「バリバリ働きたいのに!」育休復帰後、職場仕切る後輩に単純作業させられる女性看護師の嘆き でも、月7日の早退・欠勤もあって... 専門家の見方は?(1)

「これからバリバリ働こうと思っていたのに!」。3人の子を持つ30代後半の女性看護師の投稿が炎上気味だ。

育休を経て介護施設の職場に復帰したら、自分が一から仕事を教えた「後輩」が仕切っていた。「だいぶ利用者さんも変わりましたので...」と、投稿者は単純作業しかできないという。そのうえ、上司からは「楽なポスト」への異動を勧められた。

この女性の子が病気がちで、月に7日も早退、病欠する理由からだったが、女性は異動を拒否して元の仕事への復帰を望んでいる。

「自分勝手すぎる。職場の大迷惑」という声が圧倒的だが、育休の遅れを取り戻したいという女性の願いは、許されないのか? 専門家に聞いた。

■「あなたが育休中、後輩は年末年始も頑張ってきた」

話題になっているのは女性向けサイト「発言小町」(2022年4月27日付)に載った「育休明けの職場復帰」というタイトルの投稿だ。

投稿者は30代後半、3人の子どもを持つ女性看護師で、ひと月前に育休から勤め先の介護施設に職場復帰した。育休前と同じフロアに戻れたが、後輩との関係で悩んでいるという。その内容を見ていこう。

「後輩は新卒で入ってきて、2年間私が仕事を教えながら面倒を見てきました。仕事をテキパキやってくれるのですが、私が褥瘡処置や経管栄養の業務をしようとすると、『フロアのご利用者さんも大分変わり、処置や業務の流れも変わったので、まずは1日の流れに慣れていただければ』と言い、単純業務しかできない。仕事は記録の入力や事務作業がほとんど。ご利用者さんのご家族の電話や面会でも私を呼ばない」

高齢者への対応は若い後輩が仕切っている(写真はイメージ)

こんな状態で、「やたらと自分で仕切ろうとする」のだ。フロアにいるもう1人の先輩看護師に相談すると、こう言われてショックを受けた。

「あなたが育休中に彼女(後輩)は、休日、年末年始も自分の都合は言わずに出勤して残業もしていた。あなたや子どもさんの心配をしていて、負荷がかからないような仕事からと気を遣っている。私も同じ意見だ」
「まだ、ご利用者さんを把握してないのでご家族の対応は、彼女(後輩)に任せたほうがよい。あなたの子どもさんの体調不良は、仕方がないことだから、欠勤、早退は構わない」

たしかに投稿者は、1歳の子どもが病気がちで、復帰した月のうち7日間は早退、欠勤していて、「迷惑をかけているのは事実」だった。

「でも、私が育休で迷惑をかけた分、早く仕事を覚えたい、バリバリやりたいと言っているのに納得ができないです。
さらに、看護師長から呼ばれ、『休日出勤は保育園の関係上、難しいだろうから、異動するか、サポート的な単純作業にしばらく専念しないか?』と言われ、断ってしまいました。私は遅れを取り戻したいだけ、他の方に追いつきたいのに」

こう悩みを訴えるのだった。

なお、投稿者は早く仕事を覚えたいために、後輩に「連休中にマニュアルを作ってほしい」と依頼したが、先輩看護師が後輩に「作る必要はない」と止めている。

■「理解のある職場なのにワガママすぎる」?!

この投稿に関しては、多くの人から「自分勝手すぎる」、「月に7日も休むのは大迷惑」という非難が殺到した。

「連休中という、後輩の休みの時間を自分のためにマニュアルを作れ、とは! ひと月のうちに7回も遅刻、早退、欠勤では、もうこれは戦力外通告レベル。迷惑をかけているのだから、補助的な仕事で恩返ししてください」

「後輩、先輩、看護師長の考えに賛同します。もっともなことばかりです。(中略)取り戻したい気持ちはわかりますよ。でも現実的に月に7日も早退や欠勤していたら無理です。そんなに仕事に穴をあけても、フォローして、ゆっくり仕事に戻れる体制を作ってくれている。とても理解のある職場で、子育てしながらの仕事としてはとても良い環境だと思います」「まず、病児シッターと契約するとか、子供の病気にご主人がすべて対応してくれるという約束をご主人に取り付けるとか、そういうあたりから始めたら?」

