【100万円増額計画】「ベロシ・ショック」に揺れた米ドル円 同志社大、慢心が招いた損失 ガマンの一橋大、北大動けず 【FX大学対抗戦 第10節】

米国経済の先行き不透明感から、相変わらず難しい局面にある米ドル相場。そのドル円で、 絶好調だった同志社大学の岩瀬颯汰さんが大敗を喫した。「敗因は無根拠な円高への引き戻りを期待してしまったこと」と、自身を分析。「最近の好調な取引による慢心から欲張ってしまいました」と悔やむ。

FXは難しい。先週(2022年7月25日週)、米ドル円で大敗した一橋大学のチームMegisは、リベンジに向けて分析を重ねたが、今週(8月1日週)は慎重な姿勢をみせ、取引は見送り。北海道大学金融研究会の不破拓人さんは海外旅行中。保有する米ドルは含み益を生んでいるが、売りたくても売れず......。取引できなかった。

■えっ! 取引できない? どうなる含み益(北大金融研究会)

こんにちは。この大学対抗感バトルも10週目に入りましたね。私、不破拓人はといえば、今、所要で海外にいます。いきなりなんの話だと思うかもしれませんが、このFXデモトレードと関係があります。

じつは、今使っている証券アプリは、日本のサーバーでないと動かすことができません。つまり、私は日本に帰るまでトレードすることができません。この局面で、なかなかやらかしてしまったなと思う次第です。

海外についてから、初めてそういうことがあるのだと知りました。とりあえず、1米ドル=131円台で買ったドルは、現在134円で大幅なプラスとなっているので、今のところは問題ありません。しかし、ここからまた円の急騰などが起こった時、すぐに売れないというのがツラいところです。いや、本当になかなかツラいです。

とはいえ、売れないのですから、このドル買いポジションを、今は信じるしかありません。とりあえず、今週(8月1日週)の収支はプラス・マイナスゼロです。

投資家のみなさんは、私みたいにならないように、事前に調べると良いと思います。リアルマネーを動かしている証券口座でそんなことが起こるのかはわかりませんが......。

前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月5日現在          91万6860円

◆ ゆかてぃんのワンポイントアドバイス
ポジションを持ったまま海外の方に行かれているとのことで、トレードできないのはとても残念ですね。デモトレードならまだしも、リアルマネーでトレードしていた場合はすぐに利益確定・損切りできないというのは、かなり危険です。絶対に海外からトレードできないってことはなく、何かしら制限が掛かったままになっていて業者に連絡にして確認するなどすればトレードできるのかなとは思います。
ただ、私だったら海外に渡航するのであれば、持っていたポジションは手仕舞い、持ち越すようなことはしません。相場はなにが起きるかわからないものです。急なショックは誰にも予想できません。損切りはさすがに置いていると思うので、もしそうだとすればまだ大丈夫でしょうが、以前、元外銀ディーラーの方にアドバイスをもらった際に、同じように言われました。絶対起こらないだろうということが起きるのが相場だと。私もまだそういったことは経験していないのですが、トレードに関してリアルマネーでやっている以上、もっと緊張感持ってポジションを持たなくちゃと思うことがたまにあります。海外に行く予定があれば、ネット環境が変わったりですぐに対応できないこともありますし、相場を見れない間に急変動が起きるかもしれません。気を付けたいところですね。

不破 拓人(ふわ・ひろと)
不破 拓人(ふわ・ひろと) 北海道大学農学部3年生
Xトレードは初挑戦。今まではファンダメンタルを基礎とした株式投資を行っていました。今回のFX大学対抗戦では、せっかくのデモトレードということで、テクニカル分析にも挑戦したいです。趣味は映画観賞。最近観た映画の中では「ドライブ・マイ・カー」が推し。
小松 柊太(こまつ・しゅうた)
小松 柊太(こまつ・しゅうた) 北海道大学教育学部3年
北大金融研究会(HFAC)所属。投資は積立投信から始め、半年ほど経つ。FXは試しにかじってみたものの1500円の損失を出し、情報の大切さと難しさを体感。今回、もう少しチャレンジしてみることにした。趣味は旅行、写真など浅く広く。プロフィール写真は今年2月に訪問した納沙布岬。
?北大金融研究会

