米国の人種差別の根底にある古くて新しい問題 映画と旅する歴史の舞台〜米国篇(8)黒人奴隷制

米国の人種差別の根底にある古くて新しい問題 映画と旅する歴史の舞台〜米国篇(8)黒人奴隷制

黒人少年らに銃口向けた白人警官が辞職、米テキサス州

 テキサス州バウチ・スプリングスで、若者たちの乗った車に向け発砲、丸腰の黒人高校生を射殺した警官が、5月5日、殺人罪で起訴された。

 事件の細かな背景についてははっきりしないが、これまで、頻繁に繰り返されてきた同様の出来事の根底には、多かれ少なかれ、個人の、社会の、「差別」があった。

 一方、WBC(ワールド・ベースボール・クラッシック)にも出場していたMLBボルティモア・オリオールズのアダム・ジョーンズ外野手が、ボストン、フェンウェイパークで行われた5月1日のレッドソックスとの試合中、観客から「黒人への差別用語」をたびたび浴びせられ、試合後にはピーナッツの袋を投げつけられたことを明かしている。

 ニューヨーク・ヤンキースのC.C.サバシア投手も、ボストンでひどい差別語での罵声を浴びていたと言い、そうしたことが頻発していることを様々なメディアが伝えている。

米国にある根深い差別意識

 人々が憧れる大スターでも、こうした状況にさらされていることに、米国という国にある差別意識の根深さを感ぜずにはいられない。社会が内向きになるばかりのいま、古くて新しい問題への懸念は深まるばかりだ。

 黒手袋をし、拳を握った右手を高く掲げる表彰台の2人の黒人アスリート。1968年メキシコオリンピック、男子200メートル表彰式で、「Black Power Salute」と呼ばれる黒人差別への抗議をするトミー・スミスとジョン・カーロス。

 米国人の金銅メダリストである。物議をかもしたこの行為を、国際オリンピック委員会は「政治的」とし、米国選手団からの追放処分を課した。

 マーティン・ルーサー・キング・ジュニア暗殺の年に行われた大会での、この「Black Power Movement」を象徴する瞬間をとらえたポスターを壁に貼る黒人学生。同室の白人学生は「2週間も見たくないからはがせ」と怒る。

 2人は取っ組み合いとなり、他の学生も巻き込み、白人対黒人の喧嘩となる。

 彼らは、実話をベースとした『タイタンズを忘れない』(2000)のTCウィリアムズ高校の学生たち。1971年、白人校と黒人校が統合され誕生、フットボール部がゲティスバーグ大学へと合宿にやって来ていたのである。

 その夏、高校のあるバージニア州アレクサンドリアでは、黒人少年が白人店主に殺される事件が起き、人種間は緊張状態、町は荒れていた。

 教育委員会の方針で就任した黒人ヘッドコーチ、ブーンと、白人アシスタントコーチ、ヨーストのもと、ゲティスバーグの古戦場に行き、チームメートを知り、一体となっていくチーム。

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