【助成金の解説】65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理制度改善コース)/岡 佳伸【2022年上半期 よく読まれた記事】

労働新聞社Webサイトに2022年に掲載した記事で、2022年上半期にアクセス数が多くよく読まれている人気の記事を再紹介していきます。

2022年3月19日掲載【助成金の解説】

■高齢者の働きやすい職場環境づくりを支援

 少子高齢化社会の急速な進行により、労働力の大幅な減少が見込まれています。高齢者が社会の担い手として期待される中、令和3年4月より改正高齢者雇用安定法が施行され、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務とされるなど、意欲があれば65歳以降でも働ける企業が増えることが重要な課題とされています。

 このような中で60歳以降も安心して働ける職場環境づくりを支援する助成金が65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理制度改善コース)になります。令和5年度も継続して制度が設けられることが公表されました。

■助成金の目的

 この助成金は高年齢者の雇用の推進を図るための雇用管理制度の整備に係る措置を実施した事業主に対して助成するものであり、高年齢者の雇用の機会の増大を図ることを目的とされています。

■受給のポイント

@ 初回は50万円の経費がかかっていなくても50万円とみなされます。よって、50万円×60%の30万円が助成金額になります(生産性要件を満たさない中小企業の場合)。
A 65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)に関する高齢者の雇用管理措置に関する制度整備に使うことも出来ます(全く同じではありません)。
B パソコン、タブレット、スマートフォン等様々な用途に使える機械や血圧計、ランニングマシーン等の健康増進機器の購入に関する経費は対象になりません。
C 事前に計画書の提出が必要になります。計画実施の3カ月前までに提出する必要があります。
D 支給申請日までに1年以上雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者が1名以上いる企業が対象になります。ただし、その企業で定年を迎えたものでなくても問題ありません。
E 高齢者雇用安定法を持っていることの要件が、令和3年度より緩和され計画書の提出の前日に守っていることに緩和されましたが、令和4年度より厳格化され計画書提出の6カ月前の日から遵守していることに変更されました。
(支給要件である法令遵守(労働協約又は就業規則において、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)第8条又は第9条第1項の規定と異なる定めをしていないこと。)の確認期間について、計画を提出した日から起算して6カ月前の日から支給申請日の前日までの間とする。)

■おすすめポイント

 初回については、かかった費用の額を上回って助成金額が支給されることもあります。高年齢者対象の人事評価制度や研修、法定外健診等の導入に幅広く助成されます。

■就業規則規定例

■相談先

高齢・障害・求職者雇用支援機構都道府県支部
https://www.jeed.go.jp/index.html

■概要

 高年齢者向けの雇用管理制度の整備等に係る措置を実施した事業主に対して一部経費の助成を行うコースです。対象となる措置は以下の通りです(実施期間:1年以内)。

@ 高年齢者の職業能力を評価する仕組みと賃金・人事処遇制度の導入または改善
A 高年齢者の希望に応じた短時間勤務制度や隔日勤務制度などの導入または改善
B 高年齢者の負担を軽減するための在宅勤務制度の導入または改善
C 高年齢者が意欲と能力を発揮して働けるために必要な知識を付与するための研修制度の導入又は改善
D 専門職制度など、高年齢者に適切な役割を付与する制度の導入または改善
E 法定外の健康管理制度(胃がん検診等や生活習慣病予防検診)の導入等

 支給対象経費は、?雇用管理制度の導入等に必要な専門家等に対する委託費やコンサルタントとの相談に要した経費のほか、?上記のいずれかの措置の実施に伴い必要となる機器、システム及びソフトウェア等の導入に要した経費です。

■支給額

 上記の支給対象経費の額に下表の助成率を乗じた額を支給します。

 なお、支給対象経費は、初回に限り50万円とみなします。2回目以降の申請は、?と?を合わせて50万円を上限とする経費の実費を支給対象経費とします。

※ 生産性要件の詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137393.html

■主な支給要件

(1)「雇用管理整備計画書」を(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に提出して、計画内容について認定を受けていること。
(2)上記計画に基づき、高年齢者雇用管理整備の措置を実施し、当該措置の実施の状況および雇用管理整備計画の終了日の翌日から6カ月間の運用状況を明らかにする書類を整備している事業主であること。
(3)雇用管理整備計画書提出日の前日から支給申請日の前日までの間に、高年齢者雇用安定法第8条または第9条第1項の規定と異なる定めをしていないこと。
 また、高年齢者雇用確保措置を講じていないことにより、同法第10条第2項に基づき当該雇用確保措置を講ずべきことの勧告を受けていないこと及び、法令に基づいた適切な高年齢者就業確保措置を講じていないことにより、同法第10条の3第2項に基づき、当該就業確保措置の是正に向けた計画作成勧告を受けていないこと(勧告を受け、計画書提出日または支給申請日の前日までにその是正を図った場合を含みます)。
(4)支給申請日の前日において、当該事業主に1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者※であって、講じられた高年齢者雇用管理整備の措置により雇用管理整備計画の終了日の翌日から6か月以上継続して雇用されている者が1人以上いること。
 ※ 短期雇用特例被保険者および日雇労働被保険者を除きます。
(5)雇用管理整備の措置の実施に要した支給対象経費を支給申請日までに支払ったこと。

■支給申請までの流れ

筆者:岡 佳伸(特定社会保険労務士 社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表)

大手人材派遣会社などで人事労務を担当した後に、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として活躍。
日経新聞、女性セブン等に取材記事掲載及びNHKあさイチ出演(2020年12月21日)、キャリアコンサルタント

【webサイトはこちら】
https://oka-sr.jp

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