シノケングループ、今度は資格者不在でマンション管理

シノケングループ、今度は資格者不在でマンション管理

今度は資格者不在でマンション管理(シノケンHPより)

 春は人事異動の季節。会社で肩書が上がるのは嬉しいものの、できることなら辞退したい役職もある。その一つが、マンション管理組合の理事長に違いない。煩雑な仕事も多く、委託先の管理会社とコンビを組むのが一般的だが、その相棒は本当に信頼できるのか?

 管理会社の業務を初めて規定したのは、2001年に施行された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(適正化法)といわれている。その際、国家資格として新設されたのが管理業務主任者だ。宅地建物取引士に比べて馴染みのない資格だが、マンション管理業協会に尋ねると、

「管理業務主任者の主な業務は、委託契約を結んだ管理組合への重要事項の説明や、管理事務の報告です。管理会社は、登録した事務所ごとに30管理組合に管理業務主任者を1人置かなければならないと定められているので、重要な国家資格といえます」(業務部)

 適正化法ができるまで、管理会社と管理組合との間で金銭問題や清掃の不徹底などのトラブルが少なからず発生していた。こうしたトラブルを未然に防ぐための管理業務主任者は、管理会社と管理組合を結ぶ“信頼の証”といえるのかもしれない。にもかかわらず、

「実は、シノケンが役所に登録している管理業務主任者には問題があるのです」

 こう告白するのは、投資用不動産販売会社「シノケングループ」の現役社員だ。

「シノケンで、マンション管理や清掃を手掛けているのは子会社のシノケンファシリティーズやシノケンアメニティ。委託を受けた管理組合の数を考えれば、今年2月時点で管理業務主任者を5人置かなければなりませんが……」


■マンションの管理人


 この点、シノケンアメニティが関東地方整備局へ2月提出の書類には〈管理業務主任者の数5名〉、〈管理事務の委託を受けた管理組合の数137組合〉と記されている。

「関東地方整備局に登録している5人のうち、少なくとも2人は本社での勤務実態がありません」(元社員)

 適正化法では、管理業務主任者は届け出のあった会社に常駐しなければならないと定めている。

 シノケンアメニティが登録している30代の三浦浩二さん(仮名)は、東京都内在住となっている。その住所へ行くと、あったのは古ぼけたマンションだった。住人に尋ねると、

「三浦さんは、ここの管理人さんです。平日は、朝9時ごろから夕方6時まで管理人室にいます」

 管理人室前の表札と、ポストにも〈三浦〉と書かれていた。シノケン本社に常駐している人物とは、到底考え難いのだった。

 また、もう1人の萩原英明さん(仮名)は古希に迫る年齢だ。書類の住所にあったのは、シノケンが管理する独身者向けと思しきアパート。表札も郵便ポストもなく、ここで暮らしている様子はなかった。そこで書類上の東京の本社に電話すると、

「萩原は名古屋勤務で東京にはいませんが、電話は東京に転送されています」

 なんと、こちらはハッキリと本社常駐でないとわかったのだ。これらは明らかに違反ではないのか。国交省土地・建設産業局不動産業課の見解は、

「事務所への常勤実態がなければ届出は虚偽であり、必要な人員が満たされなければ管理会社の資格を失います。その企業に事実確認をした上で改善しない場合は、行政処分を行う可能性もあります」

 最後にシノケングループに聞くと、

「適宜必要な措置を講じており、現状問題はございません」(広報担当)

 管理組合にとって、信頼できる相棒といえようか。

「週刊新潮」2019年4月11日号 掲載

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