後輩からないがしろにされているのだろうか(写真はイメージ)

後輩や上司の気持ちを察してあげるべきだ、という意見が多かった。

「あなたの育休中に業務を支えていたのは後輩です。施設内の現状を知っているのも、利用者やご家族のことを知っているのも彼女です。育休が認められているとはいえ、ブランクはブランク。毎日働いていた人と同じではありません。(中略)簡単な作業をしてもらいながら今のやり方に慣れ、あなたの様子を見ていきたいというのが上司の本音でしょう」

同じ介護現場で働いている人たちからは、事情をよく知るだけに、安全面の観点から疑問の声があがっていた。

「介護施設で看護師さんと働いている介護職のため、どのような施設形態の現場なのか想像できます。契約条件で就業できていない看護師さんと連携を取る事は厳しいです。(中略)職員のプライベートは入居者様には関係ないのですよ。突発的な勤務時間の変更は、回り回って入居者様にご迷惑とご負担をおかけしています」

「介護の仕事をしていた者です。あなたが休む、欠勤することで現場がどうなるかご説明します。まず、利用者さんに体調の変化があり、または怪我などをされた時、看護師を呼んでも来ません。というか、ほかのもっと重篤な利用者さんの対応をしていて来られないのです。人がいないから。当然、立腹する利用者さんもいます」「そして、やっと来てくれた看護師さんをひと目みただけで、余裕がなく忙しい状況が読み取れます。食後の薬などもすべて大幅に遅れるのです」

■シッターさんに頼むという方法もある

私だってお年寄りと関わりたい(写真はイメージ)

一方では、育休後の復帰経験者から「焦ることないよ」「とりあえず、上司や周りの言葉に甘えましょう」と、やんわり説得する意見も。そして、さまざまなアドバイスが相次いだ。

「海外在住ですが、こちらで子ども複数人いてバリバリ働いているお母さんは、ご主人がメインで育児を行うか、祖父母のサポートが手厚いか、家事育児はお金で解決するかです。お子さん3人いて、仕事内容は以前のように、だけど遅刻早退欠勤は多いは、どう見ても物理的に無理ですよね。ご自分の環境をご自分で変えているのですから、それに適応する能力を身につけないと、すべてが中途半端で終わってしまいますよ」

「私は産休中から、個人で頼めるシッターを探して、探して、見つけました。復帰後の2か月程度は、シッター含む保育料が私の給料よりも5万円くらい多かったです。つまり赤字。でも、働き続けるため先行投資として割りきりました。私の友人は、やっと見つけたシッターさんが家から遠かったため、小学校入学後のことも考えて(つまり、5年以上先)シッターさんの近所に転居までしました」「ご主人が休めない、休ませたくないなら、お金で解決するしかありません」

投稿者の「バリバリ働きたい」という熱意をくみ取ってか、仕事復帰に向けた解決策を熱心に説く人もいたのだった。

■投稿者と職場、2つの「もどかしい思い」がぶつかって

さて、J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部では、「育休から復帰したら、後輩が職場を仕切っていた」という女性の投稿をめぐる論争について、女性の働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに話を聞いた。

――今回の投稿と回答者たちの意見を読み、率直にどう思いましたか。

川上敬太郎さん「後輩との関係で悩んでいる投稿者さんのもどかしい思いをヒシヒシと感じますが、その一方で、投稿者さんの後輩や先輩、看護師長など職場を共にする方々の中にも、もどかしい思いがあるようです。
そのお互いの『もどかしい思い』が相容れないのは、投稿者さん側から見えている職場の状況と、同僚の方々側から見えている職場の状況との間に、かなり大きなギャップがあるからではないでしょうか。
また、投稿者さんが月に7日間早退・欠勤することについて、職場は受け入れてくれていますが、業務のしわ寄せが、後輩を中心に生じてしまっているようです。かつ、投稿者さん自身も迷惑をかけていると認めていることから、回答者の多くは、投稿者さんの主張をワガママだと受け止めているのだと思います」

このあとも、川上さんのアドバイスは白熱します――。<「バリバリ働きたいのに!」育休復帰後、職場仕切る後輩に単純作業させられる女性看護師の嘆き でも、月7日の早退・欠勤もあって... 専門家の見方は?(2)>に続きます。

(福田和郎)

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