週刊ダイヤモンドは「相続対策」 東洋経済は「私大トップ13校」、エコノミストは「あなたの町の危険度」

「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」「週刊エコノミスト」、毎週月曜日発売のビジネス誌3誌の特集には、ビジネスパースンがフォローしたい記事が詰まっている。そのエッセンスをまとめた「ビジネス誌読み比べ」をお届けする。

「週刊ダイヤモンド」(2021年10月30日号)は、「駆け込み! 相続&死後の手続き」を特集。生前贈与がダメになる前の今しかできない裏技を伝授している。

週刊ダイヤモンドが特集、税制改正で「生前贈与がダメになる」?

■駆け込み贈与はラストチャンス

 「週刊ダイヤモンド」2021年10月30日号
「週刊ダイヤモンド」2021年10月30日号

「相続の『大増税』時代」が迫っているという。事前に対策すれば合法的に負担を減らせる生前贈与が、早ければ2022年にも封じられる見通しだ。国税庁によれば、2019年に亡くなった人は約138万人で、実際に相続税を納税することになった相続人は約25.5万人で、1人当たりの相続税額の平均は1714万円にのぼる。「節税のチャンスはあと2回だけ」、と税理士業界は呼びかけている。

相続税と贈与税が一体化される税制改正が行われる見通しだ。富裕層から税金を取り、公平性を高める狙いがある。しかし、非課税枠の110万円超の「駆け込み贈与」で節税できるというのだ。

編集部が駆け込み贈与による節税効果が最大になる贈与額の早見表をつくった。たとえば「資産3億円で子供2人」ならば、贈与金額1110万円で最大234万円が節税できる。ラストチャンスは今年末までと来年中の2回だけだ。

配偶者の認知症が相続に思わぬ影響を及ぼすという記事にも注目した。認知症などで判断能力を欠く相続人が遺産分割協議に参加したとしても、その協議は無効とされてしまうからだ。遺言書も、認知機能テストによって「認知症の症状がある」と判断されると認められない。預貯金も、本人確認がうるさく、下すことすらできなくなる。こうした「相続貧乏」を回避するにはどうしたらいいのか。

まず、「銀行口座」はパートナーが健康なうちに口座数を把握し、最低でも3つ以内にしておこう。定期預金は普通預金に切り替える。自動更新になっている場合は満期で解約されるよう変更しよう。遺言書についても、本人の意思がはっきりしているうちに、早めに書いておくことを勧めている。

■武田薬品がまた希望退職者を募集

路線価によって相続税、贈与税の課税額が変わる。2021年路線価で相続税が上昇した駅ランキングが載っている。関東では、JR南武線の武蔵小杉と東急田園都市線のたまプラーザが1位、関西では京都市営地下鉄烏丸線の今出川がトップだった。

相続税額ランキングを見ると、関東では東京メトロ日比谷線の六本木、JR山手線の渋谷、品川の順。関西では大阪メトロ谷町線の四天王寺前夕陽ヶ丘、JR大阪環状線の森ノ宮、阪急神戸線の御影の順だった。

第2特集では、「武田薬品 製薬エリートの真実」と題して、外国人トップの下でリストラが行われ、多くの人が社外へ飛び出している現状をリポートしている。

昨年秋に国内営業部隊のMR(医薬情報担当者)を中心に希望退職者を募集した。30歳以上が対象で、約500人が退職したとみられるという。今回の対象は管理部門の一つ、「タケダビジネスソリューションズ(TBS)」の日本組織、TBS Japan。最大60か月分という手厚い特別退職加算金が出る見込みだが、今回も多くの社員が去るとみられる。それでも、第一三共とは待遇に大きな差があり、支店長クラスで最大1000万円の年収格差があるという。「西のタケダ、東の三共」と呼ばれた頃とは社内環境が異なる両者だが、「企業価値(時価総額)で見れば同じ5兆円」(10月15日終値時点)というのは示唆に富む、という含蓄のある見方を紹介している。

■就職で最強は慶応法学部

「週刊東洋経済」2021年10月30日号
「週刊東洋経済」2021年10月30日号

「週刊東洋経済」(2021年10月30日号)は、表紙に大きく「早慶上理 MARCH 関関同立」と掲げ、「私大トップ13校 次の戦略」を特集している。就職・進学実績で「最強の学部」に選ばれたのは、どこだ?