■米ドル円、難しい相場続く(一橋大学 チームMegis)

先週(7月25日週)、アメリカのGDP(国内総生産)が2期連続で縮小したことで長く続いていた円安ドル高傾向が反発し、円高が急激に進行したのは記憶に新しいことかと思います。われわれもその影響でかなりの損失を被ってしまいました。

今週(8月1日週)もドル円は安定せず、かなり難しい市場が続いたという印象でした。そのため、私たちは分析の結果取引に手を出さず、来週以降に備えるという選択をしました。分析したのは、主にドル円です。

◆ 米ドル円
今週もドル円は不安定で、アメリカ経済の先行き不透明感を印象づけました。先週末に発表された6月のアメリカ個人消費支出物価指数の伸び率は5月のものを上回り、今週の前半はアメリカのインフレ圧力の強さが意識され、一時円安反転しました。
しかし、2日夜からナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問し、それに対して中国は軍事演習の計画を示すなど米中間の緊張感が高まりました。それを受け安全資産といわれる円を買う傾向が強まり1ドル=130円台後半まで大幅に円高が進みます。これは2か月ぶりの円高ドル安水準でした。
2日には一時10年債利回りが3か月債利回りを下回る逆イールドが起こりました。今まで10年債と2年債の逆イールドが定着していましたが、さらにアメリカの景気後退が意識された形です。その後4日には景況感を示す指標が改善したほか長期国債の金利が低下していたこともあり、再び円安ドル高となりました。
そして5日朝方、7月の米雇用統計が発表されたことで大幅円安に転じています。非農業部門の雇用者数が前月比52万8000人増で、これは予想の約2倍の数字でした。予想より指標が改善していたことで、FRB(米連邦準備制度理事会)は利上げ幅を0.75%で維持し続けるだろうという予想が広がりました。
今回、分析を通して改めて分析すべき要素の多さ、各要素の影響力の大きさなどファンダメンタルズ分析の難しさを実感しました。今後も分析を怠ることなく取引していきたいと考えています。

前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月5日現在          90万8493円

◆ ゆかてぃんのワンポイントアドバイス
今週(8月1日週)は難しかったですね。わからない相場は手出ししないが吉なので、良い判断だったと思います。ISMの雇用指数を見ると前月よりも改善しているため、雇用統計は良い数字が出るかもしれない予想はできたのかもしれません。1980年代以来のインフレ率の高さで、政策金利の当時からすれば全然低く、前例のない相場に現在直面しています。ファンダメンタルズを見ないとなかなか難しいですし、調べるのは大変ですよね。これをきっかけに知見も広がるでしょうし、私もそうですが良い経験になりますね。

林檎
チームmagis
林檎 一橋大学経済学部1年
一橋大学投資サークルTOWALYに所属しています。ファンダメンタルズ分析を基に株式投資を行っており、FXはまだ初心者です。モラトリアム実践中! 経験が浅いFXでは試行錯誤が続くことと思いますが、みなさんに成長していく姿をお見せしたいと思っています! よろしくお願いします!!
R
R 東京医科歯科大学 医学部医学科
一橋大学投資サークルTOWALYに所属しています。FXの経験はまだ浅いのですが、この一年を通してさまざまなことを吸収し、成長していきたいと思っています。テクニカル分析に興味があります! 1年間よろしくお願いします!

