【仕事と育児の両立】高まる「病児保育」のニーズ 「子どもが熱を出す度に会社を休むのは難しい」という現状に対応

【仕事と育児の両立】高まる「病児保育」のニーズ 「子どもが熱を出す度に会社を休むのは難しい」という現状に対応

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仕事と子育てを両立するため、子どもを保育園に預ける親は多い。しかし子どもが37.5℃以上の熱を出すと、保育園に預けられなくなってしまう。近くに頼れる親戚がいなければ、夫婦のどちらかが仕事を休んで子どもの面倒を見なければならない。

そうした問題の解決に向け、認定NPO法人フローレンスは、病気の子どもを受け入れる「病児保育室フローレンス豊洲」(東京都江東区)を今年1月に開設した。有楽町線もしくはゆりかもめの「豊洲駅」から徒歩1分に位置し、2月4日時点で利用登録者数は500人以上に上るという。

保育料は1日3000円、水痘・麻疹・結核以外の全ての症状で利用できる

フローレンスの赤坂緑さんは、病児保育の必要性について、次のように話す。

「0〜1歳の頃は平熱も高く、少しでも体調が悪いとすぐに37.5℃を超えてしまいます。その度に仕事を休むのはとても難しい。上司や同僚の理解が得られなかったり、仕事の都合でどうしても休めなかったりすると思います。しかも兄弟や姉妹でうつし合うと1〜2週間も働けないということになりかねません。派遣社員の場合は、休みが多くて契約を更新してもらえなかったり、時給で働いているため、収入が減ってしまったりすることもあるでしょう」

現在、病気の子どもを預かってくれる施設は都内に146か所しかない。どの施設も定員は4〜10人程で、都内の子どもの数と比べるとあまりにも少ない。

病児保育の施設が増えないのには理由がある。開設には、保育所の基準を満たしたうえで、保育園か病院に併設されていなければならず、ハードルが高い。また、インフルエンザの流行期等は需要が大きくなるため、たくさんの保育士が必要になるが、普段はそれほどでもないため繁閑の差が大きい。そのため安定した経営が難しく、利益が出づらい。

こうした状況を少しでも改善しようと、フローレンスは「病児保育室フローレンス豊洲」を今年1月17日にオープン。開園時間は平日の9時から18時までで、保育料は1日3000円。定員は4人で、水痘・麻疹・結核以外の全ての症状で利用することができる。

利用するためには、まず提携医である有明こどもクリニックを受診し、病状等が記載された利用連絡票を受け取る。その後、ウェブで予約する。予約は前日の15時から当日の15時まで可能だ。

利用者からは、

「先生方の感じもよく、家の近くに感染性のある病児を預かってくださるところができてとても有り難かったです。地下駐車場に車を止めれば、病児本人の負担も軽く通えました」
「発病時にとても手厚くみていただけて、とても安心だった。また、子ども自身も楽しく過ごせたようで、また行きたいと言っていた」

といった声が届いているという。

「フローレンスがあったから仕事を辞めずに済んだ」 利用者から感謝の声

フローレンスでは、施設型の病児保育室に先駆け、訪問型の病児保育も15年に渡り実施してきた。当日朝8時までに依頼すると、保育スタッフが自宅まで来てくれるサービスだ。現在、東京・千葉・神奈川・埼玉で約8000人が登録。累計で5万件以上の利用があった。

利用料金は、1時間当たり2000円。それとは別に、利用頻度によって変動する、平均7000円の月会費を納入する。月会費には、月1回分の利用料が含まれており、子どもの年齢と1か月ごとの利用回数によって決まる。ひとり親世帯で、児童扶養手当を受給しているなどの条件を満たす場合には、月会費が1000円、2回目以降は1時間当たり1000円となる支援プランも提供している。

赤坂さんも、フローレンスに入社する前は、このサービスを利用していた。

「フローレンスに入社する前は、キャリアカウンセラーや講師の仕事をしていました。授業のコマに穴を開けるわけにはいかないため、子どもの病気に備え、夫に出張を入れないでもらうといった工夫をしていました。それでもどうしても面倒を見られなくて困るという時があります。フローレンスの病児保育があるととても心強かったです」

子どもが病気になった時、会社を休んで面倒を見ることもできるし、病児保育に預けて仕事をすることもできる。多様な選択肢が実現する環境の整備が必要だ。

「最近では、以前よりも柔軟な働き方ができるようになっています。例えば、半日だけ病児保育を利用して、午後は在宅勤務をするという利用者さんもいます。子どもが病気になったときに、もっと休みやすくなればいいと思います。しかし休めるからといって必ずしも休まなければいけない訳ではありません。子どもの面倒を見ながらの在宅ワークでは、仕事に集中できないということもあると思います。病気の子どもを預けて働くためにも、病児保育の拡充が必要です」

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