菅首相と同い年の「お婆ちゃん」がデジタル庁トップってマジか!「これで日本は終わったな」と呆れる声

「ま、まさか!菅首相と同じ年の... こう言っては失礼ですが、お婆ちゃんがデジタル庁のトップですか!」

驚くべき人事が進行中だ。菅義偉政権が停滞する日本経済の起死回生の一手として打ち出したデジタル庁創設。2021年9月からスタートするが、その事実上のトップに72歳の女性が内定しているというのだ。

しかも、IT関係の専門家ではなく、経営学の学者。一橋大学名誉教授の石倉洋子さん。

いったい、どうしてこんなことになってしまったのか。ネット上では「日本も終わったな」という声さえあがっている。

■「性的スキャンダル」後だから「女性」がよかった?

この仰天人事を報道各社は、なぜか淡々と報じている。たとえば、朝日新聞(8月26日付)「デジタル庁の事務方トップ、一橋大名誉教授で最終調整」は、こんな案配だ。

「政府は、来月(2021年9月)発足するデジタル庁の事務方トップとなる『デジタル監』に、一橋大名誉教授の石倉洋子氏(72)を充てる方向で最終調整に入った。当初、米マサチューセッツ工科大(MIT)メディアラボ元所長の伊藤穣一(じょういち)氏(55)の起用を検討したが、少女への性的虐待などの罪で起訴された米資産家から資金提供を受けていたことをめぐって批判が高まり、ほかの候補で人選を進めていた」

平井卓也デジタル改革相は、デジタル監について「デジタルの世界、トップに女性が立っている企業が非常に多い」などとして、「女性がいい」との認識を示したことがあった。

平井デジタル担当相が「女性がいい」と強調するには大きな理由があった。一度は白羽の矢が立った伊藤穣一氏にはトンデモないスキャンダルがあったからだ。100人を超す少女への性的虐待で有罪判決を受けた米の大富豪(獄中で謎の急死)から多額の献金を受け、米マサチューセッツ工科大メディアラボ所長を辞任した経緯がある。その失敗人事があったから、ここはぜひとも「女性でクリーンな人物」がよかったのだろう。

菅義偉政権の肝煎りで設置されるデジタル庁は、行政のデジタル化の司令塔として、各省庁にまたがるIT調達予算を一元化するほか、自治体のシステム共通化に向けた調整も担う。デジタル庁は今年5月に成立したデジタル改革関連法によって、スポーツ庁や文化庁、金融庁のように長官を置かずに、事務方のトップには省庁の次官級にあたる「デジタル監」を置くことが決まっていた。

つまり、石倉氏は名実ともにデジタル庁のトップになるわけだ。

■華やかな経歴も経済畑 「デジタル庁」にまったく関心なし

デジタル庁トップに内定したと報道されている石倉洋子さん(本人の公式サイトより)
デジタル庁トップに内定したと報道されている石倉洋子さん(本人の公式サイトより)

石倉氏の経歴は確かにスゴイ。ただし、IT分野の専門家ではなく、経営が専門だ。本人の公式サイトなどによると、1949年3月生まれ。フェリス女学院中学・高校、上智大外国語学部英語学科を卒業。フリーの通訳をしたあと渡米。1985年に米ハーバート大学大学院経営学博士(MBA)修了。米マッキンゼー社でマネジャー。青山学院大、一橋大、慶應義塾大の教授を務めた。いずれも経済学や国際企業戦略研究、メディアデザイン研究などが専門だ。

それと並行して多くの企業の社外取締役や、政府系機関の理事や審議会委員なども歴任している。資生堂、積水化学、日清食品ホールディングス、双日、ライフネット生命保険、富士通、商船三井......。郵政公社社外理事、日本学術会議副会長、行政改革本部規制改革委員会委員、文部科学省中央教育審議会委員、公正取引委員会独禁法懇話会委員、経済財政諮問会議専門委員会委員などだ。

また、新型コロナウイルスの感染拡大が起こる前までは、グローバル人材の多様性推進や女性活用などに関する多くのセミナーを主宰し、世界中を飛び回っている。

ところで、失礼ながらデジタル方面の専門性がいかがなものか。本人の公式サイト「石倉洋子の公式ウェブサイトです。グローバルな事業戦略、競争力、グローバル人材などを専門にしています」をのぞいてみた。サイトには毎日のように、日々の活動が投稿されている。キーワードを入れると、関連の投稿記事が検索されるようになっており、本人がどのくらいデジタル方面に詳しいか、ある程度、推測できそうだ。

そこで「デジタル庁」と検索すると、最新の2021年8月24日現在、「検索ワードに一致する記事は見つかりませんでした」と出た。菅政権がデジタル庁構想を打ち出したのは昨年(2020年)11月のことだ。これまで多くのニュースが流れたはずだが、少なくてもごく最近までは「デジタル庁」には関心がなかったようだ。

ちなみに「菅義偉」で検索すると、2017年9月に「全国秘書会議」が東京の椿山荘で開かれた折りに石倉氏も参加し、1行だけ「菅義偉官房長官(当時)の挨拶があった」という記述があるだけ。菅首相とはほとんど交流がないようだ。デジタル大臣「平井卓也」の名前を入れても、該当記事はなかった。いったい、どういう経緯で声がかかったのだろう――。

