地域には対応していない店舗も多い。

 ■円がなくても買い物

 ニセコペイは、クレジットカードでポイントを入金できるため、外国人客は日本円が手元になくても買い物や飲食ができる。アプリは英語にも対応しているため、日本語で会話せずに決済できる。

 また、店舗ごとに実施するニセコペイの利用者限定の割引を利用したり、アプリを利用したセールスのお知らせを受け取ることができる。

 ニセコペイは昨年11月から数カ月、約50店舗で1回目の実証実験をした。今回は外国人客にも対象を広げ、加盟店も70店舗以上に拡大した。

 紙製と違って発行・換金などに手間がかからないため、地域通貨は近年、全国各地で電子化が進められている。大加田さんは、「外国人客は長期滞在者が多い。アプリのダウンロードにもなれている」と、期待を膨らませている。(岡田美月)

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