【ひのみやぐら】火花の引火防止がポイント

 風が冷たく感じられるようになり、そろそろ物置から暖房器具を引っ張り出したくなる季節になった。ストーブなどの火の元への用心が必要になることから、総務省消防庁では11月9〜15日までの7日間を全国火災予防運動と設定し、火事への注意を呼びかけている。当然、一般の住宅だけでなく事業場でも火災災害に注意が必要となる。

 東京労働局では、昨年10月〜今年2月までを火災災害の取組強化期間とした。同労働局管内では、一昨年に東京・多摩市のビル新築工事現場で火災が発生し、5人が死亡、76人がケガをするという重大な災害が起きている。また、昨年2月には、配管の溶断中の火災に巻き込まれ、1人が死亡した。頻繁に起こる火災に対して、講習会や点検の実施を要請するなど防止に力を入れているところだ。

 一方、今年9月11日に千葉・船橋市の倉庫解体工事現場で火災が発生。人的被害はないものの、現場内での鋼材の溶断中に火花が部材に引火したものとみられ、千葉労働局では、建設業の関係団体に災害防止の要請を行っている。

 近年の状況と事例を示してみたが、お分かりのとおり、工事現場での作業の出火原因は、溶断、溶接による火花の引火が飛び抜けて多い。次いで電気作業、床張り・壁張り作業となっているが、とにかく溶断・溶接作業だけで約半数を占めるので、ここが災害防止のポイントとなる。

 具体的な防止策としては、火気を使用する場所では、消火器などを配備のうえ、不燃ボードや不燃性シートなどで遮蔽を確実に行う。火花が飛散する危険性があることを踏まえて、作業場所の周辺に可燃性の資材を放置しないよう、整理整頓を怠らないことなどが重要だ。塗料、シンナーなどの危険物は不燃性の保管庫に収納、施錠し、管理を徹底。現場に持ち込む場合は、必要最小限にする。

 万が一の事態に備え、避難通路を確保しておく。防火シャッターや避難経路には、資機材を放置しないよう注意が必要だ。

 防火管理者や工事の責任者はもちろん、職場の皆が意識を高くして、作業中のチェックや点検を行いたい。

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