■デジタル、DX...「アマチュア」のよう

自分と同じ年の女性に白羽の矢を立てた菅義偉首相

さらに「デジタル」と「デジタルトランスフォーメーション」(DX)で検索を重ねてみると、2つの言葉を合わせて10個近い記事がヒットした。毎日1本ずつあると思われる膨大な記事の中では非常に少ないだろう。たとえば、こんな記述だ。

2014年4月20日「今回のテーマは『デジタル通貨、ビットコインの今後』で、ゲストに日本デジタルマネー協会の代表理事である本間善實さんをお招きしました。本間さんに私が基本的なこと『ビットコインって何ですか?』というような質問をした後、参加者から質問を受けました。......」

2019年6月19日「マイナンバーカードのメリット? デジタル化? 戸籍謄本・抄本が必要になったので、マイナンバーカードがあればコンビニでとれるのではないか、と調べてみました。私の住む〇〇区ではとれないことがわかりました。......」

2019年8月28日「明日のグローバルゼミのゲストである『AIを住宅に』の〇〇さんのショールームを見に行きました。......デジタルトランスフォーメーションのクライアントとの進め方などについても話が弾んでしまい、とても楽しいひとときでした」

2021年3月20日「『顧客体験の向上と競争優位性の獲得のために、デジタルトランスフォーメーションの活用を』というタイトルの公開イベントだったので、今流行になっているDXを超えて、Adobe(編集部注:米のコンピュータ・ソフトウェア会社)がやろうとしていることはどんなことなのか、いろいろ日本のスタッフに伺いながら、アウトラインを考えました。......」

2021年6月12日「時間の感覚。最近、XXの事件からOO十年というような報道を見ることがよくあります。団塊の世代の私は、第2次大戦ははるか昔という感じで実感がないのですが、今20代30代の人たちは、第2次大戦って何? ということのようです。......リアルタイムで世界の動きを見ることができるデジタルの力が、これまでは考えられなかったような世界を開いていくだろうし、時間の感覚も時代感覚もまったく違うものになるのだろうなあ、と感じています」

2021年7月30日「接種証明書が来ました!私は住民票がある〇〇区のウェブサイトから調べて、必要な書類を揃え(接種したのは大手町の大規模会場)コピーも取って送りました。まだ紙ですが(デジタル化されれば便利だと思うのですが)これで海外へ行ける道が開かれたかな、と......」

こうした記述を見る限り、石倉氏は「デジタル」の専門家というよりは、あくまで参加してきた多くの経営関係のセミナーや、政府系の審議会委員活動の域を出ていない「アマチュア」のようだ。

■人材不足?「年齢じゃないけど... ねえ」

今回の人事情報に関して、インターネット上では批判の意見が多い。

「失礼ながら、大変ご立派な方ですが、高齢過ぎやしませんか? デジタルの事や最新の技術を、少しでも本当にご存じなのでしょうか? ハーバード大学大学院で経営学博士を取得したっていうのはすごいことなのでしょうが、昔過ぎない? デジタルの世代というよりも、ソロバンと習字って感じがしちゃうんですが。デジタル庁、これ以上世界に遅れをとることなく、しっかりと進めてほしいですね」

「なぜ、72歳の専門分野が経営学博士をデジタル庁トップに使うのか、わからない。菅総理と同い年、政府のいう事を聞きそうな人物を見つけてきたのだろうが、担当するのはデジタル技術の管理なのだ。経歴は凄いが畑違いの人物、最新のデジタル機器・技術やハッカーなどからの情報流出防止などが理解出来るのか? 台湾のオードリー・タン氏など40歳の若さで国のデジタル化を直接牽引している。少しゲームをかじった程度の平井卓也大臣ともども、もっと適任者がいるはずだ。若くてコンピュータ技術に長けている人物を任用しないと日本は益々世界から遅れてしまう」

世界のデジタルプラットフォーマーたちは20代や30代です。未来が見えていない人たちが寄り集まっても頓珍漢なことをするだけ。お年寄りにデジタル庁の設計は無理です。すでに経験のある若い人をトップにした方が断然にいい。今から設計するデジタル庁は20年後、30年後に大きな影響を与える大改革の先頭です。今から立ち上げて頑張っていくのにせめて15年は現場で頑張れる年齢の方を起用すべきだと思います。名誉職ではありません。石倉さん、お願いします。辞退してください」

「誰一人取り残さない」というデジタル庁のモットー(同庁公式サイトより)

一方で、こう擁護する意見も少なくなかった。

「ITに知見があって、若くて、清廉潔白で、経営の経験もあって、リーダーシップがあって、安月給でも働いてくれる人で......って、婚活するアラサー女性かよ。そんな好条件の人間が売れ残っているわけないよ。石倉洋子さんはアドバイザー的な場所にいたほうがいい人だと思う」

「デジタル監は利益相反を防ぐために兼業、副業、株や不動産の取引は禁止です。だから民間企業で活躍している優秀な人材は来てくれないのです」

「いないんだよ! いや、人材はいっぱいいるの。でも、今やっている会社を辞めないといけないから。兼業はできないのよ。このポスト。兼業でいいならやってもいい、という人はいたらしいけどね。こんな何年やるかわからない、報酬は低い(今の仕事のほうが高い)、しかも今の仕事を全部捨てなきゃいけない。あとはさ、言わずもがな。こういう業界で(いい意味で)とんがって働いている人って、お役所のように物事を丸くおさめたりとかができない。なかなか人物面でも難しいわけ。だからお願いできる人が少ないし、かつなり手がいないのよね。ま、だからって70代はどうかと思うけど。年齢じゃない、年齢じゃないけど... ねえ」

(福田和郎)

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