コーヒー コロナが家庭外市場に打撃 事業領域の洗い直しが打開策 連載・アンダーコロナキッチン第1章「食糧供給」〈6〉

コーヒー コロナが家庭外市場に打撃 事業領域の洗い直しが打開策 連載・アンダーコロナキッチン第1章「食糧供給」〈6〉

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コーヒー業界はコロナ禍の影響で、家庭外のコーヒー消費が大きく減退してしまった。

これにより19/20年度(19年10月〜20年10月)の世界コーヒー市場は生産過剰で終了した。

国際コーヒー機関(ICO)によると、生産過剰分は154万tを見込む。19/20年度、生産量は前年度比0.7%増の1億6千934万袋と推定される一方、世界のコーヒー消費量は0.5%減少して1億6千781万袋になると予想される。

消費国・日本も世界の動向と同じくコロナ禍で業務用市場が苦戦し、1-7月のコーヒー消費量は、前年同期比4.9%減。その後、外出自粛の緩和やGo Toキャンペーン施策で徐々に回復傾向にはあるものの、巻き返しには程遠い状況にあると推察される。

これらの現状を踏まえ、今後のコーヒー市場の活性化を考えると、家庭外市場の領域拡大とイノベーティブな商品開発の2つに取り組むべきだと考える。

家庭外市場の領域拡大とは、事業領域をカフェ・レストランの外食やオフィスだけでなく、家庭外で「人が集まるところ」すべてを市場ととらえるということを意味する。その一例はワーキングスペースで、リモートワークの普及に伴い増加が予想される。既にスターバックスコーヒージャパンは8月、自社の「SMART LOUNGE」とジンズホールディングス(JINS)の集中研究から生まれたワーキングスペース「Think Lab」を組み合わせた新店舗を東京・銀座にオープンした。

商機をつかむには社会や消費動向の変化にも注視する必要がある。例えば「車の自動運転に提案できるコーヒーはないか」とか「規制緩和が進めばドローンでも配送できないか」といった具合に異業種との協業を含めて先入観を取り払った発想・思考が求められる。

一方、2つ目に挙げたイノベーティブな商品開発については、プレミアムと簡便を研ぎ澄ませていくべきだと考える。コロナ禍で家庭外が落ち込む一方、家庭内市場は4月と5月をピークに活性化した。その際、コモディティ商品だけでなく豆商品やプレミアム商品も伸長し、家庭内時間の増加がいれ方の追求や産地のこだわりという「コーヒーの探究」につながっている可能性を気づかせてくれた。

「おいしいコーヒーを知ってしまうとなかなか元の味覚水準には戻りにくくなる。しかし1日当たりの飲用杯数が増えるに伴い、そう何度も豆から挽いていれるのは面倒」ということで簡便性の出番となる。小さな動きだが、今年になって水出しが伸びているのもその証左だと考える。おいしい上に、一度の作業で500?以上つくり置きできる点が受け入れられているという。茶葉でも同様の動きがみられる。

2年連続で生産過剰になったが、長期的には2050年にアラビカ種の栽培適地が現在の50%にまで減少する「2050年問題」を抱える。商品やサービスを通じて、持続可能なコーヒーの生産を支援・助長するサステナブルの話題喚起も求められる。

コーヒー コロナが家庭外市場に打撃 事業領域の洗い直しが打開策 連載・アンダーコロナキッチン第1章「食糧供給」〈6〉は食品新聞(食品新聞社)で公開された投稿です。

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