カゴメ 拡大する通販事業(上) 三世代に浸透「健康直送便」 「おまとめ配送」野菜飲料で定着

カゴメの通販事業が成長軌道を描いている。新型コロナの影響により利用者も増えており、今年上半期も前年同期比108%と業界の伸びを上回った。そこでマーケティング本部通販事業部の栗橋貞行部長に通販事業の概要や拡大背景などについて聞いた。

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(通販事業の概要) 1998年に通販事業を立ち上げ、お客様の健やかな生活を実現するために、お客様に寄り添い、生活の悩みや期待にお応えするため、商品を開発しラインアップを広げてきた。その結果、2017年には約100億円規模に達した。昨今は新型コロナの影響により利用者数が増加し、今年上半期も前年同期比108%の60億円(自社通販)に達し、市場の伸びの106%を上回った。

20数年前の事業立ち上げ当時の扱い商品はトマトジュースと野菜ジュースくらいで、ほかの通販会社と同じように単品リピート型のビジネス形態だった。だが昨今は、商品をお届けするだけではなく、商品を通じて健やかな健康生活に役立つ情報やサービスも提供し、これを通して通販事業の変革を目指している。

(顧客の年齢層について) 当社は現在、「カゴメ健康直送便」を展開しており、お客様の年齢層は50〜70代がボリュームゾーン。カートカンの「つぶより野菜」は60代、レトルトの「野菜のポタージュ」は70代、サプリメントの「スルフォラファン」は50代がメーンで、幅広い層に利用されている。最近は、お子さんやお孫さんにも商品をシェアしてもらうケースがあり、家族の健康を考えたお客様が増えている。

(コミュニケーション展開について) 年齢や生活スタイルに合わせて広告や出稿媒体も変わってきた。コロナにより在宅率が高まり、テレビや新聞、雑誌などの広告効率が非常によくなってきた。今夏には初めて「冷製ポタージュ」セットを新聞広告で展開したが、非常に多くの注文があった。SNSでの広告も効率的で、50代以上もLINEやYouTube、TwitterなどSNS媒体を非常によく利用している。オンライン会員を対象にプロモーションも展開し、オンライン上でさまざまな情報や体験イベントに参加してもらうようなコンテンツを増やしている。

「つぶより野菜」(カゴメ)
「つぶより野菜」(カゴメ)

(商品ラインアップについて) 通販専用商品「つぶより野菜」や「野菜スープ」「サプリメント」は、すべて野菜由来の商材で、野菜のおいしさや栄養、機能にこだわってラインアップを増やしている。従来、お客様との会話は商品や電話、手紙で行ってきたが、コロナにより難しくなった。そこでデジタルを利用し、オンラインでのセミナーやイベントを通じて会話し、生活の悩みや今後への期待などを聞き、商品やサービスの開発につなげている。

(定期顧客への対応) 定期商品の届け方として「隔月おまとめ配送」という新しいサービスを設けた。お客様によっては2か月に1回とか、3か月に1回まとめてのお届けを希望する方もあり、時間指定なども細かく対応している。「隔月おまとめ配送」は、主力野菜飲料のほぼ半数のお客様が利用しており、こうしたお客様は配送頻度を減らすことで、配送業者の負担や配送車のCO2削減につながるなど社会問題への関心が高いようだ。

さまざまなご意見や声はカゴメの中だけではなく、コンタクトセンターや配送会社、工場、生産者とも共有し、これが働くすべての方の生きがいやモチベーションの向上につながっている。特に農家では就業人口が減少する中で、事業継続が難しい環境にある。そこでお客様の声や農家の声も聞きながら、農業の事業継続をテーマとした「農園応援」活動もスタートしており、これらはカゴメならでは取り組みだと思う。(つづく)

カゴメ 拡大する通販事業(上) 三世代に浸透「健康直送便」 「おまとめ配送」野菜飲料で定着は食品新聞 WEB版(食品新聞社)で公開された投稿です。

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