4つのキーで難局に挑む 横串刺し新規事業創出 日本水産次期社長・浜田晋吾

4つのキーで難局に挑む 横串刺し新規事業創出 日本水産次期社長・浜田晋吾

社長に就任する浜田晋吾氏(日本水産)

日本水産の浜田晋吾専務執行役員は、6月の総会での社長就任が内定している。内定発表は3月に行われたが、これは年度初めの4月から実質的にバトンタッチしたい的埜明世社長の強い意志によるものだという。

グループは順調に成長軌道を歩んできたが、20年度はコロナ禍の影響もあり、踊り場局面に突入している。就任にあたり浜田氏は「これを『新たな成長軌道』に乗せたい」と抱負を語る。

そのためにも「フロンティアスピリットとモノづくりの技を鍛え、磨き上げること」を掲げ、「財務目標の達成に加え、社会から信頼される価値あるグループになることを目指してチャレンジしたい」と意気込む。

新たな成長軌道を目指す上でキーとなる取り組みとして、次の4点を挙げる。

一つ目は「垣根を越える」こと。未着手・未開拓の領域や市場がコロナ禍のために見えたといい、事業や事業部の垣根を越えた商品や戦略などの開発を図る。

これまでは各事業部が業務を深掘りしてきたが、「これに横串を刺すような取り組みがより必要になる」とみる。これまでも水産・食品・ファインケミカルの事業が重なり合う領域から、EC事業や医薬品原料海外展開、速筋タンパクといった事業を生み出した。この、重なり合う部分をより増やし、新しい取り組みの創出を目指すという。

EC課も新設し、自社通販だけでなく、モール型のニッスイ公式ショップにも力を入れる。

二つ目は「生産性の向上」だ。「当社グループの生産性は世界一なのか、という問いに対しては、誰もその通りだと答えないだろう」という問題意識から、AIの活用やDXの展開を本格化させたいとする。営業面では昨年から導入している営業支援システムの定着を図り、養殖の自動化などにも取り組む。また、25年までに生産性を3割上げるという「スマートワーク2025」の推進、未来型の生産ラインなどの開発、自動化による定型業務の50%以上削減なども目指していく。

三つ目は「新規事業、新しい仕組みの導入」だ。「常に新しいものに取り組む風土が少し弱くなっている」ことから、社長直轄の事業開発部を新設。少人数の若手社員を集め、おおむね半年で事業の「種」案を作成、プロジェクトを運営し、具体化を検討する。若手社員の教育もミッションの一つだ。

R&Dではデザイン思考の手法を定着させ、人間起点の商品開発を図る。

四つ目は「人材」だ。教育プランやキャリアパスを再構築し、早期にルールなどを策定したい考え。女性管理職の育成や女性採用比率のアップも図る。さらにグローバル人材の育成にも注力する構えだ。

本社ではフリーアドレスの実施でコミュニケーションの活発化を期待。テレワークの環境整備、サテライトオフィスも活用し、新しい働き方で多様な人財が能力を発揮できる企業風土を醸成する。

次期中計は本年度からだったが、コロナ禍の影響が予測しにくいこともあり、今年は体質強化・基盤づくりに取り組む年と位置付け、来年度から実施する。

過去には出向先の立て直しを2度、成功させている。成果が出始めると自然と盛り上がったという。コロナ禍をこの手腕で乗り切れるかどうか、期待がかかる。

4つのキーで難局に挑む 横串刺し新規事業創出 日本水産次期社長・浜田晋吾は食品新聞 WEB版(食品新聞社)で公開された投稿です。

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