【売り場の声】ビックカメラのPCバイヤーに聞く、PC市場の拡大手段

【売り場の声】ビックカメラのPCバイヤーに聞く、PC市場の拡大手段

ビックカメラ商品本部商品部PCグループ長の戸井田久課長(左)と、商品本部商品部PCグループの鈴木淳係長

 PC市場は現在、単価を下げながら前年並みの販売台数を維持している。ビックカメラでは、ゲーミングや2020年に小学校で必修化するプログラミング、女性に焦点をあててPCの需要拡大を訴求。高単価PCを販売するなどして、売上増を狙う。
ビックカメラ商品本部商品部PCグループ長の戸井田久課長(左)と、商品本部商品部PCグループの鈴木淳係長
 ビックカメラ商品本部商品部PCグループの鈴木淳係長は「PC需要は買い替えが多く、新規に購入する顧客はあまり見ない。用途についてお客様の声を聞いても、スマートフォンで十分対応できる場合がほとんど。なぜ買うのか、顧客の心境がわからないこともある」と、PC販売の現状について話す。
 今では、Webサイトの閲覧や動画の編集、チャット、電話以外の音声通信など、PCだけでなくスマホでもできることは多い。差異化を図るには、用途に絞った訴求が重要になる。そこで生きる話題が、デジタルゲーム向け(ゲーミング)や小学校で必修化するプログラミングだ。
 人気のPC用ゲームではPCが高性能なほど操作や通信が安定したり、映像が高精細になったりと、有利になる場合が多いため、単価が高くても一定の需要が見込める。デジタルゲームを使った競技「e-Sports(eスポーツ)」が22年、「アジア版オリンピック」とも呼ばれるアジア競技大会でメダル種目になることもあり、さらなる盛り上がりが期待できる。
 また、プログラミングについては、PCが活躍する場が増えると歓迎していた。「学生が一人一台のPCを持つようになり、PCが生活に馴染めば、販売の土壌が出来上がるはず。スマホのように生活必需品レベルの需要が生まれよう、メーカーと協力して施策を考えなければならない」(鈴木係長)。
 さらに新たな市場として、これまで需要の中心だった男性だけでなく、ほとんど未開拓市場である女性のPC需要を、これから探っていくという。デザイン面以外にも、サイズや重さ、操作性、価格など、多角的に分析し、需要の拡大を図る。
●「消費者目線に立ってほしい」
 直近の懸念事項もある。PCの長所でもあるキーボード入力が、AI搭載スマートスピーカーの音声入力に置き換えられてしまう可能性だ。一般家庭においては、多少の技術を必要とするタイピングで検索機能を利用するよりも、話しかけるだけで利用できる方が便利なのは明らか。商品本部商品部PCグループ長の戸井田久課長は「近頃は、若い世代を中心に音声入力機能への抵抗感が減ってきている」と、音声入力が普及する下地が固まりつつある気配も感じていた。
 鈴木係長は「PCはなんでもできるが、高すぎるスペックを持て余してしまい、器用ならぬ性能貧乏になりつつある」と指摘する。「今までのようにさまざまな機能を搭載して単価を上げるよりも、消費者目線に立ち、シンプルでもいいのでまずは普及させることが先決だ」と、思いを打ち明けた。(BCN・南雲 亮平)

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