海外で働きたい。第一のハードル「英文履歴書」の書き方

海外で働きたい。第一のハードル「英文履歴書」の書き方

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■無職はつらいよ

 2016年の年末から、海外に照準を定めて転職活動を始めましたが、まあ行き当たりばったりにやっていたので、なかなかうまく行きません。

 私がエージェントからもらった海外の求人は、靴や衣類の検品検針作業員の管理、ケータリングの営業、不動産コンサル、保育スタッフなどなど。その半数が営業でした。

 そもそも、語学に強いわけでもなく、記者を5年勤めた経験しかない私には、自信をもってこれが出来ると思える求人がなかなかなく、応募すら躊躇する有り様でした。無職で年末を過ごすうち、ナーバスになっていたんでしょう。

 今から思えば、未経験でもいいから私のもとに求人が来ているわけで、会社側も未経験者にそこまでの知識を求めているわけではないのでしょうが……。

 結局、6年ぶりに仕事もなく、自宅で過ごせる「嬉しい」はずの年末年始でしたが、まったく楽しめませんでした。会社でひとり宿直で紅白や新年番組を見るより、無職のまま自宅でそれらを見る方が何倍もこたえました。

キヨシマの転職活動メモ
一、 無職での年越しは精神的にクる。

 年が明けても、転職活動ははかどりませんでした。

 以前Skype面接をしたリーラコーエンインドネシアの方に「英文履歴書」(カンタンに言うと日本語の履歴書と職務経歴書が合体したようなもの)の作成を指示されたのですが、日本語の職務経歴書づくりで苦労した経験から、気力十分な状態でないと太刀打ちできないと、手を付けられないまま、ただ時間ばかりが過ぎていたのです。

 だいたい、考えてみれば日々の話し相手は飼っている猫か、よく行く近所のスタバの店員さんぐらいです。ただでさえ無職でナーバスになりやすいのに、こんな生活をしていたら精神衛生上よくありません。

 まずい。非常にまずい。仕事が見つかる前に精神がやられるわコレ。そう思った私はすぐさま友人に連絡を取りました。

「勉強会しよ」

■友人のひと言に感化され

 週末、スタバで彼女と落ち合いました(マジでお世話になってますスタバさん)。

 彼女は、民間企業から地方公務員に転職した高校からの友人で、公務員試験に合格する前に無職だった期間があり、慰めのことばをかけてくれるいい女です。

 彼女も私も最近英語学習を始めたので、ときどきこうした勉強会を開催していました。

 まあ、勉強会と言っても、一緒に何かを勉強するわけではなく、互いがちゃんと勉強しているか監視し合うだけですが。

 雑談タイムになったとき、それまでずっと疑問に思っていたことを尋ねました。

「そういえばさ、何で英語の勉強してんの?」

 返ってきたのは予想外の返事。

「いやー、海外の大学院行きたくてさ」

 え!? マジで!? そんな壮大な夢があるとはつゆ知らず。地方公務員も英語力が評定に影響してくるのかなーとか、彼女は毎年海外旅行に行っていたので、その時に使うためかな、くらいに考えていました。思わず前のめりで話を聞きます。

「公共政策に興味があって、学びたいんだよね。やっぱさ、好き勝手やって人に文句言わせないためには、実力がないとね」

 確かに彼女は、公務員の世界では浮きそうな歯に衣着せぬタイプです。そんな彼女が公務員の世界で生きていくためには、つねに専門性を高め、磨く必要があるのでしょう。彼女の話を聞いて、「身近にこんなに頑張っている人がいるのに病んでる場合じゃねえ」と元気をもらいました。持つべきものは友人です。

■英文履歴書ならではのルール

 友人に会っただけでナーバスな気分が吹き飛んだ私は、ようやく英文履歴書の作成に取り掛かりました。

 一応、フォーマットはもらっていたのですが、もう少し情報がほしかったので、職務経歴書を書いたときのように検索に次ぐ検索を行い、英文履歴書に必要な情報を普遍化することにしました。

 ちなみに、「英文履歴書 書き方」「英文履歴書 見本」などで検索すると上位に大手転職サイトの説明ページが出てきます。

 英文履歴書の書き方は、おおまかに3タイプあります。

1、年代順:職歴などを新しいものから時系列に沿って書く
2、職務別:経験、業績の要点のみを書く
3、混合式:1と2を合体させたもので、経験や業績を書いたのち、職歴などを新しいものから時系列順に書く

 私がもらったフォーマットは3で、ネットで見る限りこれが一般的なようでした。

 いずれのタイプでもそうですが、英文履歴書の場合、タイトルは自分の名前。太文字でバーンと入ります。これ、日本人の私には結構こっぱずかしいです。

 個人情報は住所、電話番号、メールアドレスだけでOK。顔写真も不要です。
(日本も写真不要になれば、就活する学生さんの金銭的負担もちょっとは減るよなぁ)。

 そういえば年齢や性別、容姿がバイアスにならないように聞かない国もあると、その昔ニュースで見たような気がします。

 分量はA4で1枚。多くても2枚までで、書体は「Times New Roman」を使う。一人称は使わず、書き出しは動詞か名詞で。基本的に過去形を使うetc。

 英文履歴書ならではのルールで、「へ〜」と感心したり、「なんで?」と疑問に思うことばかり。

■翻訳作業でドツボにはまる

 中には、「buyではなくpurchaseを使う」といった言い換えのアドバイスをしているサイトもあり、自分の書いた文章に言い換えをすべき単語がないかどうかチェックもしました。

 しかし、国内で職務経歴書のサンプルを探したときと同じで、こうした英文履歴書のサンプルも営業やIT系の職種が主。記者職で参考にできそうなものはありません。

 仕方がないので、日本語の職務経歴書、辞書とにらめっこで英訳していきます。

 とりあえず、自分が使っていた名刺の裏を確認して、「記者」をstaff writerと書いたまではいいのですが、その先は疑問の嵐。

 記事って、articlesでいいの? 検索したらstoriesも出てきたぞ? Wrote使うと幼稚な印象だろうか? 「特ダネ記事を書いた」はgot a scoop……?

 調べれば調べるほどドツボにはまります。あれもこれも正しく見えてくる。

 まあ、実際日本語でも「どっちの言い回しも可」の表現がわんさかあるので、英語でも同じなんでしょうか。 

 リーラコーエンの方は「わからないところはそのまま送ってもらえれば、ネイティブスタッフが添削します」と言ってくれていました。

 もういい。このまま送ろう。おとなしく添削してもらって、正しい言い回しを学ぼう。そう思いつつ、最後にもう一度ミスがないか書き方を説明しているサイトと見比べているとき、ある注意書きが目に入りました(以下、「転職Hacks」より引用)。

「staffという言葉はプロフェッショナルにはふさわしくありません」。

「たとえこれまでの会社では肩書のつかない平社員であっても、英文履歴書には自分の職務に見合う肩書きを考えて書いてください」。

 マジかよ〜。めっちゃstaff writerって書いてたよ〜。

 て言うか、新聞記者時代の名刺の裏、そう書いてあったし、周りも大体「staff editor」とか「staff reporter」と書いてあったんだけどな。

 しばし悩み、結局reporterに書き直して提出したのでした。

キヨシマの転職活動メモ
一、英文履歴書を書くときの翻訳は、くれぐれも気をつけろ。

※この連載は、新聞記者として5年働いたキヨシマによる、「脱力系」転職活動記です。書かれていることは全て現在進行形のノンフィクションです。

(キヨシマ)

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