ヤマハ発動機株は売りどきか? 「逆日歩に買いなし」というではないか!【格言で買う!株式投資】

「逆日歩に買いなし」という相場格言がある。

日本証券業協会の相場格言集には、信用取引には買い建てと売り建てがある。「買い建ては値上がりを待って売り、売り建ては値下がりを待ってその差益を得ようとするものだ。この場合、買い方は買い方金利を支払い、売り方は売り方金利を受け取る。

ところが売り方の建て玉がそれを上回ると、売り方は買い方に日歩を支払わなければならなくなる。これが『逆日歩』である」としている。

つまり、「逆日歩」が付いた銘柄を買うと株価自体が高値圏にあることが多く、高値づかみになって損する可能性が大きくなる。痛い目をみるというわけだ。

■EV、ドローン、2輪車、船舶の技術力に定評

2020年12月21日、以前から技術開発力の高さで気にとめていたヤマハ発動機の株式を、2102円で100株取得した。会社四季報・新春号(2021年1集。20年12月16日発売)の掲載企業、欄外に表示されている「業績予想の修正記号」が、「大幅増額」であるところに目が止まった。

企業業績が20年12月期を底に上昇基調を見込んでいること、掲載されている株価チャートも安値圏にあることを見て、買いの判断をした。

ヤマハ発動機は、2輪車の世界的な大手メーカーで知られるほか、船外機、スノーモービル、電子基板実装ロボットなどの、多様な事業を展開している。現在、株式市場のテーマとなっている電気自動車(EV)やドローン、2輪車や船舶などを手がける技術力には定評がある。

そのヤマハ発動機の技術力は、開発の手を緩めることはなく、より加速度をつけて進めている。21年3月24日に開催された「定時株主総会」の事業報告の対処すべき課題によると、「新規事業開発」の項で、「『ART for Human Possibilities』(ART=Advancing Robotics、Rethinking Solution、Transforming Mobilityの3つの注力領域)の方向に沿って、既存の技術・市場のシナジーを活かせる領域で新たな価値創造を進めます。2030年までに新規事業を存在感のあるものに育てることを見据え、今期中期計画で、モビリティサービス、低速自動運転、農業省人化、医療省人化の4つの領域に絞り込みました」とある。

進捗状況をみると、自動搬送ソリューション合弁会社の設立、低速モビリティサービスの実証実験、自動飛行が可能な「YMR−08AP」(産業用ドローン)の販売、農業用UGV(無人走行車両)によるブドウ収穫実験開始などに取り組んできた。今後は、「引き続きこの4つの領域に経営資源を投入し、事業化を目指していきます」としている。

■ヤマハ発動機株に「逆日歩」が発生していた!

そんなヤマハ発動機株だが、毎週水曜日の日本経済新聞に掲載されている「信用取引銘柄別残高」を見て、株式の信用取引で、売り残が買い残を上回る、「売り長」が発生しているのに気づいた。「逆日歩」も発生していた。

ヤマハ発動機株は6月8日に3380円の年初来高値を更新している。株価推移を10年の長期チャートで振り返ると、2018年1月に3935円の高値をつけている。半導体関連(電子基板実装ロボット)やEVプラットフォームの外販などの有望分野を多数擁し、今後の業績進展が見込まれていることが背景にある。

過去、保有する株に「逆日歩」がついたことはあったが、すべて気づかないうちに解消していて、踏み上げ(信用取引で決済のために損失覚悟で買い戻すことを「踏み」といい、それによって株式相場がさらに値上がりすることを「踏み上げ」という)が発生した記憶はない。信用取引はしないことにしているため、株式売買にあたっては、業績を主たる判断材料にし、「逆日歩」状態が発生した場合は、株価の判断材料程度にとどめることにしている。

今回も「逆日歩に買いなし」であったようだ。7月2日には「売り長」は解消していて、取り組み倍率は、1.83倍になっている。ヤマハ発動機株を3700円〜3800円で、一たん利食い売りを考えていたが、タイミングを逃したようだ。長期的には400株程度の保有を目標に、安いところがあれば、買い増そうと考えている。(石井治彦)

2021年7月16日現在 保有株式 100株 (平均取得単価2121円25銭)
年初来高値 2021年6月8日 3380円
年初来安値 2021年1月5日 1995円
直近 終値 2021年7月16日 2767円

石井治彦(いしい・はるひこ)

投資歴25年。「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。情報源はもっぱら会社四季報や日本経済新聞、経済誌など。また、株主総会やIR説明会には、できるだけ顔を出すようにしている。東京都出身。

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