■FXは感情に任せると敗北する(同志社大学 岩瀬颯汰さん)

◆ 今週の相場の振り返り
今週(8月1日週)は1日にISM(米供給管理協会)による7月の製造業総合景況指数の発表と2日にペロシ下院議長の訪台、さらに4日にはBOE(英中央銀行)による政策金利の引き上げがありました。製造業総合景況指数が2か月連続の低下したことに加え、生産指数も約2年ぶりの水準に低下したこともあり、先週(7月25日週)以来の円高傾向が継続し、一時1ドル=130円台となる場面もありましたが、3日にはペロシ下院議長の訪台が終わりを迎えたことに対する安堵感からか、1ドル=134円台への大幅な円安へと傾きました。
翌日に行われたBOEによる政策金利発表では0.5ポイントの引き上げとなりました。これは27年ぶりの大幅な利上げとなりますが、加えてインフレ加速の重圧により英経済が1年超のリセッション(景気後退)に向かいつつあるとも警告しており、英ポンド/円市場は高値から4円近い急落となりました。

◆ 実際の取引
今週は米ドル円と英ポンド円の2ペアで取引しました。
米ドル円に関しては、1日のISMによる製造業総合景況指数の低下の発表を受け、先週からの円高も鑑みて2日に強気に1標準ロットでショート(売り)したのですが、3日の大幅な円安に対して、柔軟に対応することが出来ず、損切りのタイミングを見失い、大きなマイナスを生み出してしまいました。
英ポンド円に関しては、4日に英国の政策金利の大幅利上げが決定したものの、リセッション懸念が依然強い西欧諸国の経済状況や6月、7月の取引の経験から現状他の投資家が恐れているのはリセッションであると考え、5ミニロットでショート(売り)する選択肢を採択しました。この予測は当たっていたようで、4日の20時台は大幅な急落が起き、利益をあげることができました。

◆ 所感
今回は米ドル円でのペアで大きな損切りをうみだしてしまいました。敗因は無根拠な円高への引き戻りを期待してしまったことの1点にあります。ふだんは1円以上のレンジでのマイナスとなった時点で損切りをすることを一つの損切りルールとしているのですが、最近の好調な取引による慢心から欲張ってしまいました。
私のFXは感情に任せると敗北する傾向にあるようです。気を引き締めてこれからの取引に望もうとより一層の分析の強化、メンタルの強化に努力しようと思いました。

◆ 今週の取引

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前週からの損益 マイナス18万7800円
8月5日現在         178万4982円

◆ ゆかてぃんのワンポイントアドバイス
ドル円のマイナスは痛かったですね。欲が出たり、マイナスを取り返そうとしてトレードに挑むと、負けるというのはトレードあるあるですね。今回のドル円は、うまい人でも上がったところをショート(売り)を入れて損切りしてるトレーダーもいて、難しかったと思います。止め時は確かに難しかったかもしれませんが、自分のルール通りにトレードをするのが結局一番正しかったりします。ぜひ今後も、ご自身のルールを信じてトレードしていただければと思います。
ポンド円は素晴らしかったですね。焦らず冷静に、今後もトレードに取り組んでいただければと思います。

岩瀬 颯汰(いわせ・そうた)
岩瀬 颯汰(いわせ・そうた) 同志社大学1年
FXは高校時代から独学で学んできており、このたびは自身の実力を試したく、このFX大学対抗戦に臨んでいます。不束者ですが、よろしくお願いします。

◆ ◆ アドバイザーのプロフィール

ゆかてぃん
ゆかてぃん 兼業スイングトレーダー。2019年からFXをスタート。「コロナ相場」に乗り、最高月利益は3000pips以上。現在ラジオNIKKEIで月に1度出演。CXR投資チャンネルでMCを務める。個人でYouTube活動もしている。
得意な通貨はポンドで、最近は仮想通貨も取引。
ツイッター @fx_yukatin
CXR投資チャンネル https://www.youtube.com/channel/

100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはフリーとします。
・レバレッジは、25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で大きな損失が発生して資産が「ゼロ」になった(元本割れを起こした)場合は、その時点でリタイアとなります。
・運用期間は6か月で、最終週時点での資産増減額で順位を決めます。

学生投資連合USIC「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/

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