AIが作曲家を不要にする現実がすぐ目の前に 「創作」とは何かを問う『電気じかけのクジラは歌う』

AIが作曲家を不要にする現実がすぐ目の前に 「創作」とは何かを問う『電気じかけのクジラは歌う』

Syda Productions/Shutterstock.com

 AIがどう社会を変えていくのか。これからの僕らの生活を考えていく中で、この視点は欠かすことのできないものになっていく。自動化のレベルはまちまちだが自動運転車は出てきているし、僕がいる出版・書店業界にも、AIによる発注システムが書店現場に入り始めている。

 AIが人間から仕事を奪うといった悲観的な見方から、AIに仕事をさせて人間は好きなことをやればいいという楽観的な見方まで、仕事という観点からだけでもさまざまな捉え方があるし、2045年にシンギュラリティが起こるという予測や、それによって人間社会が良くなる/悪くなるなどいろいろな想定が存在する。

 未来がどうなっていくのか、現時点で確実な予測ができないという点については衆目の一致するところではあるだろうが、しかし確かなのは、AIが人間社会を大きく変えていく、ということだ。

AIは著作権を持てない?

 そういう中で、以前なにかの本で読んで目からウロコだった話がある。それが、「AIが創作したものに著作権は発生しない」というものだ。

 著作権法において、「著作物」は以下のように定義されている。

「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」

 この中の、「思想又は感情を創作的に表現したもの」という部分が重要だ。AIには思想も感情も存在しない(と現時点では考えられている)。だから、「AIが生み出したもの」が、たとえ「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」であっても、それは「著作物」として認められない、ということに(現時点では)なるのだ。

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