フォーエバー21日本再参入で運営担う「カジュアル衣料」アダストリア株、3か月半ぶり高値...収益拡大を期待

カジュアル衣料専門店チェーンを展開するアダストリアの株価が2022年9月22日の東京株式市場で一時、前日終値比52円(2.3%)高の2272円をつけ、約3か月半ぶりの高値となった。

終値は前日比18円(0.8%)高の2238円で3日連続の上昇。前日の21日、2023年に日本市場に再参入する米国カジュアル衣料ブランド「フォーエバー21」の運営を担うと発表し、収益への貢献を期待する買いが入った。

■「ファストファッション」代表格だったフォーエバー21...現在は異なる戦略

フォーエバー21はかつて、流行りのデザインを施した衣料を格安で大量に販売する「ファストファッション」の代表格として世界に店舗展開。日本市場には2009年に参入した。同年の流行語大賞のトップ10に「ファストファッション」が入るほど当時は話題となった。

フォーエバー21はスペインの「ZARA」や米国の「GAP」、スウェーデンの「H&M」などともにファストファッション全盛期の顔となり、1000円を切る商品も珍しくないほど価格が安く、多くの顧客を集めた。

しかし、ネット通販市場の拡大に必ずしも対応できず、世界的に顧客の「飽き」も招いて徐々に売り上げを落とし、2019年に経営破綻。日本市場からも同年に撤退していた。

フォーエバー21は経営を引き継いだ米国の会社によって、大量販売などのイメージを払拭する「脱ファストファッション」路線で再出発し、世界で570店舗以上を展開している。

日本市場再参入にあたっては伊藤忠商事が日本で事業展開する権利を取得し、伊藤忠がアダストリアとライセンス契約を結んだ。

■商品企画は日本中心、生産は海外...コスト増の「逆風」、乗り越えられるか?

アダストリアは「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」などのカジュアル衣料ブランドをショッピングモールや駅ビルの店舗、ネット通販で展開する。

コロナ禍を克服しつつある2022年2月期連結決算は売上高が前期比9.6%増の2015億円、営業利益が8.6倍の65億円、最終損益は49億円の黒字(前期は6億円の赤字)。2022年3~5月期連結決算は売上高が前年同期比25.0%増の580億円と好調で、株価も足元で上昇基調にあった。

フォーエバー21の国内運営にあたっても、「脱ファストファッション」を全面に出す。

1号店は2023年4月にオープン予定だ。平均商品単価は4000円程度になる見通しで、初年度の春夏商品は約8割をアダストリアが企画し、日本人の体型などに合った商品を販売する。

ターゲットは10~30代の女性に置く。ただ、日本で商品は企画するが、生産はアジアとはいえ海外だ。物流コストの高騰や円安の悪影響が重なるなかでの再出発という意味でも「格安」ではいられない。

そうした逆風をどう乗り越えられるかが課題となりそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

関連記事(外部サイト)

  • 記事にコメントを書いてみませんか?