自動運転へ向けチーム日本のきっかけとなるか? 群馬大学と東洋電装、自動運転に関する産学連携の新たな取り組みを発表

群馬大学と東洋電装は5月23日、自動運転に関する産学連携の取り組みを開始したと発表しました。

自動車100年の歴史の中で、過去最大の変革と言われる自動運転化への潮流。自動車メーカー同士でも、一社でやっていては乗り遅れてしまう、と技術提携へ向けた発表がいくつも行われています。

群馬大学は、2016年10月より群馬県桐生市で自動運転社の公道実証実験を開始しており、12月より同大学内に「次世代モビリティ社会実装研究センター」を設置。桐生市における公道実証実験などにより関連企業、自治体などと社会実装を積極的に展開し、2017年内に大学としては国内最大の完全自律磁土運転に特化したオープンイノベーション型研究開発施設を整備する予定です。

東洋電装は、主に車内のスイッチ類を得意とするサプライヤーで、例えばホンダ車向けのコンビネーションスイッチ(ウインカーやワイパーなどのステアリングコラムから出ているスイッチユニット)はほぼすべてが東洋電装製だといいいます。

そんな東洋電装は自動運転社会や電動化に向けて2016年1月にイノベーション開発部を発足、オープンイノベーションにより他業種とのコラボレーションで新規アイテムの開発などを行いながら、パートナーとなる企業や大学を探していたそうです。この流れのひとつとして群馬大学との連携で実証実験を通じた新規アイテムの開発や検証を行っていくといいます。

東洋電装では「自動運転時代が到来すると自動車のスイッチが必要なくなるのでは?」という発想もあり、イノベーション開発部の位置付けを、これまでの新規開発部門とはまったく違った部門としているそうで、会社の基幹製品に大きな変化が訪れる前にアクションを起こしたといったところでしょう。

しかし、自動運転の公道での実証実験をするには、サプライヤー1社ではハードルが高く、群馬大学の実績をうまく利用させてもらうといったところ。群馬大学では現在、2輪も含む18台の自動運転実証実験車両を有しているそうです。

また、群馬大学は自動車そのものを動かしたり、操作することHMI=ヒューマン・マシン・インターフェースの部分のノウハウがすでに蓄積された企業と組むことで、より現実的、実用的な自動運転車両に近付けられるというねらいがあるようです。

実際に、実証実験中の群馬大学の自動運転車両へ同乗体験することができました。

ルーフに全方位カメラ、GPS、全方位レーザー、ジャイロセンサーなどこの車両を機械で動かすためのセンサー類が取り付けられ、普通のクルマでないことは明らかです。

運転席は自動運転のためのスイッチ類がダッシュボード上に追加されているのとモニター、キーボードが搭載されている程度です。

トランクルームにはコンピュータ本体、Gセンサー、100V電源インバータ、車両を動かすためのユニットなどが搭載されています。

実際に人間に変わって車両を動かしているのは、例えばステアリングは車両の電動パワステのユニットを利用しているとのこと。

実際に自動で動き出すと発進や減速は思ったより滑らか。標識や信号に読み取って必要に応じて発進、加速、減速、停止を行ってくれます。

実際に「止まれ」の標識に従って白線で停車。しかし、停止線からでは左右の見通しが悪いシーンでは、普段の運転と同じように左右の見通しが利くところまでじわりじわりと進み、見渡すことができ左右の安全が確認できてからきちんと加速しだすという人間と同じ動きをしていました。

ただし、ステアリングの制御はぎこちないところが見受けられます。

交差点を曲がるときなど、ステアリングの動きがカクカクとしていて、実験として乗っていなければ不安に、または不快に思う程です。

https://youtu.be/aAhqO_aew-Q

どうやらその原因は、トレースすべきラインに乗せようとステアリングの制御が少しずれただけでも修正を左右に細かく入れてしまうせいのようです。

こういったクルマの動きの制御に関するノウハウは自動車関連のメーカーにあっても、大学には蓄積されているものではない、というわけでしょう。

試乗を終え、得意分野がまったく違う大学とメーカーで提携することの意味がよくわかりました。企業間でも不得意分野で補完するための提携はありますが、それ以上の補完関係ができるというわけですね。

まさに、世界的に開発を進めるべき分野で、日本の技術力を産学のみならず政府や自治体なども手を組んでいくべきなんだと実感しました。

群馬大学、東洋電装だけでなく、チーム日本で力を合わせたイノベーションがより必要だと思います。今回の提携発表が、それを触発する起爆剤になることを期待したいと思います。

(clicccar編集長 小林 和久)

自動運転へ向けチーム日本のきっかけとなるか? 群馬大学と東洋電装、自動運転に関する産学連携の新たな取り組みを発表(http://clicccar.com/2017/05/23/475078/)

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