この資格でナンボ稼げる?(50)「美術検定」で感性を磨いて一流ビジネスマンに

美術検定

 美しく独創的な絵画を観た時、人は何とも言えない幸福感に包まれるものです。

 かくいう私も浮世絵が好きで、特に歌川広重の画集「名所江戸百景」や「東海道五拾三次」が大のお気に入り。中でも、名所江戸百景の「四ッ谷内藤新宿」には衝撃を受けました。画面左に奥行きのある町並みが広がり、画面右の大半を馬の臀部が占めているという構成。大胆に遠近法を取り入れた構図には感服せずにはいられません。

 前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するのは「美術検定」。国内外の絵画や彫刻、写真などの美術作品を理解する力、あるいはそのすばらしさを周りに広める力が身につく検定です。

 それでは例題を見てみましょう。

〈問1〉2018年に、スペインの「洞窟壁画」を世界最古の壁画とする研究結果が発表されましたが、描かれたとされる時期はおよそ@5000年前、A1万年前、B3万年前、C6万5000年前のうちどれ?

〈問2〉フィンセント・ファン・ゴッホは死後に評価された画家として知られていますが、生前に唯一売れたと言われる作品は@ローヌ川の星月夜、A夜のカフェテラス、B赤い葡萄畑、Cひまわりのうちどれ?

 実際の問題は、マークシート式や記述式で出題されます。例題の答えは〈問1〉がC、〈問2〉については諸説ありますが、Bとなっています。

 試験区分は4級から1級まであり、私は3級と2級に合格しています。

 この検定のおもしろいところは、作品や美術家に詳しくなるだけでなく、そのすばらしさを人に伝えるためのノウハウが身につく点にあります。

 例えば新築祝いなどで絵画をプレゼントするとします。

 もし相手が園芸好きでしたら、私はサンドロ・ボッティチェッリの「プリマヴェーラ(春)」という作品の複製画をチョイスして、こんな言葉を添えます。

「ここには春の野で踊り、歓喜する人々の様子が描かれていますが、実はこの絵は非常に細部にまでこだわっていて、200種類以上もの植物が描かれているんですよ」

 こうした美術に関する知識が「教養」として役立つ機会はたくさんあるはずです。芸術鑑賞を通じて、観察力を身につけ、美意識を高めるとともに、その作品が生まれた国の歴史や文化を学べば、世界がもっと広がるのではないでしょうか。

 アップルの創業者スティーブ・ジョブズも、アートに関心を寄せていたといわれており、その感性があったからこそ、世界で20億台以上も売り上げる「iPhone」を開発することができたのだと思います。

 歴史的な芸術作品は、さまざまな恩恵を与えてくれることでしょう。

鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は600

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