東芝子会社が消費増税前にまさかの業績絶好調なワケ

 10月からの消費税率引き上げで、困惑しているのは庶民だけではない。飲食料品に軽減税率が導入されるため、店内での飲食は税率10%だが、持ち帰りは8%と、同じ商品でも異なる価格設定になる面倒が指摘されている。

 事実上の値下げで対応する外食チェーンはあるものの、今からレジスター前の混乱が目に浮かびそうだ。が、この混乱をビジネスチャンスに変え、ユーザーから信用を得たのが再建途上の東芝の子会社だという。

 経済誌デスクが現状を解説する。

「軽減税率の影響で会計が複雑になり、対応できない既存のレジスターが多い。そのため、レジを買い替える企業や個人商店は少なくないが、需要に生産が間に合っていない状況です。10月までに対応レジを用意できなければ、最悪の場合は手計算で処理しなければならなくなる恐れもあります」

 レジは主に単独で使用する電子レジと、バーコードスキャナーを使用して販売情報などを管理するPOSレジの2種類があるという。外食チェーンを運営する企業の幹部によれば、

「うちが使っているのは、東芝テックのPOSレジ。買い替えはせず、設定を変更しただけで済みました」

 1969年東証1部上場の東芝テックは、東芝が発行済株式50・02%を保有する電気機器メーカーだ。レジ業界に詳しい証券アナリストが言うには、

「電子レジは、国内販売シェア50・08%を占めるカシオが17年連続のトップ。一方、POSレジは国内シェア35・49%の東芝テックが16年連続トップを走っています。ちなみに、東芝テックのPOSレジは欧米を中心に海外での評価も高く、世界販売シェアもトップクラスです」

 東芝本体で不正会計が発覚した2015年以降、東芝テックもその影響を受けて業績が悪化した。ただし、と証券アナリストが続ける。

「技術力のある企業ですから、業績の回復も早かった。設定変更可能な電子レジやPOSレジを積極的にセールスしていた結果、2020年3月期決算で売り上げは前年同月期比0・7%増の4800億円、本業の儲けを示す営業利益は11・2%増の200億円を予想し、絶好調と言っていいでしょう」

 今年1月4日に2430円だった株価は、4月9日に3400円の値を付け、9月13日は3155円で取引を終えている。東芝テック広報室に聞くと、

「電子レジも好調です。生産台数は、4月〜6月で前年同期間の2倍。現在もフル稼働しています」

 優秀な子は親をどこまで助けられるか。

「週刊新潮」2019年9月26日号 掲載

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