大塚久美子氏が“名経営者”として講演会 ネット上では「ギャグではないか」と話題

大塚久美子氏が“名経営者”として講演会 ネット上では「ギャグではないか」と話題

大塚久美子氏

 経営誌「日経トップリーダー」(日経BP社)が主催するセミナーが「日経トップリーダー大学」だ。《あの名経営者たちを受講者30名で毎回独占!》をうたい文句に、年12回の講座が開催される。現在、10月からスタートする第9期の受講生を募集中だが、講師には、あの大塚久美子氏(53)の名が……。

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 昨年12月1日付で大塚家具の社長を辞任した久美子氏。

 そもそも09年に父である大塚勝久会長の庇護の下、一度は社長に就任したものの業績は上向かず、14年に退任させられた。翌15年に、再び彼女が社長になると、今度は勝久氏の取締役退任人事を発表した。当然、勝久氏は取締役の再任を求めて……ここから日本中が注目する壮大な“親子げんか”が始まった。

 結果的に久美子氏が経営を握ったが、その後の業績は悪化する一方で、最大77億円もの大赤字を出すまでになった。19年2月にヤマダ電機と業務提携を結び、12月には傘下に入った。それから1年後、久美子氏は社長の座を手放すことになったのだ。

 大塚家具はこの8月30日をもって上場廃止となる。


■なんかのギャグ?


 そんな彼女を“名経営者”の1人として講師に招くというのだから、ネット上では《ギャグではないのか》《炎上商法か》とザワついているほどだ。2ちゃんねるの創設者として知られる実業家の西村博之氏は、こうツイートした。

《日経トップリーダー大学の講座の一般価格が145万円なんですが、/11月の講師が元大塚家具社長 大塚 久美子氏。。。/上場企業を赤字垂れ流しにして数年で上場廃止に持って行った手腕を100万円以上払って聞きに行くとか、なんかのギャグなんですかね?》

 日経トップリーダー大学の受講費用は、一般価格が145万円(税込)である。講師にはシヤチハタ社長やソースネクスト会長などもいるとはいえ……経済部記者は言う。

「私大文系の1年間の学費よりも高いですね。そこに講師として久美子氏を呼ぶなんて、冗談にしてはシャレにならないほど高い。名経営者といっても、彼女が大塚家具の社長時代にやろうとして成功した例は一つもないと言っていい。一体何を語るというのでしょうか」

 11月9日に予定されている彼女の講演テーマは「変化への対応」だそうだ。

「彼女が完全に失敗したテーマです。もし、それを“しくじり先生”として語るなら聞き応えはあるでしょう。戦後の経済史の中で、今後、塗り替えられることがないほどの失敗事例、汚点の一つとして多くの国民に記憶されていることですから、取り上げる価値はあるかもしれません」

 だが、彼女が“しくじり先生”として登壇するとは考えにくい。


■ユーモアを解する


「社長時代も経営悪化は、メディアの報じ方のせいにしたり、景気のせい、コロナのせい、と自らを顧みることはありませんでした。反省のない強弁を繰り返すだけでは、受講生たちにどんな価値があるのかは疑問です」

 それでも彼女を選んだのはなぜなのか。

「もともと日経グループは彼女のような人を好む傾向があるのかもしれません。実は彼女が社長に復帰した翌年に日経新聞は、日経産業新聞トップフォーラムに彼女を招いたことがありますからね。この時のテーマは『事業承継を問う〜円滑なバトンタッチと成長へ』でした。大塚家具はとても“円滑なバトンタッチ”と呼べるような事業継承ではありませんでしたが、それでもまだ当時は、経営者として語ることのできる経営状況ではあったと思います。しかし、今や5年間の彼女の経営手腕の結論は出てしまっています」

 彼女が離れた大塚家具は、6月9日に4月期決算を発表した。売上こそ落ちているものの、営業利益、経常利益、純利益ともに、業績予想よりも赤字幅を減らしている。

「久美子社長時代は、黒字の予想を発表しながら、中期に赤字への下方修正をし、その後の決算でドーンと大幅赤字になるパターンが続きましたが、その状況からは脱却したようです。ヤマダ電機の山田昇会長は『黒字化も見えてきた』と語っていましたが、確かに黒字化できるのかもしれません。ただ、これまで大塚家具を支えてきた株主たちは、その恩恵には預かれないわけです。彼女の下で働いた従業員の多くも辞めていきました。普通なら、とても人前で自分の経営を語れる状況ではありません。そこが久美子氏のすごいところで、実の父親をパージしただけのことはあるし、失脚後は経営コンサルタントの看板を掲げたのも、普通の人ならなかなかできないことでしょう」

 久美子氏は7月19日付のTwitterでこう呟いている。

《メディアに流れる情報は玉石混交。情報の信頼性を判断する力を、自ら養うしかありません。それと、ユーモアを解する心も。この週末も、ニンジンスティックたくさん食べました。》

 講師を引き受けたのは、ブラックユーモアなのか。

デイリー新潮取材班

2021年8月23日 掲載

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