言うまでもなく、早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学、東京理科大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の13校だ。受験偏差値が高く、受験者数も多い。少子化やコロナ禍の中で13大学がどのような針路を描くのか、「次の戦略」をリポートしている。

まず、入り口の入試ではどうか。早稲田・政経学部が最新の2021年で、偏差値82で慶応・法学部と並び、再びトップになったのが注目される。政経は21年春の一般選抜で数学T・数学Aを必須項目にして志願者を大幅に減らしたが、国立と併願する学力上位層が受験し、レベルが上がったようだ。

東京理科大学の経営学部は2001年の57から21年の69と偏差値を12も上げた。16年に埼玉の久喜キャンパスから東京の神楽坂キャンパスに移転したのが人気の一因のようだ。

文部科学省が進めてきた定員厳格化の影響で、13大学の多くの学部で偏差値が上がっている。定員を1.1倍未満に守らないと助成金が交付されないため、合格者が絞り込まれ難化したのだ。明治の法学部、国際日本学部、立教の異文化コミュニケーション学部なども頭一つ抜けている。

数字は進研模試を基に算出したものだ。トップの早稲田・政経と慶応・法は内部進学枠が多く、一般選抜の枠が相対的に少ないため、偏差値82という「神クラス」の狭き門になっている。

では、出口の就職で実績を上げているのはどこか。卒業生の進路について各大学にアンケートを実施、コンサルティング、5大商社、メガバンク、放送局、就職人気ランキング上位10社、時価総額上位10社という「難関・人気企業への就職比率」と「公務員・教員就職比率」、「大学院進学者比率」の3項目を使って、パフォーマンスを診断した。

総合ランキングでは、1位に慶応・法、2位に慶応・経済、3位に慶応・理工と3位までを慶応が独占。4位に早稲田・先進理工、5位に早稲田・創造理工、6位に早稲田・基幹理工、7位に早稲田・政経、8位に東京理科・工、9位に慶応・商、10位に東京理科・理第一部という順になった。学部別に詳しいランキングが載っている。

13大学の今後の戦略も紹介している。慶応義塾大学は東京歯科大学との統合を協議しているのが注目される。実現すれば、医学部、薬学部、看護医療学部に続き、医療系4学部を持つことになる。

早稲田大学も日本医科大学と研究連携で合意した。付属・系属校から日本医科大学への推薦入学枠も22年春から設けられる。私大を代表する2校の動向から目が離せない。

■どこに住むか? 人気よりも災害リスクを考慮して

「週刊エコノミスト」2021年11月2日号
「週刊エコノミスト」2021年11月2日号

週刊エコノミスト(2021年11月2日号)は「地震・台風・土石流 あなたの町の危険度」を特集している。

今後、水害発生地でなくても同じ区内なら5%地価は下落するかもしれないという。日本不動産研究所の佐野洋輔研究部次長は、ハザードマップについて、「金融機関などは担保評価に反映させると思われる」と話している。

「首都圏人気路線安全度」という記事に着目した。だいち災害リスク研究所の横山芳春所長が集計したものだ。利便性や土地ブランドを優先すると、必ずしもリスクを反映しないという。東急東横線では、地価の観点からは、反町、妙蓮寺、白楽など横浜市側の駅が台地上で災害リスクは比較的低く、路線内の他駅と比べ地価も低めだと評価している。

東急田園都市線の水害リスクは、丘陵や台地の上にある鷺沼、つくし野、すずかけ台、中央林間などで浸水想定外区域外となり、高台の多い神奈川県の区間でリスクが低い傾向にある。一方、多摩川や鶴見川の支流などの谷沿いの二子新地、二子玉川、田奈など水害リスクの高い駅はハザードマップの確認が特に必要だとしている。

京王井の頭線では東松原、新代田が災害リスク、地価ともに低いのでねらい目だ。台地の上にある井の頭公園、西永福も同様だ。

西武新宿線では東伏見、西武柳沢が浸水想定外にあり、東武東上線ではふじみ野が低リスクだという。

首都圏4都県と大阪府、愛知県の庁舎所在地別の災害安全度調査も掲載している。東京は「西高東低」の傾向にあり、都心に土砂災害の危険も潜んでいるという。どこに家を買うのか、住むのか。人気や地価だけでなく、安全度も考慮しなければならない時代になったようだ。(渡辺淳悦)

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