「ビールサーバーを独占」「サワー50円」コロナ後に注目の「お一人様グルメ」

写真はイメーシ?

 5月26日0時より、残っていた東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、北海道の緊急事態宣言が解除され、第二波、第三波の襲来は不透明ながらも、いわゆる「コロナ後」がやってきた。全体的には節度を要求される日常となりそうだが、この新しい生活様式において追い風が吹きそうなのが「お一人様」向けの外食産業だ。グルメ誌ライターが言う。

「牛丼やラーメンなどコロナ以前から『お一人様』が定着していた業態以外にも、昨年あたりから焼き肉やイタリアンなど高いハードルながらもお一人様訴求を標榜する店がオープンし始めていました。そこに今回のコロナ禍で加わったのが『ソーシャルディスタンス』の意識改革で、これからはどんな業態でも『お一人様』を意識せざるを得なくなるでしょう」

 コロナ禍が思わぬ追い風となった「お一人様外食」。思えば緊急事態宣言中、自粛を要請されていなかった喫茶店でも1席空けての着席を意識して「×印」をつける店舗やそもそも椅子を外している店舗も多かった。コロナ後の食事の席ではシェアは敬遠され、“一人占め”が推奨される。お一人様を楽しみたい注目店をいくつか紹介してもらおう。5月24日に放送された「がっちりマンデー」内で取り上げられ、一足先に緊急事態宣言が解除された大阪で盛況が伝えられたのが「ローマ軒」だ。

「大阪を中心に全国26店舗をFC展開するスパゲティがメインのイタリアンで、スパゲティのボリュームが大人気なのですが『お一人様』に嬉しいのが、半数以上の16店舗で実施されているビールorワインの飲み放題(30分500円〜※両方実施の店舗もあり、価格は店舗によって異なる)ですね。しかもビールの飲み放題は、1人におよそ1つの割合で生ビールサーバーが用意されている店舗もあるとのことで、ビール好きにはたまらないでしょうね」(前出・グルメライター)

 なるほどこれなら注文のたびに店員と“接触”することなく、気兼ねなく何杯でもビールがおかわりできる。サッと酔ってお腹いっぱい食べて、となれば気後れしている暇もないかもしれない。

 続いては焼き肉。ランチなら腹を膨らませるだけと一人でも割り切れるが、夜となると周りは複数客ばかりで業態柄なのか威勢のいい客も多くハードルは高い印象だが…。

「全国で37店舗(6月に2店舗オープン予定あり)を展開する『焼肉ライク』は、カウター席メインで1人に1台のロースターが用意されたお一人様訴求の焼き肉店です。すべてのセットメニューには、ごはん、スープ、キムチが付いて、例えば新橋本店の『匠カルビ&ハラミセット(200g)』なら1,200円とかなりお得です。さらに嬉しいのがハッピーアワーのファーストドリンクで、生ビール180円、ハイボールとレモンサワーは驚きの50円です。一般的な焼き肉店とはまったく趣が違うので一人でも入りやすいですよ」(前出・グルメライター)

 焼き肉は複数で食べるのも醍醐味だが、自分のペースで飲めて、焼けて、食べられる。お一人様ならではの新たな贅沢バリューが味わえるかもしれない。

 ほかにも例えば居酒屋チェーンの「ミライザカ」などは、「おひとり様大歓迎! ちょいのみにはもってこいの居酒屋ミライザカ!」などの謳い文句でお一人様をハッキリと意識し始めているし、大久保の火鍋店「辣辛子」などは「1人様でも入りやすい店内 1人の鍋があります」と謳っている。緊急事態宣言が解除されたコロナ後とはいえ当分ソーシャルディスタンスは付きまとうだけに、今後も「おひとり様歓迎」を謳う飲食店は増えていきそうだ。

「コロナ後でもある程度の自粛の雰囲気は続いていくだろうというのが飲食業界の共通認識です。今後は『お一人様だから享受できるサービス』も次々に登場してくるでしょう」(同グルメライター)

 特効薬なのかワクチンなのか。はたまた季節性のインフルエンザのように毎年なのか。ともかく、コロナの第二波襲来が懸念される新しい生活様式のなかで、「お一人様グルメ」が天下を獲る時代がやってきたのかもしれない。

(鷹太郎)

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